このページの本文へ移動

編集後記/「ファイナンス」令和3年2月号(通巻663号)

ファイナンス2月号をお読みいただき有難うございます。10都府県では緊急事態宣言が1ヶ月延長されました。不自由な日々が続きますが、感染者数は減少傾向にあり、早期の感染収束に希望を持っていきたいと思います。

先日、アメリカではバイデン氏の大統領就任式が行われました。就任式と言えば、留学中の12年前、オバマ大統領の就任を同僚とワシントンで観覧したことを思い出します。アフリカ系アメリカ人初の大統領として、政治的亀裂の克服を提唱したオバマ政権の発足に国中が期待と祝意に満ちていました。しかし、リーマンショック後の不況による格差拡大は深刻で、その後の8年間の取組みは道半ばであったと言わざるを得ません。トランプ政権になってからは二極分化が加速し、先月起きた暴徒による米連邦議会議事堂の占拠という愚行にショックを受けた方も多いかと思います。

『アメリカの民主主義』を書いたフランスの政治学者トクヴィルは「アメリカの民主主義の強さとは社会の強さであり、アソシエーション(集団)の強さだ」と分析しました。新しく発足したバイデン政権がこのコロナ禍において、いかに内政を立て直し、外交・安全保障を展開していくか、注視したいと思います。

(財務省広報室長 大森 朝之)