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シリーズ日本経済を考える85: 「IMFの対日4条協議」について*1

国際通貨基金 アジア太平洋地域事務所 次長
柏瀬 健一郎

財務省 財務総合政策研究所 研究員
服部 孝洋

国際通貨基金 アジア太平洋地域事務所 元エコノミスト
千田 正儀*2

1.はじめに

本稿は国際通貨基金(International Monetary Fund, IMF)の4条協議の概要を説明することを目的としている。IMFによれば、4条協議とはIMF協定第4条の規定に基づき、加盟国と行う協議を指す*3。IMF代表団が協議相手国を訪問し、経済・金融情報を収集するとともに、その国の経済状況及び政策について政府当局者等と協議する。2018年については9月20日から10月4日の日程でIMF代表団が訪日し、対日4条協議が実施された。

IMF代表団が本部に戻った後、代表団のメンバーは理事会における議論の土台となる報告書を作成する。4条協議では、協議相手国を訪問後、理事会の承認を受けた上で、4条協議報告書(Staff Report)が公開される。前述の2018年の対日4条協議に際しては、2018年11月27日にIMFのウェブサイトを通じて協議報告書が公表された*4。4条協議報告書ではIMFがサーベイランスの一環として行う政策提言だけでなく、対象国の経済構造やその時々の経済状況が包括的にまとめられている。4条協議報告書そのものは政府への政策提言だけでなく、各国の状況を把握するという意味で、民間セクターで働くプロフェッショナルにとっても有益な情報が盛り込まれている点が特徴である。

本稿は4条協議に係る基本事項を確認した上で、4条協議報告書を読むために必要な知識をコンパクトにまとめている。また、本稿ではアベノミクス以降の対日4条協議の内容について簡潔に整理している。4条協議報告書は多くの国の経済状況の基礎情報を提供しているがゆえ、政府や中央銀行関係者はもちろん、海外調査が必要な民間セクターも読者として想定している。

本稿の構成は下記の通りである。2節でIMFの役割と4条協議の概要について整理し、3節で近年の対日4条協議について整理する。4節は結語である。

2.IMFの役割と4条協議の概要

2.1. IMFの役割

IMFは、世界銀行とともに、1944年のブレトンウッズ協定によって設立された機関である。IMFの設立には、世界大恐慌後の各国の保護主義の高まりによる国際経済の混乱を招いた反省にたって、自国第一主義の政策運営に国際的に歯止めを立てるために作られた経緯がある。その当時、世界は経済の安定と国際通貨体制の秩序回復を必要としており、IMFの創設者たちは、そのためにIMFを設立し、加盟国からのサポートのもとに特別な役割を担わせた*5。その役割とは、為替レートの安定を確保するため国際通貨システムを監視することであり、また貿易の障害となるような為替規制を撤廃することであった。1945年12月、最初の加盟国である29カ国がIMF協定に署名し、以後、加盟国の数は拡大し、現在では189か国(2018年12月時点)になる。

IMFは大きく分けて三つの機能を有している。第一の機能は、国際収支上の困難に陥った国々に対する「融資」(Lending)である。例えば、こうした国々は資金の返済にリスクがともなうことから、他に資金を借りる相手国がおらず、状況がますます悪化し立ち行かなくなる可能性を有する。そこで、IMFは、そうした国々に資金融資を行うということで、いわゆる「最後の貸し手(Lender of Last Resort)」としての役割を果たしている。当該国政府はIMFからの融資を受ける場合、IMFとの同意に基づき、経済状況を改善するために必要な政策を政策助言(ポリシー・リコメンデーション)に基づき遂行しなければならない。このような制約はしばしばコンディショナリティー(Conditionality)と呼ばれる*6。その場合、定期的な融資状況の審査と(後述する)4条協議におけるサーベイランスを通じて、経済状況の改善を実行していく。

