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ドイツと中国の2国間関係~人権と経済のジレンマは続く~

国際局 国際調整室調整第二係 係長  高野 裕一

〈エグゼクティブサマリー〉
ドイツの対中国政策の推移
1972年の国交樹立から始まった(旧西)ドイツと中国の関係は、1989年の天安門事件で最初の転機を迎える。西独は中国に対して制裁を発動。以降「人権」が両国の外交関係における重要な要素の一つとなり、例えばシュレーダー政権下(SPD-緑の党)で始まった、人権等に関する対話の機会である「独中法治国家対話」は現在まで続いている。他方1990年代後半より、急速な経済成長を遂げる中国とドイツとの経済関係は強化される。2005年に就任したメルケル首相は在任16年間で12回訪中するなど非常に緊密な関係性を築いた。その背景には「貿易を通じた変化」、即ち、「独との経済関係の強化が、中国の人権問題等への価値観の変化につながる」との期待があった。しかし近年では、貿易を中心とした中国への依存や、中国の人権問題への懸念がより強く意識されており、ドイツ産業連盟(BDI)は2019年1月に公表した提言の中で、ドイツ企業に対して中国依存を改めるよう促している。

ドイツと中国の経済関係
独中間の直接投資残高は独中双方で2016年まで右肩上がりで増加してきたが、2017年以降横ばいとなっている。これは2016年の中国企業による独産業ロボットメーカーのクーカ社買収を機にドイツの対内投資規制が段階的に強化されたことが影響している。貿易については、ドイツにとって中国は2016年以降5年連続で最大の相手国となっている。但し、ヴィシュグラード・グループ(V4:ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア)を一つのパートナーとしてみるとV4が輸出入ともにドイツにとって最大の相手となっている。また最大の輸出品目である自動車本体についても中国は米、英に次ぐ三番目の輸出先に留まっていることから、ドイツは貿易面で中国にのみ依存をしているとは言えない。しかし、個別の自動車会社の販売台数を見ると、進出先での生産と販売を含むため、2019年時点で、フォルクスワーゲンは4割、メルセデスベンツの3割を中国市場が占めている。また電話機(スマホ)の輸入の5割以上を中国が占めており、こうした点において、ドイツ経済の中国への依存度は高いと言える。

ドイツ国民の対中国感情
中国に対してネガティブな感情を抱く割合はチベットの人権問題が注目された2006年から2008年にかけて33%から68%に急増。その後微減する傾向が続いたが、2018年、香港問題が脚光を浴びる中で再び増加に転じている。ただし、そのペースは、英、日、米と比較すると緩やかである。また、2020年9月に実施された「中国と聞いて最初の思いつくことは?」との質問への回答を見ると「COVID-19」が最多、「人権侵害」や「独裁」は、「人口超過」、「安価な製品」、「フード」等とほぼ同等となっている。
今後のドイツの対中政策の見通し
2021年9月の選挙の結果を受け、12月、SPD-緑の党-FDPの三党連立政権が誕生した。緑の党やFDPは、過去16年政権を担ってきたCDU/CSUと比して、中国の人権問題等について一歩踏み込んだ主張をしている。そのため、今後の対中国政策は人権問題等により重心が置かれる可能性がある。一方、両国の強い経済関係等を考慮すると急激な方針転換はドイツ経済に悪影響を及ぼす可能性が高い。従って、これまで通り、経済と人権のジレンマの間でバランスをとった関係が模索されることが見込まれる。

1.はじめに
昨今の国際社会において、中国の存在感は年々大きくなっている。気候変動や途上国の債務問題など様々な国際的課題はいずれも中国を抜きにして解決は困難だ。異なる政治体制・価値観を持つ中国のような大国を、国際的問題解決に向けて建設的に関与させるとともに、国際秩序の中で責任ある行動を取るよう促すには、日本と共通の価値観を持つ国々との連携をより密にしていく必要がある。その際、これらの国々の対中国政策とその背景にある経済関係や世論の動向等を把握することは非常に重要となる。
こうした問題意識をもって、本稿では、2022年のG7議長国を務めているドイツの対中国政策に焦点を当てる。具体的には、独中のこれまでの外交関係の歴史、経済関係の推移、及び国内の対中国感情に関する世論調査の把握を通して、現在のドイツの対中国政策の背景を分析する。そのうえで、2021年9月の連邦議会選挙の各政党マニフェストや選挙後の連立協定から今後の対中国政策を考察する。
なお、本稿における意見に当たる箇所については、著者個人の見解であり、所属組織の見解を代表するものではない。

2.ドイツの対中国政策の推移
(1)国交樹立から天安門事件までの対中国政策
1972年の国交樹立から始まった*1旧西ドイツと中国の関係における最初の大きな転機は1989年6月4日の天安門事件だ。中国政府が民主化を目指す市民・学生を武力で弾圧したことを受け、欧州共同体(EC)では、「中国に関する宣言」*2が採択された。この宣言では、閣僚及び事務方高官レベルの交流禁止や武器の禁輸等一連の制裁措置が決定された*3。ECによる措置に続き1989年7月にはフランスで開かれたG7の首脳会議において中国政府に対する非難声明が決議された*4。EC及びG7の構成国であった西ドイツも対中制裁を実施、中国との関係は悪化するとともに、以降のドイツと中国の外交関係において人権が1つの重要な要素となっていく*5。
1989年は欧州においても歴史的転機に当たる年であった。即ち、東欧諸国で社会主義体制の崩壊が相次ぎ民主化が加速する。ドイツにおいても1989年11月にベルリンの壁が崩壊し東ドイツが消滅、翌1990年10月に東西ドイツは統一を果たした。一方、中国では欧米諸国の制裁措置にも関わらず、共産党の一党独裁体制が揺らぐことはなかった。欧米諸国は徐々に対中国制裁を解除し、中国と関係を再構築する方向に進んでいく。ドイツも同様の動きをとり、1992年12月に武器輸出を除く全ての制裁が解除され関係改善が進んだ*6。
