ファイナンス 2017年5月号 Vol.53 No.2
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ですが、それを維持していくためにはすごく有難いことだと思います。▶神田: 内村さんは2020の後は引退と発言されることがありますが、もう決めてしまったのですか。いずれ引退した後は何をなさる予定ですか。▷内村: 引退後のことは本当にただ漠然としか考えていないんですけど。▶神田: 本当の本当に引退されてしまうのですか。▷内村: いえ、いつまでもできると思っています、逆に(笑)。ただ、僕は今、28歳で、今が体操選手としてのピークだと思うので、それ以上に続けるってことはピークを超えてやらなければいけないので、それだけでもかなり辛いことなんです。やはり東京オリンピックがあるからこそモチベーションも維持できるし、続けたいっていう思いがこみ上げてきたので、そこはやらなければいけないと思います。けれど東京のあとはモチベーションが維持できないと思うので、どれだけ体操が好きでも、やはり一つの本当に最大の目標が東京オリンピックっていうところから外れてしまうと、もう何も保てるものがなくなってしまうので、だったら選手としてじゃなく、違う立場で体操を支えていければいいんじゃないかなって思います。僕ばっかりずっと活躍していても下の世代が出て来られないので、今すぐにでも世代交代してもいいときだと思うのですが、そこはまだ東京までもう少し僕がひっぱってやっていければいいかなと思います。引退後は若い良い選手もたくさんいますので、その選手達に任せて、僕は違う立場で体操に関わる何かができればいいかなとは思います。▶神田: 内村さんがひっぱってこられたチームジャパンってすごくいい感じですね。白井さんとか仲間とよく飲みにいったりするのですか。▷内村: たまに行きます(笑)。▶神田: どんな話をされるのですか。▷内村: 基本的には体操の話ですよね。特に他の話はないですね。体操一筋で皆やってきてるので、体操以外の話が逆に出てこないというか。「昨日のあのテレビ番組見た?」とかいっても、結局行き着く先は体操の話なんです。それだけ皆体操が好きでここまで続けてきてるので、それなりに体操の話になって終わるという感じはありますね。▶神田: それこそ、本当のプロです。今日は試合前の本当にお忙しい中、特に練習の間に、大変、貴重なお話を拝聴させて頂き、誠に有難うございました。(この対談は、平成29年1月27日に収録された)46ファイナンス 2017.5連 載|超有識者場外ヒアリング

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