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巻頭言:『withコロナ』の今、スポーツからヒントを得る困難を乗り越える方法

株式会社レバンガ北海道 代表取締役社長 折茂 武彦

2020年3月27日。27年に及ぶバスケットボール選手としての時間が突然終わりを告げました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、男子プロバスケットボールリーグのB.LEAGUEは、その時点で未消化・延期となっていた残りすべての試合の中止を決め、2019-20シーズンが終了しました。プロ野球やJリーグ、東京でのオリンピック・パラリンピックも延期となり、日本だけではなく、世界中のプロスポーツリーグや大会は延期や中止を余儀なくされ、多くの人がひとつになって夢中になれる時間と空間が止まってしまいました。

夢に見ている舞台に立つため、チームや個人の目標を達成するために、自分が持てるものをすべて注ぎ込んで必死にやってきていた人も多いと思います。目指していたものがなくなり、モチベーションをどのように保てばよいのかわからない、といった声も多いと聞きます。私自身も、引退年として臨んだ最後のシーズンが途中で終了し、最後にホームアリーナのコートに立つことも、長年支え応援し続けてくださったファンやブースターの皆さんへ直接感謝を伝える機会も失われてしまいました。少なくとも、開幕前に引退を表明した昨年10月の時点では予想もしなかった事態です。

自身に置き換えてアドバイスをするのであれば、コントロールできない状況に直面したら、まずは受け入れること。そして、ポジティブにとらえて、行動を起こすこと。バスケットボールの試合の中で、会社を経営する中で、50年の人生の中でも、自分の力ではどうしようもないことに直面することは何度もあります。そうしたときは、受け入れて前を向くしかない。そして、悩んで立ち止まるのではなく、大事なのはアクションを起こすこと。オリンピックが延期に、地区大会が中止になったのであれば、また新たに目標設定をし直せばいい。達成したい内容や期限を新たに設定して、また努力をすればいい。成し遂げたい目標が明確であれば、モチベーションはおのずと保てるものだと思います。それは、プロのアスリートも部活動の学生さんも、スポーツ以外の場面でも、変わらないはずです。目指すべき内容が変わったとしても、そのために努力した時間はなくなりません。何より、努力してきたことは、自分が一番わかっています。夢や目標がある人は、歩みを止めないで、困難な状況の今だからこそ、ぜひ叶えてほしいと思います。

6月下旬となった今現在は、少しずつスポーツの世界も動き出しています。誰もが変化を強いられ、日常にストレスを抱えるコロナ禍が続く今は、これまで以上にスポーツの持つ力を感じられるはず。プロ野球が再開したことで、これまで当たり前のようにあった日々の楽しみが戻ってきたことを実感し、改めてスポーツのある日常のよさを私自身もしみじみ感じています。まだ大勢の人が集まることには注意が必要な状況ではありますが、オンラインを活用した新たな観戦スタイルも提案されています。スポーツの醍醐味は同じ空間と時間を多くの人が共有することで生まれると思っていますが、録画された様々な競技の世界大会が画面を通じて人々を熱狂させられるように、時間と場所の制限を受けずに多くの人の心を動かすことも、スポーツならできる。『withコロナ』の今、スポーツが持つ可能性とポジティブなエネルギーが、困難な状況を乗り越えるヒントを与えてくれるはずです。