ファイナンス 2017年9月号 Vol.53 No.6
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業承継を想定している経営者も40%程度います。そのマッチングをどうすればいいのかが課題です。これは、地方の信金や信組の役割の一つだと考えています。経営者の個人保証の問題もあります。最近は、企業の中身を見て、経営者の個人保証なしに融資を行う動きも出ていますが、まだ全体の14%程度にすぎません。経営者の個人保証が事業承継の障害になっています。地方の金融機関には、経営者の個人保証の課題をぜひ検討して欲しいと考えています。中小企業は彼らの顧客です。中小企業が疲弊すれば、地方の金融機関の商売のネタも少なくなります。もう少し中小企業に寄り添い、救うべきものは救い、育てるべきものは育てて欲しいと考えています。一方、それには手間がかかります。昔であれば絶対にできません。そういった手間のかかる業務を担う部署に対する評価を金融機関のトップ・人事がどのように行うのかも気になります。この地方の現状を財務局に把握していただき、適切な対応をとっていただければと思います。また、商工会議所としては、我が国の中小企業の多様な事業承継の実態を踏まえ、諸外国の事例等も参考にしながら、円滑な事業承継の実現に向けた税制のあり方に関する提言も行っていきたいと思います。―本日はありがとうございました。聞き手:佐久間 寛道 元広報室長(現:新潟県産業労働観光部長)2017年4月に開催された「林業復活・地域創生を推進する国民会議」05010015020025030035040045020092014(万者)(年)開業企業66万者2012~14年に廃業51万者企業数421万者企業数:382万者2009~12年に廃業62万者2009~12年に開業30万者2012~14年に開業36万者その他の増減7万者▲39万者廃業企業113万者存続企業304万者存続企業304万者図表3 企業数の変化(2009年~2014年)出典:中小企業白書2017ファイナンス 2017.915特集2特別インタビュー 三村 明夫 氏 日本商工会議所会頭 林業復活・地域創生を推進する国民会議会長地方創生の実現 ~中小企業の活性化と林業復活~

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