このページの本文へ移動

ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?第三十回(終)

ラーメン大好き。新潟大好き。

新潟県総務管理部長(元財務省広報室長) 佐久間 寛道

ラーメン。日本人が愛してやまない食事の王道です。本ファイナンスでもラーメン官僚による「かずあっきいのラーメン探訪記」を連載していたくらいです。私もラーメン好きで、ラーメン博物館が新横浜にできる年にちょうど上京し、北海道「すみれ」の味噌ラーメンを食べたときの感動をよく覚えています。大学生から二十代前半の頃は「どうとんぼり神座」や「一蘭」のラーメンを食べるために大阪や福岡に行ったりしていました。

新潟もラーメン王国

消費量、人口当たり店舗数等統計の取り方によりますが、お隣の山形県が日本一のラーメン県と言われることが多く、新潟県を含め、北の地域が上位にランキングしています。山形と同じく日本蕎麦店も多いのですが、冬の寒さのなか、熱くて濃い一杯は一層おいしく感じますよね。

新潟県は、新潟あっさり醤油、燕三条背脂、長岡生姜醤油、新潟濃厚味噌、三条カレーが特長として挙げられることが多いです。私は三条市生まれですが、高校卒業の後東京に来た際、カレーラーメンがどのラーメン店に入ってもメニューにないことに衝撃を受けたり、家でラーメンに玉ねぎをのせたら妻に違和感をもたれた(背脂ラーメンには、長ねぎでなく刻み玉ねぎがトッピングされているのです)といった文化の違いを感じたものです。

ちなみに、ベースがとんこつスープの店が大半という九州のように、燕三条地域は背脂ラーメン店が大半、ということではありません。新潟県全般をみれば、やっぱり伝統的な「支那そば」と聞いて思い浮かべる醤油ベースに縮れ麺、が多い気がします。むしろ、新潟県全体では、レストラン・ラーメン店を展開する三宝グループがなじみが深いでしょうか。東京、シンガポール、カナダ、ニューヨークにもお店があるのですが、研究熱心なお店で、酸辣湯麺や麻婆麺など、ほんと美味しいです。

麺、とジャンルを広げれば、洋風ソースの太麺やきそば「イタリアン」が新潟のB級グルメの代表と思います。

やっぱり背脂ラーメン

燕の金属洋食器産業で働く人々が出前で食べる際、麺がのびにくいよう極太にし、スープが冷めないように背脂を入れる工夫をしたことで誕生したものです。それぞれのお店に人気があるのですが、元祖の「杭州飯店」には、大型連休には香川の有名讃岐うどん店のように果てしなく列ができるほどです。写真だけみると油ギトギトでくどそうに見え、特に女性は敬遠しがちですが、実はスープは煮干しベースで、とても食べやすいんです。大半の県外の方は、この想像とのギャップにはまっていきます。

写真1:杭州飯店の背脂ラーメン

実は麻婆麺も

麻婆豆腐のラーメンは、昭和40年代、新潟市の中華料理店で誕生したというのが有力です。麻婆麺を売りにしているお店もいくつかあるのですが、昔からの人気店は、新潟市江南区の「ラーメン工房 まるしん」かと思います。とろっとした餡に、たっぷりの絹ごし豆腐、山椒もしっかりかかって、親しみやすい味に本格的な辛さがあります。今は、人気ありすぎてランチ営業のみになっています。寒い地域というのに加え、新潟は枝豆の作付面積が日本一であるなど、豆腐の原料である豆好きな県であるところも背景にあるのではと勝手に思っています。

写真2:まるしんの麻婆麺

かけそばならぬかけ中か

インパクトを感じたのは、上越市のソウルフードの一つとも呼ばれる「塚田そば店」のかけ中か。かけそば、かけうどんのスープや具はそのままに、麺がやわらかめの中華麺なんです。240円と値段は立ち食い蕎麦級。香川の讃岐うどん店的な地域に溶け込んだお店という空気が流れています。

お隣妙高には、とん汁ラーメン(「とん汁の店たちばな」)もあります。「食堂ミサ」の味噌ラーメンは、ニンニクもほどよく入って食欲をそそる味で、妙高訪問時には必ず寄ってしまいます。

写真3:つかそばのかけ中か

最後に感謝

3年経ち、新潟県での勤務も満了となりました。遅筆の自分が30回も連載できたのは、ひとえに故郷新潟の魅力のおかげです。広報室担当の北山さんにはいつもギリギリの入稿で迷惑をかけましたが、温かく対応して頂き、御礼申し上げます。

新潟を題材としつつ、極力他都道府県との比較や関わりを切り口とすることを心掛けましたが、そうした作業を通じて、日本全国どの地域にも素晴らしい魅力があるということを実感しました。それを見つめて再認識し、磨いて発信する大切さとともに、ひたむきに日々を暮らす人々の存在が、地域の宝の維持・発展には不可欠だということも実感しました。

3年間の仕事・生活は本当に充実したものになりました。少子高齢化・人口減少社会の影響の大きさ、一方でそれを見据えた対応がなかなかやりきれていないこと、でも、食料や水、贅沢な空間、集落の絆などの資源があること、未来を切り拓こうと頑張っている人々がいることなど、明るい可能性はあちこちで見られます。

地域で暮らす一人ひとりの生きざまを心の中心に置きながら、世界の中の日本の未来のため、微力を尽くしたいと思います。これまでお読みいただき、ありがとうございました。

〈連載一覧〉

第一回 人口日本一??? 2017年12月号

第二回 地域と世界に羽ばたく日本酒 2018年1月号

第三回 酒、酉から戌へ(前編)2018年2月号

第四回 酒、酉から戌へ(後編)2018年3月号

第五回 広域で日本を盛り上げる 2018年4月号

第六回 広域で日本を盛り上げる(2)2018年5月号

第七回 広域(3)糸魚川と松本を中心に 2018年6月号

第八回 極楽浄土に近い島 2018年7月号

第九回 自動車○で日本一 2018年8月号

第十回 家計調査の苦労とやりがい 2018年9月号

第十一回 世界に羽ばたけ燕三条 2018年10月号

第十二回 コメだけじゃないぞ 2018年11月号

第十三回 150年。2018年12月号

第十四回 明るい未来へ、企業の挑戦。2019年1月号

第十五回 少子高齢化時代の雪国の共生~除雪ボランティア~ 2019年2月号

第十六回 大人も目指せる甲子園 2019年3月号

第十七回 新時代の若者と地域 2019年4月号

第十八回 過去と現在と、香川と新潟のつながり 2019年5月号

第十九回 マタギと古代織が残る集落 2019年6月号

第二十回 天皇陛下御即位記念の祭典 2019年8月号

第二十一回 新潟・庄内 ガストロノミー 日本海美食旅 2019年9月号

第二十二回 令和4年度予算編成ができない!? 2019年10月号

第二十三回 令和4年度の予算編成ができない!?(2) 2019年11月号

第二十四回 令和4年度の予算編成ができない!?(3) 2019年12月号

第二十五回 貸し切れる? 滑らない?スキー場 2020年1月号

第二十六回 #新潟のコメジルシ※ 2020年2月号

第二十七回 翔んで埼玉~雪国新潟とマンガ~ 2020年4月号

第二十八回 みなでエールを。2020年5月号

第二十九回 元気の源、温泉へ。2020年6月号

第三十回(終) ラーメン大好き。新潟大好き。2020年7月号