第二の機能は「サーベイランス」(Surveillance)である。IMFでは通常年に1回、加盟国に代表団を派遣し、その国の財務省や中央銀行をはじめとした政府当局者と経済状況を議論し、政策についての提言を行っている。IMFはアジア通貨危機時のタイやインドネシア、韓国での融資における対応で、過去に大きな批判にさらされた。深刻な危機に対応するためには、当事国だけでなくIMFにも大きな痛みが伴うことがあるがゆえ、「サーベイランス」と呼ばれるメンバー諸国に対する政策監視機能は、加盟国が危機に陥ることを防ぐための重要な役割を果たしている。

IMFのこれら2つの機能は、ちょうど医療現場を例に挙げると分かりやすい。例えば患者が突然の心臓の病に陥った時、医者が緊急の手術を行う。これはIMFの融資に例えることができる。しかし、こうした手術は常に難しいものであることは想像するに難くない。こうした事態に陥る前に、例えば年に1回人間ドックを受けて、心臓病につながるような高血圧などが発見できれば、その後の深刻なトラブルを未然に防ぐことができる。このような健康診断にあたるものが、IMFのサーベイランス機能である。本稿で紹介する4条協議はこのサーベイランスに相当するがゆえ、次節で詳細に説明を加える。

最後の3つ目の機能は「能力開発支援」(Capacity Development)である。IMFは、栄養士やジムのトレーナーが参加者に対して健康に関する助言やトレーニングを行うように、途上国や新興国を中心とした加盟国に政策に関する能力開発支援を行っている。上述のように、定期的に行われる「サーベイランス」を通して、健康状態の改善を要求される国も多くある。その場合、常日頃から自分自身で健康に気配りをする必要が求められると同時に、バランスの取れた食事や運動を通じて、健康な身体を維持する必要が出てくる。その意味で、加盟国においては4条協議報告書にまとめられたIMFの政策助言に従い、必要な政策対応が求められる。それぞれの国が自らの経済を適切に分析し、問題に対応していく政策立案、決定及び実施能力を高めることが出来れば健康状態の改善にもつながり、国がトラブルに陥るリスクが少なくなるはずである。そのためにIMFでは幅広い分野において加盟国のニーズに従い技術支援を供与している。その重点分野には、財政政策と財政運営、金融政策と金融システム、マクロ経済統計と金融統計、また法的枠組みが含まれる。こうした技術支援はIMFの他の2つの機能と密接に関わり、IMFの業務に相乗効果を与える上でより重要性が増してきている。

なお、この役割に日本が大きな貢献を果たしてきたこともハイライトすべきだろう。特に日本政府は、IMFの能力開発支援に対して資金的支援に合意した1990年以降、アジアを中心に多額の拠出を行ってきた。その拠出額では、IMFのメンバーの中で最上位である。

2.2. 4条協議の概要

IMFによるサーベイランスには、「多国間サーベイランス」(Multilateral Surveillance)と「国別サーベイランス」(Bilateral Surveillance)がある。「多国間サーベイランス」では多国間の経済情勢のモニタリング・分析がなされる*7。具体的には、「地域経済見通し(Regional Economic Outlook, REO)」に代表される主要地域経済のサーベイランス(Regional Surveillance)と世界経済と金融市場、及び財政状況を多角的にモニタリング・分析する世界経済のサーベイランス(Global Surveillance)がある。世界経済のサーベイランスにおけるIMFの見解は、3つのフラッグシップ・パブリケーション(Flagship Publications)を通して、春季会合(Spring Meetings,4月)と年次総会(Annual Meetings,9-10月)のタイミングで年に2回公表されている*8。その3つのパブリケーションは、IMFエコノミストの分析を示した「世界経済見通し(World Economic Outlook, WEO)」、金融市場の安定性に対してリスクとなる金融の不均衡や脆弱性を評価する「国際金融安定性報告書(Global Financial Stability Report, GFSR)」、そして、公共財政の動向を評価した「財政モニター(Fiscal Monitor, FM)」である*9。いずれも、後述する国別サーベイランスが、地域・世界経済の多国間サーベイランスの基盤をなしている。