その背景には、1990年以降の中国の急激な経済成長がある。1990年に318ドルだった中国の1人あたり名目GDPは2000年には約3倍の959ドルに上昇*7、ドイツをはじめとする欧米諸国は、人権問題で対立を続ければ中国の経済成長の恩恵を受けられないという、人権の保護と経済的利益の享受とのジレンマに陥った。このような状況において、ドイツでは「貿易による変化」*8という言葉が登場した。すなわち、中国が世界各国と良好な経済関係を築き繁栄していけば、いずれ中国は民主化の方向に進んでいくだろうという考え方である。この考えに従うようにドイツ政府は、人権については別途対話の枠組みを構築しながら、経済的な結びつきを強めるという政策を講じていった*9。
(2)シュレーダー政権の対中国政策
1999年の連邦議会選挙の結果を受けて、キリスト教社会・民主同盟(以下CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の連立政権であるコール政権から、SPDと緑の党の連立政権であるシュレーダー政権に交代した。SPDと緑の党との連立協定には、国際的な人権問題に対して精力的に取り組み、人権問題の解決を目指すことが掲げられていた*10。このような背景もありシュレーダー政権は、人権問題等を議論する枠組みである「独中法治国家対話」*11を開始した。「独中法治国家対話」は、人権の尊重や法に基づいた国家行動を保証すること等を目的とした閣僚レベルの会合であり、懲罰的ではなく持続的なコミュニケーションに基づくアプローチを通じて中国の人権問題に対する改善を促す枠組みとして現在まで継続。近年は知的財産の保護や刑事訴訟における当事者の権利など、法に関わる多様なテーマが議論されており、省庁間だけでなく両国の企業、大学や専門家同士でも交流を実施している*12。
(3)メルケル政権の対中国政策
第1次メルケル政権(CDU/CSU&SPD)
(2005年~2009年)
2005年の連邦議会選挙を受け、SPDと緑の党の連立政権であるシュレーダー政権からCDU/CSUとSPDの連立政権であるメルケル政権に交代した。メルケル首相は在任16年間で12回の訪中を行うなど、経済を中心に中国と親密な関係を築くことになる*13。しかし、メルケル首相の姿勢が在任当初から一貫して中国に親和的なものであったわけではない。例えば、2007年メルケル首相はチベット仏教最高指導者のダライ・ラマとの会談を行い、チベットの文化的アイデンティティの保護やチベットの自治権を求める平和的な活動の支持を表明した*14。中国はこの会談について抗議、両国の関係は一時的に悪化の方向へ進んだ。翌年1月の独中外相会談と2月の温家宝首相との電話会談で両国の関係修復が進んだ*15が、再びメルケル首相はチベットの人権問題について中国を批判、2008年の北京オリンピック開会式への不参加を表明した*16。
第2次メルケル政権(CDU/CSU&FDP)
(2009年~2013年)
以上のように就任当初、中国の人権侵害に対して厳しい態度をとったメルケル首相だったが、両国の経済関係はその影響を殆ど受けずに強化されていった。貿易面について、2005年の両国の輸出入額の合計は約500億ドルだったが、2010年には約2倍となり1,000億ドルを超えた*17。2012年には温家宝首相がドイツへ訪問し、今後3年間で対ドイツ貿易額を2,800億ドルまで拡大させる考えを表明*18。実際には2,800億ドルまでの拡大には至らなかったが、両国の輸出入の合計額は2015年に約1,800億ドル、2020年に約2,400億ドルまで上昇し、ドイツにとって中国は2016年より5年連続で最大の貿易相手国となる*19。
第3次、4次メルケル政権(CDU/CSU&SPD)
(2014年~2021年)
このように中国との経済関係が深まる一方、ドイツ国内では中国への依存を懸念する声が強まっていく。例えば2016年に、ドイツの産業用ロボット企業クーカ*20が中国の企業に買収されたことを受け、先進技術の流出や安全保障上の懸念も高まった。これをきっかけに、ドイツ政府は投資規制強化などの対応策を講じることとなった。*21また、ドイツ最大の産業団体であるドイツ産業連盟(BDI)は、2019年1月、対中国についてのポリシーペーパー*22を発表。この中で、ドイツの国内企業に対して中国依存の状況を改めるよう促すとともに、「国家主導の中国経済がもたらす問題に対抗するための54の要求」*23をまとめた。さらに、米国が「2019年度国防権限法(NDAA2019)」で中国ハイテク5社の製品や部品の調達を禁止する方針を固め、同盟国にも排除を要請したことを受け*24、2020年12月、ドイツ政府においても、5G網の整備に際して機器の安全性審査を厳格化することを含む「IT安全法案」を閣議決定した*25。しかし米英等と異なりドイツのIT安全法案は、ファーウェイなどの中国企業を名指しで明示的に排除はしておらず、中国に対しての配慮がみられる内容となっている*26。
香港情勢を契機に2019年頃から、中国の人権侵害への懸念が世界的に強まった。メルケル首相は訪中時(2019年9月)に、習近平国家主席や李克強首相と会談し、「香港市民の権利と自由を認める必要がある」と表明した。
この懸念は2021年に入るとさらに強まり、3月、ウイグルでの人権問題を踏まえ、EUは天安門事件以来の対中制裁を発動、独もEUの一員として歩調を合わせる形となった*27。EUと中国の間で大筋合意されていた包括的投資協定(CAI)についても、欧州議会は批准に向けた手続きを凍結した*28。同年7月、メルケル首相はフランスのマクロン首相と共に習近平国家主席と電話会談を行い、中国の人権状況に対する懸念を表明*29。さらに8月にドイツを出港したフリゲート艦バイエルンが東京湾に入港した(入港は11月)*30。ドイツ政府は価値観を共有する日米などの国々との連携強化を狙いつつ、中国への過度な刺激を避けるため、フリゲート艦の中国への寄港を申し出たが、中国政府は寄港を認めなかった*31。
