ファイナンス 2017年5月号 Vol.53 No.2

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ミットまでに求めている。更に、CCPの強靭性、再建及び破綻処理可能性を向上させるためのガイダンスの策定に向けた、CPMI（決済・市場インフラ委員会）、IOSCO及びFSBによる進捗を歓迎するとともに、G20ハンブルグ・サミットまでの公表等を期待している。5銀行改革　（バーゼルⅢ）（1）声明　We conrm our support for the Basel Committee on Banking Supervision’s （BCBS） work to finalise the Basel III framework without further significantly increasing overall capital requirements across the banking sector, while promoting a level playing eld.（2）解説　昨年9月の杭州G20サミット声明ではバーゼルⅢを2016年末までに最終化することとされていたが、2017年1月3日にGHOS（中銀総裁・銀行監督当局長官グループ）は、資本賦課の最終的な水準調整等にもう少し時間が必要なため、1月上旬に予定していたGHOSを延期するとともに、近い将来、バーゼル委員会がこの作業を完成することが期待されると発表した。また、3月2日、バーゼル委員会は、引き続き合意に至る決意であり、市場参加者に明確性を与える重要性を認識していると公表した。実際、リスク計測手法、アウトプット・フロア（銀行の内部モデルによるリスク計測結果が比較的簡素な標準的手法による計測結果を大幅に下回らないようにするための下限）、レバレッジ比率等について、交渉は進捗している。当方は、金融規制に不確実性を齎すべきではなく、資本賦課の全体水準を大きく引上げることなく、早期に適切な形でバーゼルⅢを最終化させることが重要と強く主張し、その旨が盛り込まれた。6不正行為（ミスコンダクト）（1）声明　We reiterate the importance of progress under the work plan to address misconduct risks in the financial sector and look forward to the report from the FSB by the time of the Leaders Summit in July 2017.（2）解説　金融業における不正行為は金融機関への信頼と市場の信認を貶め、資金供給の疎外を通じて、経済成長を阻害する。従って、FSBは、①不正行為リスクを減少させる金融機関のガバナンスと報酬構造の改善、②FICC（債券、商品、為替）市場における国際行動規範の改善、③相場操縦リスクを減少させるような金融商品ベンチマークの改革に焦点を当てた予防措置にかかる作業を展開している。当方も、その中で、ガバナンスフレームワークにかかるストックテイクを行うワーキンググループに参加してきたところである。この作業の進捗の重要性を再確認するとともに、G20ハンブルグ・サミットまでに、FSBが進捗報告することとなった。7規制改革の検証（1）声明　We will continue to enhance our monitoring of implementation and eects of reforms to ensure their consistency with our overall objectives, including by addressing any material unintended consequences. We look forward to the FSB’s third annual report. We also welcome the FSB work to develop a structured framework for the post-implementation evaluation of the effects of the G20 nancial regulatory reforms and we look forward to the framework, after an early public consultation of its main elements, being presented by the time of the Leaders Summit in July 2017 and published.（2）解説　当方は他国に先駆けて2015年秋頃より一貫して、規制強化の複合的影響等が齎す意図せざる影響の検証が必要であると主張してきたが、今や、その考え方は国際社会のコンセンサスとなり、FSBの作業計画にも主要要素の一つとして組み込まれるに至った。今回も、重大で意図せざるいかなる影響にも対処すること等により、G20の全体的な目的との整合性を確ファイナンス　2017.531国際金融規制のエボルーション（バーデンバーデンG20）ＳＰＯＴ