この国別サーベイランスの根幹をなしている活動が本稿で取り上げる4条協議である*10。4条協議と呼ばれる所以は、加盟国はIMF協定第4条に基づきサーベイランスを受ける義務を有しているためである。IMF協定4条のうち、特に3項に具体的な監視に係る記述があり、条文では下記の通り記載がなされている。この協定4条に基づき、IMFは各加盟国に代表団を送り、サーベイランスを行っている。

第四条 為替取極に関する義務

第三項 為替取極の監視

(a) 基金は、国際通貨制度の効果的な運営を確保するため国際通貨制度を監督し、また、第一項の規定に基づく各加盟国の義務の遵守について監督する。

(b) 基金は、(a)の規定に基づく任務を遂行するため、加盟国の為替相場政策の確実な監視を実施し、また、為替相場政策に関するすべての加盟国に対する指針とするための特定の原則を採択する。各加盟国は、この監視のために必要な情報を基金に提供しなければならず、また、基金が要求するときは、自国の為替相場政策について基金と協議しなければならない。基金が採択する原則は、加盟国が一又は二以上の他の加盟国の通貨の価値との関連において自国通貨の価値を維持する二以上の加盟国の間の協力的取極並びに基金の目的及び第一項の規定に合致する他の為替取極であつて加盟国が選択するものと矛盾するものであつてはならない。この原則は、加盟国の国内の社会的又は政治的政策を尊重するものでなければならず、また、基金は、この原則を適用するに当たり、加盟国の置かれた状況に妥当な考慮を払わなければならない。

4条協議については、各国経済における経常収支や為替レート等の分析も含まれるが、IMFでは4条協議とは別に「対外部門の安定性に関する報告書(External Sector Reports, ESR)」でも2012年以降、経常収支や為替レートの評価を行っている*11。その他、金融の安定性にかかるサーベイランスとして、IMFは金融セクター評価プログラム(Financial Sector Assessment Program, FSAP)を実施している。FSAPはアジア通貨危機以降導入され、2008年の金融危機を受けて、2009年に抜本的な見直しがなされた。日本のおけるFSAPについては5年に一度実施されており、直近は2017年にレポートが発表されている*12。

4条協議では年に1回、IMFのエコノミストが当該国を数週間訪問し、当該国の政府や中央銀行等と協議を行う*13。我が国については、通常、毎年夏前後に実施される。例えば、2018年については9月の後半にIMF代表団が2週間程度日本に訪問し、財務省や日銀、また民間セクター等へヒアリングがなされた。また、日本における地域経済の動向を調査するために仙台と大阪も訪れ、地方財務局、日本銀行支店、市役所、及び民間セクター等におけるヒアリングがなされた。地方におけるサーベイランス活動は初めての試みで、日本の人口減・高齢化が及ぼす経済への影響を検証する上で、今後その重要性は増すだろう。

このサーベイランスを行う上で重要になってくるのがチームの構成である。対日4条協議におけるIMF代表団は地域局(Area Department)に所属するアジア太平洋局(Asia Pacific Department, APD)を軸に、機能・特別サービス局(Functional and Special Services Department)に属する財政局(Fiscal Affairs Department, FAD)や金融資本市場局(Monetary and Capital Markets Department, MCM)のエコノミストなどにより、多角的な視野で経済を分析するために必要なメンバーで構成される*14。2018年時点についてはミッションチーフであるポール・カシン(Paul Cashin)氏をヘッドに7名で構成され、主にロジスティクスと広報を担当するIMFアジア太平洋地域事務所(Regional Office for Asia and the Pacific, OAP)と財務省国際局国際機構課の密な連携に基づき進められた。対象国以外の国籍を主軸にIMF代表団を構成するなど、中立的な評価がなされるよう様々な工夫がなされている。

