ファイナンス 2017年9月号 Vol.53 No.6
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た。さらに、中小企業の経営の実態を良く知っているのは、全国に約3,400人いる商工会議所の経営指導員ですから、この人たちにITを指導できるようにもなってもらう準備も進めています。―人手不足解消のための方策はありますか。三村 中小企業が求めているのは即戦力です(図表2)。新入社員を採用して一から教育する時間がないのです。そこで、民間企業等を定年退職した人たちに手伝ってもらってはどうかと考えています。多くの人が65歳で退職しますが、まだまだ元気です。彼らは、「何かやってもいい」「社会貢献したい」と考えてはいますが、一方で「フルタイムはしんどい」という人も多くいます。そんなニーズを満たす方法で彼らと中小企業を上手にマッチングできれば、人手不足の解消につながるのではないかと考えています。人手不足をマイナスと捉えるのではなく、チャンスに変えていく発想が重要です。日本の林業再生も 地方創生につながる―地方創生、中小企業の活性化について、実践的にお話をいただきありがとうございます。会頭は「林業復活・地域創生を推進する国民会議」の会長でもあられます。どのような経緯で林業の重要性を認識し、国民会議に取り組むに至ったのでしょうか。無回答 1.3%過剰である2.3%出典:日本商工会議所「人手不足等への対応に関する調査」(平成29年)過不足はない35.8%不足している60.6%即戦力となる中堅層、専門家62.0%一定の経験を有した若手社員 (第二新卒等)60.3%新規学卒者(高卒)40.3%新規学卒者(大学卒、院卒)37.9%一般職層・非専門的な人材 (パート・アルバイト等)37.1%管理職経験者15.3%その他3.2%無回答0.1%出典:日本商工会議所「人手不足等への対応に関する調査」(平成29年)「中小企業の人手不足に定年退職者をマッチングする方法がある」と三村氏図表1 中小企業の人員の過不足状況図表2 中小企業が求めている人材(複数回答)ファイナンス 2017.913特集2特別インタビュー 三村 明夫 氏 日本商工会議所会頭 林業復活・地域創生を推進する国民会議会長地方創生の実現 ~中小企業の活性化と林業復活~

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