以上のように、香港やウイグルの人権問題等をきっかけに、欧米諸国と中国の関係は悪化の方向に進んでいる。経済的な結びつきが強く、蜜月関係と言われるドイツも、中国の人権状況に対する懸念を表明するなどの動きがあった。一方、5Gの問題について中国企業の直接的な排除を避けたり、フリゲート艦の中国への寄港を申し出たりと、中国との経済関係に悪影響が出ることへの配慮も怠らなかった。また、2021年4月、メルケル首相は中国の李克強首相と会談し、「人権を巡る対話をできるだけ早く再開したい」と述べ、両国の法相による話し合いを実施するなど独自のアプローチを試みた。こうした対応の背景には1990年代以来の「貿易による変化」の考え方に基づく経済と人権のバランスをとる姿勢が継続していると見て取れる。なお、ドイツの連邦議会選挙直前の9月にメルケル首相と習近平国家主席との間で行われた電話会談では、習国家主席が、中国とドイツの相互信頼を高く評価し、メルケル首相がドイツをはじめとする欧州の対中実務協力や友好交流の促進のために積極的に努力したことを賞賛*32、また10月12日にも両者はオンライン形式で会談し、メルケル首相は退任の挨拶をしている*33。中国が米、英、日等との緊張を高める中にあっても、メルケル政権下のドイツが、中国と親密な関係性を築いてきたことが改めて確認できる。

3.ドイツと中国の経済関係
第2章で述べたように、天安門事件に対する対中国制裁の解除以降、独中両国は経済的な関係を深めていった。本章では具体的なデータを用い、直接投資と貿易の面から両国の経済的な結びつきの変遷を概括する。
(1)直接投資
ドイツから中国への直接投資は過去10年間、概ね右肩上がり増加し、2019年時点の残高は2009年比約3倍増となる930億ドル*34となっている(図1 両国の直接投資残高の推移)。但し、ドイツのとって最大の投資先は米国、次いでルクセンブルク、オランダであり、中国は6番目(5.3%)に留まっている(図2 ドイツからの直接投資残高の国別割合)。
次に、中国からドイツへの直接投資の動向を見ると、規模的にはドイツによる対中投資の1割程度であるが、残高は過去10年、一貫して増加し、2019年には対2009年比約5倍となる48億ドルとなっている。
ただし、この金額は同年の諸外国からの対ドイツの直接投資残高全体の0.5%を占めるに過ぎない(図3 ドイツへの直接投資残高国別割合)。なお中国からドイツへの直接投資残高が2017年以降は横ばいとなっている主たる理由として、2016年に起こった中国の家電メーカー美的集団によるドイツの産業ロボットメーカーのクーカ社の買収が挙げられる。クーカの買収を受けドイツ国内では先進技術の流出等の懸念が高まり、買収審査制度等が順次強化されるきっかけとなった。こうした背景もあり、投資残高だけではなく、中国の企業によるドイツ企業の買収件数についても、2017年以降減少していると考えられる(図4 中国企業によるドイツ企業の買収件数の推移)*35。
(2)貿易*36
ドイツの対中国貿易比率は2000年~2010年までは一貫して右肩上がり、その後も足元まで概ね上昇傾向を続けている。結果、2001年に約1.9%を占めるに過ぎなかった対中国輸出のドイツの輸出全体に占める割合は、2020年では約4倍の8%程度に達した(図5 ドイツの輸出入における対中貿易比率)。国別の割合を比較すると、2001年の時点では、ドイツの輸出相手国は第1位がフランス(約10.9%)、2位は米国(約10.6%)、次いで英国(約8.6%)となっており、中国は第14番の輸出相手国に過ぎなかった。ところが、2020年には、中国がドイツの輸出全体に占める割合(8.0%)は米国に次ぐ第2位のポジションまで上昇しており、状況はここ20年弱で大きく変化している(図6 ドイツ輸出 国別割合の変化)。
輸入相手国についても同様の傾向が見られる。即ち、2001年時点では1位がフランス(約9.2%)、2位は米国(約8.5%)、次いでオランダ(約8%)となっており、中国は第9番の輸入相手国に過ぎなかったが、足下、「中国が輸入全体に占める割合は約11.4%となり、ドイツにとって中国は第1位の輸入相手国となっている(図7 ドイツ輸入 国別割合の変化)。なお、輸出入の合計金額は、2016年より5年連続で中国が第1位の相手国となっている。
ドイツから中国への主な輸出品目を見ると、2019年に最大となるのは約4分の1を占める「自動車に関する品目」、次いで、機械類(21.1%)、電子機器(16.0%)となり、上記3品目の合計で全体の60%以上を占める。「自動車に関する品目」の内、いわゆる自動車本体(「乗用自動車その他自動車」)が3分の2程度であり(全体の15.9%)、残りの自動車部品が3分の1程度(全体の8.6%)となっている(図8 2019年対中輸出上位品目)。
次に、ドイツの各輸出品目の相手国を見てみよう。最も割合が大きい「自動車に関する品目」の内、自動車本体(「乗用自動車その他自動車」)については、最大の輸出相手国は米国(約17%)、次いで英国(約15%)、そして中国(約13.9%)となっている。中国の構成割合は高いものの、「ドイツが自動車輸出で中国に依存している」とまで言える水準とはなっていない(図9 2019年ドイツ乗用車その他自動車 輸出国シェア)。他方、個別社に見ると、中国とのより強い経済関係が浮かび上がる。例えば、2019年の地域別販売について、フォルクスワーゲンは約39%、メルセデスベンツ(ダイムラー社)は約30%を中国での販売が占める(図10 フォルクスワーゲン地域別販売割合)(図11 メルセデスベンツ地域別販売割合)。また、ダイムラー社の株式は、約15%を中国企業が保有しており*37、フォルクスワーゲンは1984年に設立した上汽集団との合弁会社を通じて現地生産を進めている。現地の生産拠点には、2012年8月に稼働させた新疆ウイグル自治区ウルムチ市の工場が含まれる*38。このように、貿易に加え、ドイツの自動車メーカーによる中国での現地生産・販売も含めて見ると、ドイツの特に自動車産業は中国市場に依存していると言える。