2018年における対日協議においてはクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事が初めて出席し、IMFからは専務理事室(Office of Managing Director)の副局長であるアルフレッド・カマー(Alfred Kammer)氏とコミュニケーションズ局(Communications Department)局長のジェリー・ライス(Gerry Rice)氏も同行した。対日協議終了後の記者会見においてもラガルド専務理事が出席し、声明文を公表、質疑応答にも臨んだ。その声明文はウェブサイトを通じて発表され、ラガルド専務理事の対日協議における出席はSNSを通じても公表された。その後、IMF代表団は本部に戻り報告書を仕上げ、11月21日の理事会における議論、審査・承認を経て、11月27日に4条協議報告書を発表した*15。

その4条協議報告書では、冒頭の「KEY ISSUES」にレポートのサマリーが記載され、末尾の「STAFF APPRAISAL」にスタッフによる査定結果がまとめられる。4条協議報告書では各段落の冒頭の文章がその段落を集約する一文となっており、段落の冒頭の文章だけを読んでもレポートの概要が理解できるように作成されている。各国経済状況について英語で平易に説明されており、政府だけでなく、民間セクターなど幅広く読まれている。また、IMFの見解のみならず、協議相手国の意見についても「The Authorities’View」という項目で反映されており、IMFと政策当局者との対話を垣間見ることができる。注目に値する個別のトピックに関しては、「BOX」というコラムで紹介される。なお、4条協議報告書のバックグラウンドペーパーとして「Selected Issues Paper(SIP)」が同時に公表され、そこには報告書の中で記載された主要な論点が詳細に議論されている(2018年については消費増税や人口動態がもたらす影響など7つのテーマが含められている)*16。

3.対日4条協議の概要

3.1. アベノミクスに対する全体的な評価

これまでの対日4条協議ではアベノミクスについて全般的にみて肯定的な評価がなされている。特に、大幅な金融緩和、企業利益の改善、女性の労働参加率の上昇に加え、構造改革の進展を指摘している。また、自然災害がある中で、日本経済が潜在成長率を上回るペースで成長している点も肯定的に評価している。2018年の協議では、日本の少子高齢化がマクロ経済にもたらす影響を中心に議論がなされており、アベノミクス強化に際し、中期的に健全な財政政策の必要性や構造改革による長期成長の促進等の必要性が指摘された。

3.2. 公的債務残高と社会保障費の問題

対日4条協議で継続的に指摘されている論点は我が国の公的債務残高である。IMFは財政政策が必要な需要の下支えをしていると評価する一方で、高水準にある公的債務残高のリスクを継続して指摘しており、段階的な消費税の引上げを提言している。IMFは消費増税の具体的な水準にも言及しており、少なくとも15%までは段階的に引き上げることを提案している。また、消費税率引上げに際しては、効率性等を配慮するため、単一税率の仕組みを維持するべきであるとしている。一方、我が国の財政赤字の背景に社会保障費の急増があることにも言及しており、効率的な医療改革など社会保障費の抑制について抜本的な改革を求めている。

2018年の協議では、2020年のプライマリー・バランス(PB)黒字化目標はより現実的な2025年に延期された点をIMFは指摘しており、2019年、2020年の財政スタンスは中立を維持する一方で、2021年から構造的PBを対GDP比0.5%程度、毎年改善していく漸次的アプローチが中期的財政健全化計画に盛り込まれるべきと指摘している。また、消費税率を10%以上に引き上げることの重要性に加え、医療改革の必要性について引き続き確認された。

3.3. 日銀による緩和的な政策および金融システムの安定性

IMFは安倍政権発足以前より大規模な金融緩和を求めてきたことから、日銀の緩和的な金融政策については全体的に肯定的な評価をしており、引き続き緩和的な金融政策のスタンスを維持すべきとしている。その一方で、目標であるインフレ率2%を達成する目途が立っていない点に対して懸念を示している。特に物価上昇2%目標の達成時期がたびたび先送りされていることを受け、昨年については、デビット・リプトン筆頭副専務理事が「日銀は物価水準2%目標から達成時期を外すべきだ」というコメントをしたことも話題になった*17。2018年での協議では、期待インフレ率を高める明確なフォワードガイダンスやさらに強化された金融政策の枠組みの必要性が指摘されている。

