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特集:親子のふれあいを深め、広く社会を知る機会に「財務省こども霞が関見学デー」開催

「こども霞が関見学デー」は、府省庁等が連携して業務説明や省内見学などを行うことで、親子のふれあいを深めこども達が夏休みに広く社会を知る体験活動の機会とすると共に、府省庁等の施策に対する理解を深めてもらうことを目的として実施されるイベントである。

本年は、8月1日(水)、2日(木)の2日間に開催され、財務省(本省)においては、「副大臣へのこどもミニ記者会見」「麻薬探知犬を知ろう」「日本村の予算づくり」などを行うと共に、国立印刷局、造幣局への見学を行った。猛暑の中、1659名(こども940名、引率者719名)の参加を得た。両日の模様をレポートする。取材・文/向山勇、西村有樹

記者になって副大臣に質問しよう!

こども達が記者になり副大臣に質問をして、副大臣がそれに答えるミニ記者会見のコーナー。例年、好評を博しており、その様子を実際の新聞記者らが取材に来るなど、マスコミも注目している。

1日目は、うえの賢一郎副大臣、2日目は、木原稔副大臣が取材を受けた。会場は、大臣や副大臣が記者会見を行う記者会見室。会見用の椅子や壇上、マイク設備に興味津々のこども達。こども達からの素朴でありながら鋭い質問に、両副大臣は、優しく穏やかに、誠意をもって回答していた。

会見後は、それぞれの副大臣室を訪問。副大臣席にこどもが座り、親子一組ずつ副大臣と記念撮影を行った。こども達は、「記者みたいに質問できて良かった」「副大臣と直接話せて嬉しかった」と大満足。引率者からも「財務省のことを知るいい機会になった」など、親子共々、有意義な時間を過ごしたようだ。 以下に、こども達からの主な質問、両副大臣の回答を紹介する。

一問一答

うえの 賢一郎 副大臣 編

―Q 国に入るお金を増やすにはどんな方法がありますか?

「日本の経済がよくなると会社から国にお金が入ってきます。また働く人の収入が増えると、経済が良くなって日本の景気がよくなり、国に入るお金も増えていきます」

―Q 密輸入で没収されたものはその後どうなるのですか?

「世の中に出回っては大変ですから、そうならないようにきちんと処分をします」

―Q 国債が発行されて借金が増えています。少子高齢化が進むなか、どんな解決をしたらいいと思いますか?

「これから高齢化社会が本格化してさらにお金がかかるようになるので、出来るだけ早く借金を減らせるようにしたいと思っています。7年後ぐらいまでには入ってくるお金と出て行くお金がトントンになるようにやっているところです」

木原 稔 副大臣 編

―Q 副大臣の仕事はどんなところが楽しいですか?

「財務省の仕事は国民から税金でお金を預かって、そのお金を分配することです。公共機関の開発、被災地への救助活動、復旧など人に喜んでもらえる仕事をした時、そういう姿を見たり、聞いたりするとやってよかったなと感じます」

―Q 日本の借金は1千兆円超えと言われていますがなぜ破たんしないのですか?

「国と地方を合わせて約1千兆円の借金があります。その一方で貯金もあります。毎月の返済計画に沿って返済をしているので破たんしません。国際社会もそれを認めており、それが日本の信用に結びつき、破たんにならないのです」

―Q なぜ財務省の仕事が必要なのですか?

「国と国民を守るために、税金を徴収する組織が必要です。そのため財務省は必要な役所となります。みなさんの生活を守るためにも大切なお役所ということを知ってください」

「麻薬探知犬」を知ろう!