中国からの輸入品目については、2019年で最大となるのが電子機器(約30.9%)、次いで機械類(約22.3%)(図12 2019年対中輸入品目)。電子機器の内、約30.3%(全体の9.4%)はスマートフォンなどの電話機等である。この電話機等に関してドイツの輸入先の内訳をみると、最大の輸入国は中国であり、その割合は5割を超えている。ドイツはこの点においても中国に依存していると言える(図13 2019年電話機 輸入国シェア)。
以上のように、ドイツと中国の貿易を概観すると、両国の結びつきは年々強まっていることが分かる。この傾向は新型コロナウイルスの感染拡大によりさらに顕著になっている。中国は欧米諸国と比較して早期に回復が進んだため、2020年においてドイツの輸出に占める中国の割合はさらに上昇した(図6)。また輸入についても、マスク等、医療関連器具の輸入増により中国の割合が増加(図7)。欧米諸国の経済が落ち込んだ際に、ドイツの輸出入全体に中国に占める割合が増加したことは以前にもあった。2008年のリーマンショックによる国際金融危機がその例だ。ドイツの輸出全体に占める中国の割合は、2007年に3.1%だったが、2009年には約1.5倍の4.7%に上昇している。それに対して、2007年から2009年にかけて米国の割合は7.6%から6.8%に、英国の割合は7.2%から6.6%に減少している(図6)。この傾向は輸入に関しても同様である(図7)。ドイツの貿易における中国の存在感が、欧米の経済危機時にさらに強まる傾向にあることが読み取れる。
(3)ドイツとヴィシェグラード・グループの関係
以上のように、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ドイツの貿易において中国はますます大きな存在となっているが、これをもって、「ドイツが中国に貿易面で依存している」とまで言える訳ではない。ここでは、ポーランド、ルーマニア、チェコ、スロバキアの東欧4カ国からなるヴィシェグラード・グループ(以下V4)*39とドイツの貿易関係について注目したい。V4の構成国を1カ国ごとに見た場合、ドイツの輸出入全体に占める割合は小さい。しかし、V4を1つの地域としてみた場合、2019年にドイツの輸出に占める割合は11.4%となり、1か国で最大の輸出先である米国(8.9%)を上回ってトップとなる。また輸入についても、中国が10%であるのに対し、V4が占める割合は13.7%であり最大の輸入相手となる(図14 ドイツ輸出国別割合の変化(V4含み))。個別の国ごとに見た場合、2019年ではポーランドの割合が最も多く、輸出、輸入ともに5%程度、次いでチェコ、ハンガリー、スロバキアが占める。(図14、図15 ドイツ輸入国別割合の変化(V4含み))。また、ドイツの輸出入全体に占めるV4の割合は、年々増加傾向にある。このように、ドイツとV4は貿易面において密接な関係を持つが、その経済関係には長い歴史がある。とりわけ1990年代の東欧諸国の民主化により、V4の構成国が市場経済に移行したことがドイツによる対V4投資増加のきっかけとなった。東欧諸国の市場経済への移行により、ドイツの企業によるV4諸国への直接投資が増加、こうした国々に設けた関連会社とドイツとの取引も増加したことがドイツとV4間の貿易関係が強化された要因と言われている*40。
ドイツ企業が中国やV4諸国に進出する理由として、安価な労働力の獲得がある。それに加え、地理的にドイツと近いV4諸国は輸送費が抑制できる利点もある。また、2004年、V4諸国が全てEUに加盟したことにより、関税障壁、非関税障壁、人の移動の制限などがなくなった。そのため、ドイツの輸出全体に占めるV4の割合は、7.5%(2003年)から8.4%(2005年)に上昇した*41。このようなメリットをもつV4との関係強化は、ドイツが中国一辺倒の貿易関係を避ける1つの選択肢になり得ると考えられる。

4.ドイツ国民の対中国感情
(1)世論の動向
本項では、スロバキアのシンクタンクThe Central European Institute of Asian Studies(CEIAS)*42が、2020年の9月-10月に1501人(18歳~70歳)のドイツ人を対象として、オンラインで実施した「Covid-19時代における、ドイツ人の対中国世論」の結果と米国のシンクタンクPew Research Centerが2002年頃から実施する各国のイメージ世論調査*43を参考に、ドイツにおける対中国世論を考察していきたい。

2019年以前のドイツにおける中国への感情
中国に対してネガティブな印象を頂く割合は2008年頃に主要国で軒並み増加。ドイツの場合、33%(2006年)から68%(2008年)に急上昇している(図16 2005年~2019年 中国に対するネガティブな印象を持つ人の割合(国別の推移))。主な要因は、当時、チベット自治区における中国政府による弾圧、人権侵害が世界的に大きな問題となったことが考えられる。事実、ドイツや英国の首脳は、これを理由に北京オリンピック(2008年)の開会式を欠席した。しかし、その後、ドイツにおけるこの割合は横ばいに推移し、2012年以降は2017年までおおむね低下。2018年から再度上昇に転じている。この背景には香港の問題があることが考えられるが、英、米、日と比較すると、対中観の悪化は緩やかである。
