ファイナンス 2017年9月号 Vol.53 No.6
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2要求・要望について(1)年金・医療等年金・医療等については、平成29年度予算額に、高齢化等に伴う増加額(いわゆる“自然増”)6,300億円を加算した範囲内で要求することとしている(本増加額については、経済再生やこれまでの改革等の効果を引き続き適切に見込んでいる)。年金・医療等に係る経費については、過去5年間の増加額が高齢化による増加分に相当する伸びとなっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を平成30年度まで継続していくことを目安とし、「経済・財政再生計画 改革工程表」に沿って着実に改革を実行していくことを含め、予算編成過程において合理化・効率化に最大限取り組むこととしている。(2)地方交付税交付金等地方交付税交付金等については、「経済・財政再生計画」との整合性に留意しつつ要求することとしている。(3)義務的経費義務的経費については、平成29年度予算額の範囲内で要求することとしている。その上で、聖域を設けることなく抜本的な見直しを行い、可能な限り歳出の抑制を図ることとしている。なお、歳出抑制を更に促進するため、各省が義務的経費を要求段階で見直した場合には、その見直し額を裁量的経費に振り替えられることに加えて、後述の「新しい日本のための優先課題推進枠」の「要望基礎額」に加える仕組みとしている。(4)その他の経費その他の経費、すなわち補助金等を含む裁量的経費については、平成29年度予算額の90%(「要望基礎額」)の範囲内で要求することとしている。(5)新しい日本のための優先課題推進枠予算の重点化を進めるため、「人づくり革命」の実現に向けた人材投資や地域経済・中小企業・サービス業等の生産性向上に資する施策を始め、「基本方針2017」及び「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)等を踏まえた諸課題について、「新しい日本のための優先課題推進枠」を設け、各省は上記要望基礎額の30%の範囲内で要望できる仕組みとしている。3予算編成過程における検討事項「経済・財政再生計画」においては、「安倍内閣のこれまでの3年間の取組では一般歳出の総額の実質的な増加が1.6兆円程度となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を平成30年度まで継続させていくこととする」との一般歳出の水準の「目安」が示されている。平成30年度概算要求基準においては、予算編成過程における検討事項として、施策・制度の抜本的見直しや各経費間の優先順位の厳しい選択を行うことにより、これまでの安倍内閣の歳出改革の取組を基調とした効率化を行い、その上でこの「目安」を踏まえ、「新しい日本のための優先課題推進枠」を含めた一般歳出の水準を決定することとしている。また、「基本方針2017」で示された「幼児教育・保育の早期無償化や待機児童の解消に向け、財政の効率化、税、新たな社会保険方式の活用を含め、安定的な財源確保の進め方を検討し、年内に結論を得、高等教育を含め、社会全体で人材投資を抜本強化するための改革の在り方についても早急に検討を進める」との方針を踏まえた対応については、財源と合わせて、予算編成過程で検討することとしている。4要求期限平成30年度の概算要求については、8月末日を提出期限としている。以下には、「平成30年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」の本文を添付する。ファイナンス 2017.917平成30年度概算要求基準の概要SPOT

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