薬物の密輸入を防ぐため麻薬探知犬が活躍

海外からの訪日客を迎える空港や港で活躍する麻薬探知犬。空港では、旅客の預けた手荷物が貨物コンテナからターンテーブルに移される際に荷物に隠された麻薬等のにおいを嗅ぎつけ、また税関検査場内では旅客が麻薬等を持っていないか、チェックしている。

この日、財務省に訪れたのは麻薬探知犬訓練センター羽田事務所に所属する2頭の麻薬探知犬の「ラニ号」と「ドム号」。ハンドラーとペアで荷物を検査し、麻薬等のにおいがする荷物があるとその前に座り込む。すると、ご褒美としてハンドラーが持っているダミー(タオルを固く縛ったもの)で遊んでもらえるのだ。

最初に登場した「ラニ号」がデモンストレーションを実施。係員が「ラニ号」から見えないところで7,8個の荷物(段ボール箱)の中に麻薬のにおいが付いた段ボール箱一つを置いた。こども達がいる会場に入ってきた「ラニ号」はひとつずつ、荷物のにおいを嗅いでいく。すると、ひとつの荷物の前で座り、ハンドラーにアピール。見事に麻薬のにおいを嗅ぎ分けると、こども達から歓声があがった。

続けて、「ドム号」が登場。こども達が旅行客に扮し、その中の1人が麻薬のにおいがするバックを持った。「ドム号」がこども達に鼻先を近づけて、一人ずつにおいを嗅いでいくと…こちらも、麻薬のにおいを移したバックを持っていたこどもの前で座り、ハンドラーにアピール。その正確さにこども達は驚いた。その後、ダミーでハンドラーに“遊び”をねだる様子が見られた。麻薬探知犬にとって、ハンドラーとの“遊び”が報酬であり、それを求めて行動するのだという。その賢さ、正確さに、こども達は感心しきりだった。

写真 麻薬の臭いのする箱を嗅ぎ分け、ハンドラーに教える「ラニ号」

「財務省ってどんなところ?」

財務省の仕事を紹介。

クイズ形式、動画でどんな仕事をしているところか解説

こども霞が関見学デーでは財務省の仕事を知ってもらうため、こども達と保護者に向けてオリエンテーションを行った。職員が、「財務省の建物はいつできたでしょうか?」「財務省で働いている人は何人くらいでしょう?」といったクイズを出題していき、最初に財務省の概要を理解してもらう。

続けて、財務省の仕事内容をわかりやすくまとめた動画の上映会が行われた。国に入ってくるお金と出ていくお金の流れについての説明と社会保障費や地方への交付金、教育費などに必要となるお金についても理解を深めた。

財務省では主計局や主税局といった部局ごとに仕事内容が分かれていることを知ったこども達。特に、麻薬探知犬を導入している関税局の仕事内容には大いに興味を持っていた。水際で麻薬や拳銃などの密輸入を防ぐことで、犯罪を防止し、健康で安全な生活が実現していることを理解できたようだ。

写真 財務省の仕事についてパンフレットが配布され、自宅に帰ってからも親子で話しあえるきっかけとなった。

「日本村」の予算をつくろう!

こども達を日本村の財務大臣に任命!社会保障や公共事業など予算を組む

こども霞が関見学デーの期間中、2回にわたり、「日本村」の予算をつくろうと題したグループワーク(GW)が開催された。こども達が財務大臣となり、様々な視点から「日本村」の予算を組み立て、年間の予算づくりを体験する。

職員から「日本村」の説明を受けるところからスタート。日本村の人口や、年齢、男女比の説明を受ける。「人口100人のうち、こども13人、お年寄り27人、44人が仕事をしています」と、さながら日本の縮小版ともいえる人口比率だ。職業は農家、漁師、建築業、商店、飲食店、ITサービス、公務員といった内容で、それらに従事する人の割合についても、今の日本がモデルになっている。

「村の1年間の稼ぎは550万円です。村の稼ぎを増やすためにどうするか?また少子高齢化、人口減少といった課題にどのように取り組むか?村の未来を良くするために、そして自分達が住みたいと思える日本村の予算を作ってください」と職員から説明を受け、グループごとに予算づくりを開始。

こども達は「いまは平和だから防衛費を減らそう」「もっとお金が稼げるように産業を見直そう」といった意見を交換し、グループ内で意見をまとめると支給されたタブレットに入力。社会保障、地方交付金、公共事業、防衛、教育、科学技術の「歳出」、所得税、消費税、法人税の「歳入」をそれぞれ「増やす」「現状維持」「減らす」を悩みながら決定し、予算を組み立てていった。タブレットに数値を入力するとグラフ化され、予算の中身が一目でわかる仕組みだ。