コロナウイルス感染拡大(2020年)以降のドイツにおける中国への感情
直近、2020年の調査では、60%以上が中国に対してネガティブな感情を抱いていることが示された(図17 ドイツ国内での中国への感情)。一方、ポジティブな感情を抱いている割合は15%程度(図17)。地域別にみると、旧東ドイツ圏では、中国に対してポジティブな感情を抱く割合が高い。また、「過去3年間において中国に対する感情がどのように変化したか」という質問では、46.7%が悪化したと回答(図18 過去3年間で中国への感情がどのように変化したか)。この調査結果から、ドイツにおいては中国に対してネガティブな感情を抱いている割合が高く、その傾向が近年強まっていると言える。その原因として、中国の武漢が起源と報道されている新型コロナウイルスの感染拡大、昨今の香港やウイグルに関わる人権問題や環境問題等の影響が考えられる。
ドイツにおける中国のイメージ
「中国と聞いて最初に思いつくことは何か?」という問いに対して、回答が多かった言葉をより大きく表現した図を紹介する(図19 中国と聞いて最初に思いつくこと)。2020年9-10月の調査だったこともあり、新型コロナウイルス関連の言葉(COVID-19)が最も大きく描かれている。一方、人権侵害(absence of human rights)、独裁(dictatorship)、人口超過(over population)、安価な製品(cheap products)食(food)等の言葉は、ほぼ同じ大きさで示されており、「中国と言えば人権侵害」など特定イメージは必ずしも固定化されていないと言える。
中国の人権問題に対する評価
ドイツ国民が中国の人権状況をどのように評価しているか確認したい。CEIASの調査では、「中国の人権状況をどのように評価するか」という問いに、50%以上が「非常に悪い」「悪い」のいずれかを回答、「どちらかといえば悪い」も含めると、70%以上が中国の人権状況に対して悪い印象を持っていることが示された。
また、「中国との関係で、人権問題を掲げることがドイツに経済的なコストを生じさせるか」という問いでは、50%以上が「経済的なコストが生じる」と回答(図20 Q.中国との関係において、人権問題を掲げることがドイツに経済的なコストを生じさせると思うか)。その上で、「経済的なコストが生じたとしてもドイツは人権問題を優先するべきか」という問いについて、約45%が「人権問題を優先すべき」と回答し、「経済を優先すべき」との回答は20%程度にとどまる(図21 Q.経済的なコストが生じたとしてもドイツは人権問題を優先するべきか)。
このように、経済的利益と人権問題について、世論では「経済的利益を優先すべき」という意見が多数を占める。一方、「どちらでもない」と態度を保留する回答が35%程度あることも重要だ。これまでのドイツ政府の対中国政策と同様に、世論としても人権と経済のどちらか一方を強く優先することは難しいという、ジレンマがうかがえる。

5.今後の独中関係の動向
(1)2021年9月 ドイツ連邦議会選挙の結果
2021年9月に実施された連邦議会選挙では、社会民主党(SPD)は選挙前から54議席伸ばし第一党へ、キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)は48議席を失い第二党へ、緑の党は51議席増で第三党へ躍進、自由民主党(FDP)も議席増、左派党は30議席を失う結果となった。(図22 2021年ドイツ連邦議会選挙 結果)その後、様々な連立のパターンが予想されていたが、11月24日にSPD-緑の党-FDPの三党が連立政権を樹立することで合意*44し、12月8日にショルツ新政権が誕生した*45。
(2)マニフェスト、連立協定からみる各党の対中国政策と今後のドイツの対中国政策
まず、選挙以前に第一党であったCDU/CSUは、マニフェストにおいて中国を「外交・安全保障政策上の最大の挑戦であり、協力相手であり、システム上のライバル」と表現。一方、中国の人権問題に対する記述は確認できず、CDU/CSUが中国との経済的なつながりを強めてきたこれまでの方針を今後も維持していく姿勢がうかがえる*46。
次に、今回の選挙で第一党となったSPDは、「経済や環境に関する国際的な課題を中国なしで解決することはできず、中国との協力や競争に関する対話について、EUは団結し建設的で批判的な方法で実施するべき」とマニフェスト上で言及。また、ウイグルでの人権侵害を非難し、台湾への圧力にも懸念を表明している*47。
続いて、今回の選挙で第三党となった緑の党は、ウイグル自治区への調査団の派遣等SPDと比較してさらに一歩踏み込んだ内容を記載。EU中国包括的投資協定(CAI)*48についても、現在の形で承認できない姿勢だ*49。
最後に、FDPは中国の少数民族等への抑圧を国際法義務違反とし、台湾、香港問題についても中国を非難。EU中国包括投資協定(CAI)ついては、批准の前に再検討が必要としている*50。
以上のように主要政党のマニュフェストから、対中国政策については緑の党が最も踏み込んだ立場をとり、それにFDP、SPDの順で続き、CDU/CSUが最も融和的であると考える。最も中国に対して融和的であるCDU/CSUが政権から外れ、より強硬な対中国政策を講じる緑の党やFDPが連立政権に入るため、ドイツの対中国政策にも変化が生じることが予想される。
事実、第2章で確認したとおり、1999年にCDU/CSUとFDPの連立政権であるコール政権からSPDと緑の党の連立政権であるシュレーダー政権に移行した際も、連立協定において外交政策における人権問題について積極的に取り組むことを確認。これを背景に、ドイツと中国の間で、人権問題について議論する機会の一つになっている「独中法治国家対話」が開始した過去もある。
