ファイナンス 2017年5月号 Vol.53 No.2
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対策等を推進する。(3)PPP/PFIの活用の推進事業内容の重点化とあわせて、整備手法の面においても、民間のノウハウや資金を最大限活用することとし、コンセッション方式を含め、PPP/PFIの活用を推進した。(ⅰ)空港分野におけるコンセッション(公共施設等運営権の設定)の推進・28年12月、熊本県が、熊本空港でコンセッションを導入し、その中で、民間の資金・発想を活用してターミナルビルの建替えを実施することを公表。(注)このほか、関西国際空港・伊丹空港、仙台空港等において民間事業者による空港運営を実施中であるとともに、高松空港、福岡空港、北海道内の複数空港(一体的な運営委託)、神戸空港、静岡空港及び広島空港において、コンセッションに向けた調整・検討を進めている。(ⅱ)下水道分野におけるPPP/PFIの推進・下水道事業へのコンセッション導入について、具体的検討を実施中の4市(浜松市、大阪市、奈良市、三浦市)に加え、28年12月には、山口県宇部市と高知県須崎市が具体的検討を開始。・下水処理場等の改築への支援(社会資本整備総合交付金)にあたり、処理場の統廃合の検討、一定規模以上の事業のコンセッション導入の検討を要件化する。・汚泥有効利用施設の新設への支援(社会資本整備総合交付金)にあたっても、一定規模以上の事業についてPFI等の導入を要件化する。(ⅲ)道路分野におけるPPP/PFIの推進・電線共同溝整備においてPFI手法を導入し、管路整備に精通した民間の技術・ノウハウを活用することにより、円滑な事業調整とコスト縮減を実現し、無電柱化を推進する。(4)既存ストックの有効活用ネットワークの概成など、社会資本の整備水準の向上等を踏まえ、社会資本の生産性を向上させる観点から、既存ストックの最大限の活用を推進したところである。(ⅰ)近畿圏の新たな高速道路料金・近畿圏の高速道路において、対距離制の料金体系を導入するとともに、大阪及び神戸都心部への流入に関し、経路によらず起終点間の最短距離を基本に料金を決定し、物流効率化による生産性向上を図る。・あわせて、阪神高速等において、淀川左岸線延伸部及び大阪湾岸道路西伸部の整備に必要な財源確保のため、関係自治体の提案を踏まえ、必要な料金を設定する。(ⅱ)既存ダムの有効活用・29年度に「ダム再生ビジョン」を策定し、既存ダムの嵩上げなどのダム再開発事業(ハード)と降雨予測の精度向上を踏まえた事前放流等の実施(ソフト)により、既存ダムを最大限に活用した対策を推進する。(ⅲ)民間賃貸住宅や空き家を活用した新たな住宅セーフティネット制度・民間賃貸住宅や空き家といった既存ストックを活用して、子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の増加に対応するため、住宅確保要配慮者向けの住宅の改修や入居者負担の軽減等への支援を行う。(5)労働生産性の向上と技術革新潜在成長力の強化に向けては、資本効率の向上のほか、労働生産性の向上と技術革新が重要である。公共事業の分野において、これを実現するため、公共事業の施工時期の平準化とi-Constructionに取り組んだところである。ファイナンス 2017.513平成29年度予算特集③平成29年度国土交通・公共事業関係予算について 特集

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