ファイナンス 2017年7月号 Vol.53 No.4
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(前半)幸田 円 公益財団法人 国際金融情報センター 主席研究員(後半)三輪 博樹 中央大学法学部兼任講師、拓殖大学国際学部非常勤講師【第2回】労務問題(前半)太田 仁志 アジア経済研究所 南アジア研究グループ 副主任研究員(後半)齋藤 欽司 スズキ株式会社 常務役員 海外四輪事業本部長【第3回】ビジネス環境(前半)西澤 知史 日本貿易振興機構 海外調査部 アジア大洋州課(後半)日下部 光正 産業機械メーカー 取締役部長【第4回】両国から見た日印関係(前半)ジャグモハン S.チャンドラニ 在日インド商工協会 代表(理事長)(後半)宮下 律江 JALインフォテック 執行役員 旅行業界ソリューション事業部長マクロ経済トレンドについては、モディ政権の政策の影響もあり、2014年、2015年、2016年は7%台の成長率で、国民からの支持率も高く、海外からの投資の注目度も高い。政治的には、現状ねじれ国会という状況であるが、注目選挙区での与党の勝利が今後のねじれの解消のためのキーと言えよう。労務問題については、同国でビジネスする上でも毎回話題に挙がるテーマである。労務問題は様々な種類があるが、過去には死者が出る程の暴動に発展した事件もある。ビジネスをする上では、世界中どの国においても労務は頭を悩ませる問題であるが、同国は政治的背景も複雑に絡み合っているので注意が必要である。ビジネス環境について、特に製造業においては、日系企業専用工業団地等も整備されており、投資環境は年々改善されている。マーケットの大きさという観点で引き続き魅力的であるインドであるが、一番の魅力は、インド人という「ヒト」であり、今後パートナーとして発展・相互補完し合える存在である。日印関係については、現在空前のインドブームであり、政治・経済の両面で極めて良好であると言ってよい。将来に向けた更なる友好関係構築のために、両国の文化、慣習の違いを認め、相互理解を深めていくことが重要である。(2)インド研究機関との研究交流(ICRIER、NCAER)財務総研では、インドの経済研究機関であるインド国際経済関係研究所(ICRIER)、インド応用経済研究所(NCAER)と積極的に交流を行っている。これら研究機関との間において、国際会議の共催を軸に、各研究所が主催する会議への講演者の派遣など様々な形で展開されている。これらインドの有識者・研究者との共催会議によって日印間で抱える問題・提案を広く共有することができ、更なる両国経済関係の発展に資することを期待している。ICRIER、NCAERとはそれぞれとの共同会議を以下の通り開催した。インドの政府高官、研究者、インドに進出している日系企業や政府系機関から講演者或いは討議者を招聘し、インドの投資環境を主テーマとして議論を行った。①NCAER-PRI –Video Dialogue“THE CHANGING INDIAN INVESTMENT CLIMATE:HOW ARE INDIA’S STATES FARING?”日時:2016年12月20日主な講演・討論者:(インド側)NCAER Shah所長、NCAER Mythili Bhusnurmathシニアコンサルタント、 クレディ・スイス・セキュリティ・インドNeelkanth Mishra マネージングダイレクター(日本側)財務総研根本所長、 インド・ビジネス・センター島田社長、 ジェトロ西澤リサーチマネージャー(主なテーマ)インドのビジネス環境、州毎の投資インデックスファイナンス 2017.731投資環境改善の動きと財務総研の取組み モディ政権の政策と今後の課題:SPOT

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