今回の選挙後、SPD-緑の党-FDPの三党連立協定では、新疆ウイグル自治区等での人権侵害を2国間関係において取り上げることや香港の「一国二制度」を再確認することが明記され、日本やオーストラリア等価値観を共にする国との関係強化を目指す方針が示された*51。また、外相には、中国の人権問題等に厳しい発言をしている緑の党のベーアボック氏が就任したことからも、経済優先の対中政策が見直される可能性がある*52。
さらに、米国や英国などが外交ボイコットを表明している2022 年2 月の北京オリンピックについて、ショルツ首相は、2月2日の公共放送ZDFとのインタビューにおいて、参加しないことを明言した*53。一方、第3章で指摘したように、貿易を中心に両国の経済的な結びつきは強い。ショルツ首相と習近平国家主席は、2021年12月21 日に電話会談を実施、両国関係等について意見交換している*54。今後、マニュフェストや連立協定上で、中国の人権問題等に厳しいスタンスをとっているSPD、緑の党、FDPが、経済的な影響を軽視して中国の人権問題等の改善に注力できるか、疑問が残る。

6.おわりに
ドイツと中国の外交関係では、人権問題が度々論点となり、関係構築を妨げる要因の1つとなってきたものの、貿易を中心に両国は親密な経済関係を築いてきた。
ドイツは、経済発展を通じて、中国の人権等に対する価値観が徐々に変化すること、即ち「貿易による変化」を期待していた。たしかに、中国経済は大きく成長しドイツにとっても重要なパートナーとなったが、中国の価値観に大きな変化は生じなかった。2021年7月、ドイツ産業連盟(BDI)が発表したレポートでも、「貿易による変化という概念は限界に達した」*55と指摘している。このような現状を受け、ドイツでは、中国への経済的な依存や悪化する人権状況を懸念する声が高まっている。
今後のドイツの対中国政策は、EUと中国の関係にも影響する。EU中国包括的投資協定(CAI)の凍結や、EUと台湾の関係強化など両者の緊張は高まっており、親中国姿勢が目立ったメルケル首相の退任が影響しているとの声もある*56。
EU最大のGDPを誇り、2022年のG7議長国であるドイツが講じる対中国政策はドイツ経済のみならず、国際社会に影響を及ぼす可能性があり、今後も状況を注視していきたい。

*1)1949年に東ドイツと中国は外交関係を樹立。https://www.afpbb.com/articles/-/3247027
*2)Declaration on China Madrid, 26-27 June 1989 - Consilium.europa.eu
*3)天安門事件における日本の対中国制裁:1989年6月、第3次円借款の供与を事実上凍結したが、中国側の強い要望を踏まえて1990年11月に凍結を解除。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE22B620S0A221C2000000/
*4)https://www.sankei.com/article/20201223-TJFFRAWI7JLWPHUCZJ7I7HNRSM/
*5)山口 和人(2011)「ドイツの対中国外交戦略」P33
*6)山口 和人 同上
*7)世界銀行 https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.PCAP.CD
*8)CHINA AND GERMANY:WHY THE EMERGINGSPECIAL RELATIONSHIP MATTERS FOR EUROPE Hans Kundnani and Jonas Parello-Plesner P3-4
*9)板橋 拓己「ドイツの対中政策―ポスト・メルケル時代へ向けて」https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fwww.jiia.or.jp%2Fresearch-report%2Fpost-67.html&data=04%7C01%7Cyayoi.kato%40mof.go.jp%7Cf7d0459889154843316508d9e561d332%7C64a63521a0e249aca94b330963422738%7C0%7C0%7C637793032385267331%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJWIjoiMC4wLjAwMDAiLCJQIjoiV2luMzIiLCJBTiI6Ik1haWwiLCJXVCI6Mn0%3D%7C3000&sdata=yHYKHAm58mkwa%2F1kAjKrVG4dWj34ZgdsdEAC83oTJf0%3D&reserved=0
*10)「Koalitionsvertrag 2002–2006」P75
*11)「独中法治国家対話」:ドイツの法務・消費者保護省と中国の法務省の間で行われる閣僚レベルの対話の機会。2000年より開始され、原則毎年、両省の間で会合が設けられている。直近では、2012年4月にドイツのクリスティーン・ランブレヒト法務・消費者保護大臣と中国のタン・イージュン法務大臣の間で電話会談を実施。その中で、ドイツからは香港やウイグルの情勢について中国に対する懸念が伝えられた。
https://www.bmj.de/DE/Themen/EuropaUndInternationaleZusammenarbeit/DeutschChinesischerRechtsstaatsdialog/DeutschChinesischerRechtsstaatsdialog_node.html
Bundesjustizministerin Lambrecht äußert Besorgnis über Menschenrechtslage in China (epochtimes.de)
