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自転車通勤で「なろう」になろう!?あぷらいど!(番外1)

―完結したはずなのに編集のご厚意でまだまだ続くよ!本編の「楽」の先に、「楽しさ」を探してみよう!

証券取引等監視委員会事務局総務課長 若原 幸雄

番外1.わざわざ買う必要なんてないけれど、もし買いたくなったなら、自転車は命を預ける大切なパートナー、どういう選び方をすればよいのかを語ってみます!


1.要するに

1台めは近所の店で「クロスバイク」か「ミニベロ」を買いましょう。予算は本体が5万円程度、ヘルメットその他(連載本編をご覧ください)を2~3万円合わせ買いして、トータル8万円が目安です。2台め以降は、ニーズに合わせてお好きなものを。ちなみにわたくしが乗っているのは、Raleigh(ラレー)というブランドのRF-L(クロスバイク)と、DAHON(ダホン)というブランドのK3(折りたたみ)の2台です。

2.詳しくは

(1)店

自転車は、各ブランドの代理店でほとんどが販売されており、店によって扱うブランドが変わります。複数のブランドの候補を一度に比較するには、大型店でないと難しいでしょう。ならば、と品ぞろえ優先で遠くの店で買うと、後々困ることにも。買う際には配達してもらうにせよ、メンテナンス等での利用を考えると、近い方が何かと便利です。買う自転車を決めたら、そのブランドのサイトで近い代理店を探しましょう。

なお、これからの時期は売切れに要注意。自転車業界は、1回のロットの生産分を1年かけて販売するので、夏~秋の販売開始から時が経てば経つほど、人気があるサイズや色から売り切れます。残りが店頭在庫のみとなれば、その店でしか買えません。悪いことばかりではなく、新モデル入荷に備えた在庫処分セールも増えてきますので、掘り出し物が安く買えるチャンスでもありますが、どうしてもこれがいい、という型が品切れなら、次ロットの販売を待ちましょう。

(2)自転車

(2-1)クロスバイク

元来は、オフロード(非舗装路)用のマウンテンバイクに、オンロード(舗装路)用のロードバイクの車輪をつけたものだから「クロス」バイク(クロスボーダーやクロスセクションの「クロス」と同旨)と名付けられたのですが、今では多種多様に発展し、28インチの車輪とまっすぐなハンドルをつけた街乗り用自転車ぐらいの意味になっています(かなり乱暴なまとめですが、きちんと論じだすと数ページを要します)。

最も売れ筋のスポーツバイクなので、各ブランド間での競争は激しく、20~30km/h程度での巡航に必要な性能がヒトケタ万円台半ばで買えるコストパフォーマンスの良さが最大の特長です。もっとお高いものもあり、それなりに高性能ですが、それなら同じ値段のロードバイクを買った方がより値段に見合う性能が備わっているので、あくまでコスパ重視で。

なお、2~3万円で売っている「クロスバイク」もありますが、これらは俗にルッククロスと呼ばれ、外見はクロスバイクでも性能は軽快車(いわゆるママチャリ)並なので、コスト以上にパフォーマンスが低下し、かえってコスパは劣るので、ご注意あれ。

(2-2)ミニベロ(小径車)

車輪サイズがロードバイクの28インチより小さければこのミニベロ。ボリュームゾーンは24インチ以下で、これほど小さいと、エネルギー効率や道路の凸凹への耐性などは見劣りします。しかし、28インチの車輪をバランス良く収めるには自転車にそれなりの大きさが必要で、小さく作ると無理が出てくるので、背が低い方は、ミニベロを選んだ方が、車輪サイズの不利より設計のゆとりが効いて快適に乗れるでしょう。

この論に沿えば24インチがオススメになりますが、クロスバイクとの差異化ができないせいかあまり台数が出ていません。それほどは性能が劣らない20インチも視野に入れると、選択の幅が広がります。18インチ以下になると、走りの快適さはあきらめましょう。

