ファイナンス 2017年7月号 Vol.53 No.4
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横浜港の利用客数は 2018年に約14万3,000人に横浜税関は神奈川県のほか、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県(東京税関の管轄に属する成田市などを除く)の6県に及び、約1,100名の職員が働いています。その中でも、横浜港を利用する外航客船は近年、急増しています。10年ほど前の2008年には、23隻が入港し約1万5,000人が出入国しましたが、2016年には49隻、約8万2,000万人まで増加しています。さらに、2018年には84隻、約14万3,000人まで拡大する見込みです。横浜の大さん橋は、全国的に見てもナンバーワンの施設を整えていることから、乗船、下船ともに横浜を利用する客船が非常に多いのです。たとえば、大さん橋に入港する最も大きな客船は日本製の豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」。最大2,900人まで乗船が可能で、入港する際には、すみやかに2,900人の入管、税関、検疫手続きを行わなければなりません。横浜税関監視部統括許可部門統括監視官の木村康広氏はこう語ります。a横浜税関に設置されたX線検査装置。入国者の手荷物検査で活躍する。「お客様を長時間お待たせするのは、経済活動を阻害することになるのでよくありません。しかし、不正薬物が入ってくるのを見過ごすわけにもいきません。それを担保しながらスムーズにお客様の手続きをするのが難しいところでもあり、やりがいがあるところでもあります」一方で携帯品から密輸品が摘発されるケースも増えています。すでに大さん橋だけでは対応が難しくなっているため、横浜港の整備も進んでいます。新たに大黒ふ頭と新港ふ頭を外航客船のターミナルとして改良し、それぞれ2018年から、2019年から供用開始の予定です。入出国者の急増で横浜港を整備求められる通関手続きの再構築横浜税関(隻)(人)020,00040,00060,00080,000100,000120,000140,000160,00001020304050607080902008年2013年2014年2015年2016年2017年2018年隻数(左軸)旅客数(右軸)横浜港の外航客船入港状況横浜税関の本関庁舎。イスラム寺院風の塔屋はクイーンと称され、神奈川県庁本庁舎(キング)、横浜市開港記念会館(ジャック)とともに「横浜三塔」の愛称で親しまれている。10ファイナンス 2017.7

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