https://www.bmj.de/DE/Themen/EuropaUndInternationaleZusammenarbeit/DeutschChinesischerRechtsstaatsdialog/DeutschChinesischerRechtsstaatsdialog_node.html
Bundesjustizministerin Lambrecht äußert Besorgnis über Menschenrechtslage in China (epochtimes.de)
*12)CHINA AND GERMANY:WHY THE EMERGINGSPECIAL RELATIONSHIP MATTERS FOR EUROPE Hans Kundnani and Jonas Parello-Plesner P4
*13)https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101301080&g=int
*14)https://www.afpbb.com/articles/-/2287993
*15)佐々木 智弘 山口 真美 森田 悟「揺らぐ胡錦濤政権の政治経済基盤:2008年の中国」P139
*16)2008年北京オリンピック開会式G7首脳の対応:(出席)日本、米、仏(欠席)独、英、伊、加https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-32712920080714
*17)ドイツ連邦統計局 https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html
*18)https://www.reuters.com/article/tk8116296-germany-china-idJPTYE83M06X20120423
*19)ドイツ連邦統計局 https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html
*20)クーカ:ドイツのアウクスブルクに本社を置く1898年創業の老舗産業用ロボットメーカー。世界四大ロボットメーカーの1つにも数えられる。従業員数約14,000人のグローバルオートメーション企業であり、世界各地に拠点を持つ。https://www.kuka.com/ja-jp
*21)松本 惇(2018)「みずほリポート 投資規制の強化に動く欧州―中国企業による企業買収を警戒するドイツ・EU」
*22)BDI「Partner and Systemic Competitor – How Do We Deal with China's State-Controlled Economy?」
*23)知的財産の保護を改善や強制的技術移転の問題を解決するために中国へ働きかけ議論を進めること等を要求。
*24)https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00594/
*25)2021年5月に上院で承認され施行。https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/06/2b71160a630f99aa.html
*26)https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10300823475847564554904587162961186265208&data=04%7C01%7Cyayoi.kato%40mof.go.jp%7Cf7d0459889154843316508d9e561d332%7C64a63521a0e249aca94b330963422738%7C0%7C0%7C637793032385267331%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJWIjoiMC4wLjAwMDAiLCJQIjoiV2luMzIiLCJBTiI6Ik1haWwiLCJXVCI6Mn0%3D%7C3000&sdata=wRvXP%2F6oAwMSORZcrxiKRB1Annfmgy8lQWbgTtCXJIY%3D&reserved=0
*27)EUが30年ぶりに対中国制裁を発動。特定個人や団体に資産凍結等を行った。(独、単独での制裁は実施していない)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2204T0S1A320C2000000/
*28)2020年12月、EU中国包括投資協定(CIA)は大筋合意されていた。https://www.jiji.com/jc/article?k=2021052100300&g=int
*29)https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070600032&g=int
*30)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA048RN0U1A101C2000000/
*31)https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fnordot.app%2F811041920409927680%3Fc%3D39546741839462401&data=04%7C01%7Cyayoi.kato%40mof.go.jp%7Cf7d0459889154843316508d9e561d332%7C64a63521a0e249aca94b330963422738%7C0%7C0%7C637793032385267331%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJWIjoiMC4wLjAwMDAiLCJQIjoiV2luMzIiLCJBTiI6Ik1haWwiLCJXVCI6Mn0%3D%7C3000&sdata=1mjL8Oc%2B6sslukVdYSGWoA1KwhvlUU%2F1NNocCtu%2F8bQ%3D&reserved=0