なお、緩和的な政策が継続することに伴う金利低下環境が金融システムを悪化させる可能性についても言及されている*18。日本の金融セクターは安定的としているものの、特に地域金融機関については、低金利と人口減少に伴う収益環境の悪化が長期的なリスクとして指摘されている(この点は2017年のFSAPでも指摘されている)。一方、日本当局が検査・監督を継続して見直していることは肯定的に評価されており、2018年の協議では引き続きこの改革を継続することの重要性が言及されている。

3.4. 労働市場を中心とした構造改革

IMFは労働市場を中心とした構造改革についても継続して指摘している。具体的には、日本の女性の労働参加率の上昇に加え、高齢者や外国人労働者の増加に対して肯定的な評価がなされる一方で、これらについて引き続き上昇させる必要性を指摘している。また、税や社会保障に起因する正規雇用のディスインセンティブを除外する点についても近年言及されている。2018年の協議において、日本の少子高齢化がマクロ経済にもたらす影響を中心に議論がなされたことから、スタッフレポートでは人口動態の変化や労働市場改革に伴う影響について分析がなされている。例えば、IMFが開発したモデル*19を用いて、人口減によっては今後40年で実質GDPが25%以上減少するものの、構造改革の実行により40年で最大15%、実質GDPを押し上げるとの試算を示し、メディアでも大きく報じられた*20。

3.5. 対外バランス

2018年の対外バランスの評価については、7月に公表されたESRでの評価と同様、「ファンダメンタルズ及び望ましい政策と整合している」と指摘している。また、日本の経常収支黒字は企業貯蓄による要因が大きいほか、対外資産ポジションと純所得から生じる所得収支の黒字で、経常収支黒字の大部分が説明できるとしている。IMFによる経常収支・為替レート評価にかかる詳細は植田・服部(2018)を参照されたい。

4.おわりに

以上のようにIMFの対日4条協議では幅広い日本経済の問題について言及がなされている。もっとも、4条協議でフォーカスされていない重要な論点も数多く存在する点に注意が必要である。例えば、IMFは対日4条協議で我が国の公的債務残高の高さを指摘しているが、日本財政の特徴は、地方自治体に国が地方交付税を交付することで、自治体間の税収の格差を埋め、どこでも一定水準の行政サービスが維持できるようにする機能を有する点である。実際、中央政府の一般会計(2018年度予算)において、地方交付税交付金等は約16%を占めており、社会保障費に占める医療・介護費よりも高く、地方財政に焦点を当てた分析も必要であろう。また、対日4条協議では地域金融機関などを除き、地方経済にあまり触れられない傾向も指摘できる。IMFの評価が画一的な内容になりえることはしばしば指摘されるが、4条協議はIMFと加盟国政府の対話を促す場という側面も看過できない。それゆえ、これまでの4条協議で触れられてこなかった問題等にも着目し、特に日本の人口動態が経済に及ぼす影響を様々な角度から精査し、情報発信していくことが益々求められているのではないだろうか。それにより、日本政府の様々なチャレンジや政策における取組が4条協議報告書を通して浮き彫りにされ、産みの苦しみを味わう日本政府の政策づくりが世界にハイライトされるだろう。

参考文献

[1].井出穣治・児玉十代子(2014)「IMFと世界銀行の最前線」日本評論社

[2].植田健一・服部孝洋(2018)「IMFによる対外不均衡の評価について」ファイナンス 6月号,66-73.

[3].神田眞人(2017)「対日金融審査について」ファイナンス 9月号,54-63.

[4].千田正儀・鴨志田拓也(2017)「「Initiative for Macroeconomists of the Future:エコノミスト養成プログラム」について」ファイナンス10月号,15-18.

[5].服部孝洋(2018)「市場流動性の測定 ―日本国債市場を中心に」ファイナンス 2月号,67-76.

[6].Mariana Colacelli and Emilio Fernandez Corugedo. 2018. Macroeconomic Effects of Japan’s Demographics:Can Structural Reforms Reverse Them? IMF Working Paper.