GWの終盤では、グループごとに前に出てきて、自分達で作った予算をプロジェクターで映し出し、どのような考えで予算を組み立てたのか発表した。それに対してほかの班から感想や質問があり、活発な意見のやりとりも見られた。

こども達は、予算づくりを通じて、身近でありながら意外と知らない税金や財政、また労働人口や社会保障などについても理解を深めた。

写真 職員から「これといった正解はありませんので、自由な発想で予算を組み立ててみましょう」と説明があった。

写真 グループ内で話し合い、歳入と歳出のバランスを見ながら、予算を組み立てていく。

写真 GWの終盤ではグループごとに自分達で作った予算を説明。それについての質問も多く投げかけられ、懸命にこたえようとする姿が印象的だった。

国立印刷局工場見学

はっけん! お札の秘密

お札の歴史から製造工程、偽造防止の技術まで見学

「こども霞が関見学デー」の期間中、国立印刷局東京工場(北区西ヶ原)では、「はっけん! お札の秘密〜国立印刷局工場見学〜」をテーマに4回にわたって見学会が開催された。

参加者は受付を済ませると、フォークリフトも乗り込みが可能な巨大エレベーターで見学会場へ。まずは、国立印刷局のキャラクター「100メンサツ」が登場するDVDで国立印刷局の仕事を視聴した。

その後は展示室と工場見学へ。工場へ移動途中には、お札の原料となる植物「みつまた」や初代印刷局長の得能良介像を見学。工場では廊下の見学スペースからガラス越しに、お札の表裏印刷、記番号印刷、ホログラム貼付の3つの工程を見学した。

工場では、参加者から次々と質問が飛び出した。国立印刷局では日銀からの注文に応じてお札を印刷することを知ったこどもからは「日銀からはいつ注文が来るんですか?」との質問があり「注文は1年間分がまとめてきます。今年は約30億枚です」と職員が答えたり、「お札は何色で印刷しますか」との問いには「表が14色で裏が7色」と答える場面もあった。

展示室では、お札の製造工程や偽造防止技術について、パネルや体験装置で体験。また、国立印刷局では、お札だけなく、旅券(パスポート)や郵便切手、印紙・証紙など、さまざまなものを印刷していることを知るきっかけにもなった。

写真 ▲見学の前に「100メンサツ」が登場するDVD「おしえて! 100メンサツ」でお札のデザインやお札の技術、製造工程などを学んだ。

展示室見学

写真 ▲1億円の重さは約10kg。 両手に力を込めて「さあ持てるかな?」

写真 ▲展示室の入口では、「100メンサツ」と執事の「おおとり丸」がお出迎え。

写真 ▼お札表面の印章部分などには、特殊発光インキが使われている。紫外線(UV)を当て発光する様子を熱心に覗き込む。

写真 ▲国立印刷局の前身である大蔵省(おおくらしょう)紙幣司(しへいし)は明治4(1871)年に創設された。歴史やお札の製造工程について職員から説明を受けるこども達。

写真 ▲お札の秘密は、こども達だけでなく大人も興味津々。 職員の説明を聞いてメモをとったり、熱心に聞き入ったりする場面も。

写真 ▲展示室には巨大な一万円札も。お札には、さまざまな秘密が隠されている。拡大してみると、さまざまな部分にマイクロ文字が印刷されている。スキャナやコピー機では再現できないので偽造防止に役立つ。

写真 ▲一度興味を持つと、こども達の集中力は計り知れない。休憩時間もパンフレットに見入る。

写真 ▲お札の印刷には凹版印刷が利用されている。溝の部分にインキを詰めて、圧力をかけて紙に転写するので線の1本、1本が盛り上がっている。その印刷技術に実際に触れて感触を確かめた。

写真 ▲巨大な1000円札、5000円札、1万円札がプリントされたパネルの前で記念撮影。

サイトでもお札のことが学べる

写真 国立印刷局のサイトでもお札の歴史や製造工程を学ぶことができる。「おしえて100メンサツ」のページ(http://www.npb.go.jp/ja/kids/)で気になるものを選んでみよう。