*32)http://www.china-embassy.or.jp/jpn/jzzg/t1907709.htm
https://www.asahi.com/articles/ASP9G6WCJP9FUHBI01Y.html
*33)https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101301080&g=int
*34)出典:IMF, Coordinated Direct Investment Survey(CDIS)
*35)2021年3月公表のEYの調査結果https://assets.ey.com/content/dam/ey-sites/ey-com/de_de/news/2021/03/ey-chinesische-investoren-in-europa-2021.pdf
*36)本レポートの貿易データについては、ドイツ連邦統計局から取得。 https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html
*37)https://www.daimler.com/investors/share/shareholder-structure/
*38)Automotive Media Response(2013年8月30日付け)「VW、中国新疆ウイグル自治区の新工場を稼働…サンタナ 新型生産」
*39)1991年2月、チェコスロバキア(当時)、ポーランド、ハンガリーの大統領がハンガリー北部のヴィシェグラード(Visegrád)において、3カ国の友好と協力を進めることを目的とした協力の枠組みとして「ヴィシェグラード・グループ」を形成することで合意。1993年1月のチェコスロバキア分離に伴い、ヴィシェグラード・グループはチェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキアの4カ国で構成されることとなった。発足当初はEU加盟に向けた協力が中心であったが、現在は文化、環境、防衛、教育、観光、エネルギー、IT等、多岐に亘る分野で協力が行われている。またEU内での協議に際し、利害の一致する部分では、V4として共通の立場を形成することもある。https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/europe/v4_japan/gaiyo.html
*40)佐々木 昇「ドイツとヴィシェグラード諸国の経済関係」
*41)同上
*42)The Central European Institute of Asian Studies(CEIAS):スロバキア、チェコやオーストリアに支部をもつシンクタンク。CEIASの目的は、アジアに関する知識を学者や専門家の間に広げ、中央ヨーロッパと中国との関係構築の一助となること。
*43)Pew Research Center:米国に拠点を置くシンクタンク。
*44)https://jp.reuters.com/article/germany-politics-3-idJPKBN2I91QD
*45)https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120800737&g=int
*46)https://www.csu.de/common/download/Regierungsprogramm.pdf 266、267
*47)https://www.spd.de/fileadmin/Dokumente/Beschluesse/Programm/SPD-Zukunftsprogramm.pdf P60
*48)EU中国包括的投資協定(CAI):2020年12月、EUと中国の間で大筋合意。ウイグルでの人権侵害の影響を受け、現在は欧州議会が批准に向けた手続きを凍結。
*49)https://cms.gruene.de/uploads/documents/Wahlprogramm-DIE-GRUENEN-Bundestagswahl-2021_barrierefrei.pdf P228-229
*50)FDP_Programm_Bundestagswahl2021_2.pdf P6 P71
*51)「Mehr Fortschritt wagen - Buendnis fuer Freiheit, Gerechtigkeit und Nachhaltigkeit」P157
*52)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77893210V21C21A1EA1000/
*53)https://www.dw.com/en/olaf-scholz-will-not-attend-beijing-olympics/a-60639723
*54)https://www.sankei.com/article/20211221-CI7CW4GESBLWNGDYJZDFE5XR3Y/
岸田首相はショルツ首相と12月14日に電話会談https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211214/k10013388551000.html
*55)BDI(2021年7月)「Außenwirtschaftspolitische Zusammenarbeit mit Autokratien」
*56)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM22B3N0S1A021C2000000/