ファイナンス 2017年5月号 Vol.53 No.2
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は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認する。我々は、為替市場に関して緊密に協議する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしないことを含む、我々の以前の為替相場のコミットメントを再確認する。(略)我々は、我々の経済に対する貿易の貢献の強化に取り組んでいる。我々は、経済成長の追求に当たって、過度の世界的な不均衡を縮小し、更なる包摂性及び公正を促進し、格差を削減するために努力する。我々は、経済の強靱性を強化する一連の原則に合意する。この原則は、ハンブルク行動計画の下でのG20諸国の成長戦略の更新において考慮される、メニューを提供する。我々は、フレームワーク作業部会における包摂的成長に関する作業に留意する。2.我々は、アフリカ連合の「アジェンダ2063」に沿った、持続可能かつ包摂的な成長を推進するため、アフリカ諸国との国際的な経済・金融協力を深化、拡大させる。我々は、インフラを含む民間投資の促進を目的とする「アフリカとのコンパクト」(CwA)というイニシアティブを立ち上げた。このイニシアティブは、需要主導であり、各国の状況や優先順位を尊重する。このイニシアティブは、個別に策定される投資コンパクトの中で利用できる、グッド・プラクティス及び手段のモジュールを提供する。こうした投資コンパクトは、個々のアフリカ諸国、国際金融機関及び二国間のパートナー等の複数のステークホルダーのコミットメントを通じて実行される。我々は、アフリカ開発銀行、IMF、世界銀行グループによるレポート及びその他のコンパクトへの貢献者を歓迎する。我々は、コートジボワール、モロッコ、ルワンダ、セネガル、チュニジア、アフリカ開発銀行、IMF、世界銀行グループ及び関心のある二国間パートナーが投資コンパクトに取り組み、強固な投資環境を構築する意向であることを歓迎する。我々は、提供された投資機会を民間セクターが活用することを奨励し、その他のアフリカ諸国、国際機関及び二国間パートナーが投資コンパクトに参加することを奨励する。我々は、この作業の継続と他のイニシアティブとの一貫性を支持する。4.我々は、資本フローの監視及び資本フローの過大な変動に起因するリスクの管理を引き続き強化する一方で、開かれた資本市場、及び国際資本フローを支えるシステムを改善していくことの重要性及び恩恵を認識する。この目標を支持するため、我々は、IMFや他の国際金融機関の、マクロプルーデンス政策を含む、この分野での更なる取り組みに期待する。OECDに加盟していない、いくつかのG20諸国が、OECD資本自由化コードに参加する意図を表明し、既に本年から遵守のための手続きを進めている。OECD資本自由化コードの現在の強度や広範な範囲を維持しつつ、我々は、その適切な柔軟性に関する作業を含む、現在行われているコードの見直しを歓迎する。コードをまだ遵守していないG20諸国は、各国の状況に配慮した上で、現在行われているコード見直しに自主的に参加し、コードを遵守することを検討するよう奨励されている。5.開かれた、強靭な金融システムは、持続可能な成長と発展を支えるために極めて重要である。このため、我々は、合意されたG20金融セクター改革の課題の、適時、完全かつ整合的な実施及び最終化を支持するというコミットメントを再確認する。(略)我々は、公平な競争条件を促進しつつ、銀行セクターにおける資本賦課の全体水準を更に大きく引き上げることなくバーゼルⅢの枠組みを最終化するためのバーゼル銀行監督委員会(BCBS)の作業に対する支持を確認する。(略)我々は、重大で意図せざるいかなる結果にも対処すること等により、我々の全体的な目的との整合性を確保するため、改革の実施と影響に対する監視を引き続き向上させる。(略)我々は「G20/OECDコーポレート・ガバナンス原則の実施を評価するためのOECDメソドロジー」を歓迎する。9.我々は、世界規模で公正かつ現代的な国際課税システムのための取組を続ける。我々は、「税源浸食と利益移転(BEPS)」パッケージの適時の、一貫した、広範な実施に引き続きコミットし、「BEPS包摂的枠組み」への参加の拡大を歓迎し、関係・関心のある全ての国・法域に参加を奨励する。(略)さらに、OECDが、2017年7月のG20サミットまでに、税の透明性に関して合意された国際的基準の、満足のいく水準での実施に向けて十分な進捗が見られない法域のリストを準備することを期待する。リストに載った地域に対しては、防御的措置が検討される。我々は、特に「アディス税イニシアティブ」の原則に従った、開発途上国の税の能力構築に係る的を絞った支援、及び、2017年半ばまでにその進捗状況が示される「税に関する協働のためのプラットフォーム」による作業を引き続き支持する。13.我々は、テロ資金供与のすべての資金源、技術及びチャネルに対処していくという我々のコミットメント、並びに世界的規模でFATF基準を速やかかつ効果的に実施することの我々の要請を再確認する。我々は現在行われているFATFの組織的な基盤、ガバナンス及び能力を強化するための作業を歓迎、支持するとともに、FATFに対し、2017年7月の首脳会合までに、FATFメンバーによる作業のアップデートを求める。我々は、全てのメンバー国に対し、FATFがそのマンデートを効果的に果たすために必要なリソースと支援を得ることを確保するよう要請する。28ファイナンス 2017.5SPOT

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