*1) 本稿を作成するうえで、財務省 国際局 国際機構課 瀧村晴人総括補佐、西岡凌係長、国際局 総務課 徳岡喜一室長、大臣官房 総合政策課 上田淳二調整官、道上友里香係長、主計局 地方財政係 矢原雅文主査、財務総合政策研究所 林ひとみ主任研究官、IMFアジア太平洋事務所 鴨志田拓也エコノミストより有益な助言や示唆をいただいた。本稿の内容や意見は全て筆者の個人的な見解であり、筆者らが所属する組織の見解を示すものではない。

*2) 現在は財務省に所属。2015年から2018年までIMFアジア太平洋地域事務所にてエコノミストとして勤務。

*3) https://www.imf.org/ja/News/Articles/2017/07/31/pr17307-japan-imf-executive-board-concludes-2017-article-iv-consultationなどIMFウェブサイトなどを参照。

*4) https://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2018/11/27/Japan-2018-Article-IV-Consultation-Press-Release-Staff-Report-and-Statement-by-the-Executive-46394を参照。

*5) 本節の記述はhttps://www.imf.org/External/japanese/pubs/ft/whatj.pdfなどIMFウェブサイトの記載に基づいている。

*6) https://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/conditioj.htm等を参照。

*7) https://www.imf.org/ja/About/Factsheets/IMF-Surveillanceを参照。

*8) これまでの春季会合および年次総会についてはhttps://www.imf.org/external/am/index.htmを参照。

*9) フラッグシップ・パブリケーションの詳細はIMFウェブサイト(https://www.elibrary.imf.org/page/fa4)を参照されたい。

*10) IMFがサーベイランスを行う際は、「ファイナンシャル・プログラミング(Financial Programming, FP)」や「債務持続性可能性分析(Debt Sustainability Analysis, DSA)」など、IMFが開発した経済分析ツールが用いられるが、OAPはIMFが開発したツールを幅広く周知し、将来のエコノミストを養成するためにセミナーなどを実施している。主なコースはエコノミスト養成プログラムであり、国際協力機構(JICA)の宿泊施設を利用しての合宿形式で、元IMFエコノミストからマクロフレームについてレクチャーをするほか、グループディスカッションも行われる。昨年設立したばかりであるが受講生からは、IMFによるマクロ経済分析の手法について座学だけでなく、議論を通じて学ぶことができたなどの声を頂いている。関心のある方はOAPのホームページ(https://www.imf.org/ja/Countries/ResRep/OAP-Home)を参照されたい。なお、FPやDSAについてはIMFがOnline Learningを提供しているため、より詳細を知りたい方はそちらを参照されたい(https://www.imf.org/external/np/ins/english/learning.htm)

*11) 対外部門の安定性に関する報告書の詳細については植田・服部(2018)を参照されたい。

*12) 詳細はhttps://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2017/07/31/Japan-Financial-System-Stability-Assessment-45151を参照。日本語での解説については神田(2017)を参照のこと。

*13) 4条協議の具体的な内容について日本語で取り扱った書籍として井出・児玉(2014)などがある。

*14) IMFの組織の概要はhttps://www.imf.org/external/np/obp/orgcht.htmなどを参照のこと。

*15) https://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2018/11/27/Japan-2018-Article-IV-Consultation-Press-Release-Staff-Report-and-Statement-by-the-Executive-46394を参照のこと。

*16) 詳細はhttps://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2018/11/27/Japan-Selected-Issues-46401を参照されたい。

*17) 日本経済新聞(2016/6/20)「『物価目標、時期外すべき』IMF筆頭副専務理事」

*18) IMFは市場流動性の低下についても懸念を示している。詳細は服部(2018)を参照。

*19) 具体的には、人口動態の特徴を新たに追加したGlobal Integrated Monetary and Fiscal Model(GIMF)を用いた分析がなされている。詳細は2018年の4条協議報告書およびColacelli and Fernández Corugedo(2018)を参照のこと。

*20) 日本経済新聞(2018/11/29)「40年でGDP25%減 IMF、日本に構造改革促す」などを参照。

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