(2-3)マウンテンバイク

オフロード用なので、砂や泥の走破にも十分なグリップを稼ぐ広いタイヤ幅と、石や木の根などの凸凹に耐えるサスペンションが特長ですが、オンロードにはオーバースペック。タイヤは不必要に重く、サスペンションは無駄にメンテナンスの手間と故障のリスクを増やしているわけですから。ちなみにわたくしの配偶者は、彼女が大学時代に買ったマウンテンバイク(26インチ)に今なお乗っていますが、今ではほとんど作られていないサス無し(フルリジッドといいます)で、これならクロスバイクとそれほど変わりません。

しかし、サス有りのゴツい外見は唯一無二。気に入っちゃったらしょうがないですよね。わたくしも、29インチサイズの迫力に惹かれているのですが、最近は27.5インチサイズが主流になってきているので、3台めを買えるようになるまで残っているのか不安です。

(2-4)ロードバイク

オンロードを30km/h超で巡航したり、きつい上り坂を走ったりするための自転車ですが、これらはいずれも重量の影響が大きく、高額なのは、端的には軽さを買っていると言えます。その分盗難リスクが増えますが、ならばと重いロックにすると、高いお金を払って軽くした意味がなくなってしまうので、乗り始めたらサイクリングを終えるまで、自転車から離れるような下車はしない(のでロックは持たない)のが基本。したがって通勤とは相性が悪いのですが、じゃあ重くていいから安いのにするか・・・ってクロスバイクじゃん!というわけで、あくまで趣味の自転車なわけです。

(2-5)折りたたみ自転車

ミニベロに折りたたみ機構をつけたものですが、マウンテンバイクのサスペンション同様、使わないなら故障リスクを上げるデッドウェイトでしかないので、基本的にはオススメしません。じゃあなんで持っているのかと言えば、お酒を飲んだら自転車も飲酒運転なので、飲む予定がある日はこれで出勤して、飲んだあとは折りたたんで電車で帰るためなのです。

もうひとつのあり得るニーズとしては、金融庁のように駐輪場がないところに行く場合、折りたたんで持ち込むというものが考えられます。こうした必然性がある場合には、これほど頼れる車種はないのです。

3.具体的には

以上はどうしても一般論・抽象論ですので、わたくしの例を以下ご参考までに。

きっかけは、子供が入ったサッカークラブのメイングラウンドがそれなりに遠く、公共交通機関では結構な出費となるし(特にゆりかもめが)、ペーパードライバーなのでクルマは使えないし、チャイルドシートに乗せて自転車で送迎するしかないな、と考えたからでした。どうせなら保育園への送迎にも使おう、グラウンドまでは坂はないけど保育園には坂がある、ママチャリじゃつらいけど電動アシスト付きは高い、という連想を経て、チャイルドシートがつけられるスポーツバイク=クロスバイクを選んだのです。

(本連載でも取り上げた)Y's Roadというチェーンには「クロスバイク館」という専門店があるとネットで知って足を運び、チャイルドシートがつけられるクロスバイクでなるべく安いのが欲しいです、と伝えたところ勧められたのが冒頭のRF-Lでした。ちなみに色は、連れていった子供が「白がいい!」と言ったのでそうしましたが、汚れが目立つんですよね・・・。

買ったからには、と通勤にも使い始めて幾星霜、2015年の道交法改正の狙いのひとつが悪質な自転車への対応で、飲酒運転を含む違反行為に対して、改めて社会的に注意喚起がなされました。恥ずかしい話ですが、それまでは飲んだ後は飲酒運転で帰宅しており、これは改めなければならぬと。当時は静岡県庁に出向中で職住近接だったので、飲む日は徒歩にしていましたが、東京に戻ってくるとそうもいきません。

折りたたみ自転車を買おう、携帯の便を最優先に車輪は14インチでいいや、と候補に選んだのが、8kgを切る最軽量クラスのRenault(ルノー)のUltra Light 7。しかし、坂の多い東京でシングルギアはつらいと踏み切れなかった(当時。現行モデルだと、変則付きもあります)中、ほぼ同サイズ・重量なのに3段変速のDAHON・K3発売のニュースが!即座に予約を入れてから入荷まで3週間、首を長くして過ごしたのですよ。