国立印刷局 見学ガイド

国立印刷局では、全国4カ所にある、東京、小田原、静岡、彦根の各工場で見学を受け付けている。お札の製造現場の見学をしたり、映像やパネル展示、体験装置を通じて、お札について楽しく学んだりすることができる。見学可能日時は工場によって異なるので、国立印刷局のサイトで確認を。

詳細は下記のサイトから

http://www.npb.go.jp/ja/event/kengaku.html

造幣局さいたま支局工場・博物館見学

ぞうへいきょく探検隊!

プルーフ貨幣の製造工程を見学やコインをデザインし缶バッチ作成も

造幣局さいたま支局では、「こども霞が関見学デー」の期間中に「ぞうへいきょく探検隊!」をテーマに計2回の見学、体験会が開催された。

見学ではまず、造幣局の事業を紹介したDVDを視聴、その後は工場へ移動して、さいたま支局で主に製造しているプルーフ貨幣の製造工程を見学した。プルーフ貨幣は、表面を鏡のように磨いたコインで、収集家向けに長く保有するのに適している。実際に作業を行う職員の姿をガラスで隔てられた通路から見学することができ、参加者は、はじめてみる光景に見入っていた。あまりの熱心さに「ガラスに頭をぶつけないように注意してくださいね」と職員から声をかけられる一幕もあった。

工場見学の後は博物館へ。博物館では日本の貨幣の歴史や貨幣の製造工程、記念貨幣などを見学した。日本の勲章を展示したコーナーもあり、こどもだけなく大人も熱心に見入っていた。

見学終了後は、ビデオルームで古銭に触れる体験と缶バッチの制作へ。こども達が考えたコインのデザインを用紙に描くと、そのまま缶バッチに。楽しい見学会となった。

写真 ▲博物館のエントランスには、貨幣セットやおみやげなどを購入できる「ミントショップ」がある。

写真 ▲造幣局さいたま支局は平成28年10月に完成。まだ新しい建物が見学者を出迎え。

工場見学

写真 ▲プルーフ貨幣の製造工程について職員から説明を受けるこども達。ガラスの向こう側では、実際に貨幣の製造が行われている。

写真 ▲プルーフ貨幣の製造工程では、磨き上げた円形(貨幣に模様を圧印する前の貨幣の形に打ち抜かれた金属板)に、圧印して貨幣の模様をつける様子を見学できる。

写真 ▼勲章には七宝も使われている。「ゆう薬」を盛り付け、電気炉で焼き付けた後、表面を砥石で磨き上げる。七宝の展示品に見入るこども達。

博物館見学

写真 ▲現在、日本最古の貨幣と言われているのが「富本銭」で飛鳥時代(683年)に作られたと考えられている。展示室では、日本の貨幣の歴史を学ぶことができる。

写真 ▲貨幣の元となる円形は、貨幣の厚みに仕上がった金属板(圧延板)を打ち抜いて作られる。

写真 ▲勲章のコーナーでは、その美しさに大人も見入る。

写真 ▲造幣局で製作されている勲章の数々。

写真 ▲勲章の中でもひときわ目を引く「大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく)」。勲章の中で最高位に位置する。頸飾とは首飾りのことで日本の勲章では、大勲位菊花章頸飾のみ。

古銭体験/缶バッチづくり

写真 ▲古銭に触れる体験では、匂いを確かめる場面も。

写真 ▲古銭を実際に手に取って重さや手触りを体験。

写真 ▲コインのデザインに見立てて、自分の好きな絵を描き、オリジナル缶バッチを作成。

造幣局 見学ガイド

造幣局では、大阪、さいたま、広島の3カ所で工場、博物館、展示室の見学を受け付けている。また、本局(大阪)と広島支局では、毎年桜の時期に敷地内の桜の花を楽しむことができる

イベントも開催。詳細は造幣局のサイトでご確認を。

詳細は下記のサイトから

https://www.mint.go.jp/

財務省の政策