ファイナンス 2017年9月号 Vol.53 No.6
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地方創生の実現 ~中小企業の活性化と林業復活~中小企業の活性化が 地方創生を実現する―日本商工会議所は地域に密着した全国ネットワークを有する団体として、地域の発展に多大な貢献をされていますが、地方創生に関する会頭のお考えをお聞かせください。三村 日本商工会議所の役割の一つは、中小企業の活力強化です。しかし、これは中小企業の問題に限りません。大企業も大きく関係しています。元日本商工会議所会頭の永野重雄氏は、「石垣論」を世に広めました。それは、日本経済は大中小の石がちょうど石垣のようにきっちりと組み合わさることで、強さを発揮しているという考え方です。日本では、企業数では99.7%を中小企業が占めています。ですから、中小企業の活動が活発であれば、日本経済も活発になります。商工会議所の会員数は全国で125万社ですが、東京の会員数は、約7万8千社にすぎません。したがって、会員中小企業の90%以上は地方に存在しています。結局、中小企業の活性化は地方創生とほとんど同意義になっているのです。また、中小企業は、日本全体の雇用の約70%、給与支払いから発生する所得税や社会保険料拠出の約40%を担っています。さらに、中小企業は、大企業を中心としたサプライチェーン戦略の中にもしっかりと組み込まれていますから、そうした面からみても日本経済になくてはならない存在です。ではそうした中小企業をどうやって活性化すればよいのか、実はなかなか難しい問題です。いま、中小企業が抱えている大きな問題は、人手不足であり、後継者不足です。―中小企業の活性化に取り組むにあたって、大事にされていることは何ですか。新日本製鐵(現新日鐵住金)の社長・会長を経験した私が日本商工会議所の会頭になり、何がで三みむら村 明あきお夫 氏[職歴]昭和38年富士製鐵(株)入社平成12年新日本製鐵(株)代表取締役副社長平成15年新日本製鐵(株)代表取締役社長平成20年新日本製鐵(株)代表取締役会長平成24年新日鐵住金(株)取締役相談役平成25年新日鐵住金(株)相談役名誉会長(現職)[公職歴]平成15年〜平成18年(一社)日本鉄鋼連盟会長平成16年〜平成17年(公社)経済同友会副代表幹事平成16年〜平成17年国際鉄鋼協会(現世界鉄鋼協会)会長平成17年〜平成21年(一社)日本経済団体連合会副会長平成25年日本商工会議所会頭 東京商工会議所会頭(現職)平成19年〜平成26年(一社)日本プロジェクト産業協議会 会長平成25年〜林業復活・地域創生を推進する国民会議 会長特集2特別インタビュー 三村 明夫 氏日本商工会議所会頭 林業復活・地域創生を推進する国民会議会長10ファイナンス 2017.9

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