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特集 消費税軽減税率制度、インボイス制度が実施されます!

主税局税制第二課課長補佐 加藤博之

消費税「軽減税率制度」は、消費税率10%への引上げに伴う低所得者への配慮の策として、飲食料品*1と一定の新聞の譲渡を対象に2019年10月より実施され、「軽減税率制度」の実施から4年後の2023年10月からは複数税率に対応した仕入税額控除の方式として「適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)」が導入されることになります。

今回はこれらの制度について、導入の背景やその内容を分かりやすく説明します。なお、文中、意見等にわたる部分は筆者の個人的見解であることを予めお断りしておきます。

1 消費税率の引上げと軽減税率制度等の実施

2012年8月、いわゆる税制抜本改革法*2が公布されました。この法律は、少子高齢化が急速に進み、社会経済状況が大きく変化する中で、世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することが我が国の直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障の充実・安定化と財政健全化の同時達成(社会保障と税の一体改革)を目指す観点から消費税法を改正し、消費税収の使途を「制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費」(社会保障4経費)に充てることを明確化するとともに、消費税率を10%へと引き上げること等を内容としています。

ところで、消費税は、「消費一般に対して広く負担を求めることにより、同等の負担能力を持つ者には、同等の税負担を求めるべき」という税負担の水平的公平性の確保に資するという性質を有しているため、消費水準に対応した税負担となります。したがって、消費税の負担額は高所得者ほど高くなりますが、収入に占める消費税の負担割合は低所得者ほど高いとされています(いわゆる逆進性)。

こうした消費税の性質(逆進性)に鑑み、税制抜本改革法第7条においては、消費税率の引上げに伴い、低所得者への配慮の策を検討することとされており、これを踏まえ、2016年3月に公布された法律において、消費税及び地方消費税の税率10%への引上げに伴う低所得者対策として消費税の「軽減税率制度」が導入されたほか、複数税率制度の下で適正な課税を確保するための仕組みである「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が導入されました。

2 軽減税率制度の概要

2019年10月1日の消費税率の8%から10%への引上げと同時に、低所得者の方への配慮として、飲食料品と一定の新聞の譲渡を対象に消費税「軽減税率制度」が実施されます。

軽減税率制度の下では、消費税と地方消費税を合わせた税率は標準税率10%と軽減税率8%となります。なお、現在の税率も8%(国:6.3%、地方:1.7%)ですが、軽減税率の8%(国:6.24%、地方:1.76%)とは、消費税率と地方消費税率の内訳が異なっています。このため、標準税率と軽減税率を分けて記帳するなど区分経理を行う必要があるほか、特に消費税率引上げ時期である2019年10月1日をまたぐ期の経理処理においては、現行の8%分と軽減税率分を区分しておく必要があります。

3 軽減税率の対象品目

軽減税率の対象品目は、酒類・外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される新聞のうち、定期購読契約に基づくものです。

(1)飲食料品

軽減税率の適用対象となる「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品、すなわち人の飲用又は食用に供されるものをいいます。

また、酒税法に規定する「酒類」は、軽減税率の適用対象となる飲食料品から除かれているため、「医薬品・医薬部外品等」は、食品表示法上の食品に該当しないため、それぞれ軽減税率の適用対象外となります。

(2)外食、ケータリング

「外食」*3や「ケータリング」*4は、軽減税率の適用対象となりません。

「外食」は消費税負担が逆進的とは言えないことや諸外国においても軽減税率の適用対象外とされている事例が多く見受けられることから軽減税率の適用対象外とされています。また、「ケータリング」について、典型的な例としては、企業が会議室等でパーティーを行う場合に、その会場で料理を加熱、配膳し、提供する事例がありますが、これは飲食料品を飲食させるサービスであり、外食と同様、軽減税率の適用対象外とされています。

ただし、「ケータリング」のうち、有料老人ホーム等で提供される飲食料品や学校給食などは、一定の要件のもと軽減税率の適用対象とされています。なぜなら、こうした飲食料品の提供は、原則、通常のケータリングサービスのようにその都度自らの選択で受けるものではなく、日常生活や学校生活を営む場において他の形態で食事をとることが困難で施設の設置者等が提供する飲食料品を食べざるを得ないという面があるためです。

(3)テイクアウト、出前・配達

飲食店における飲食料品の提供形態には、その場で顧客に飲食させる「外食」だけではなく、「テイクアウト」(持帰り販売)や「出前」・「配達」のようなケースもあります。

こうした「テイクアウト」や「出前」・「配達」は、単なる飲食料品の販売と言えます。したがって、飲食店が行う飲食料品の提供であっても、「テイクアウト」や「出前」・「配達」は軽減税率が適用されます。

(4)一体資産

おもちゃ付きのお菓子や紅茶とティーカップのセットなど、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっており、その一体となっている資産の価格のみが提示されているもの(「一体資産」)については、原則として標準税率の適用対象となりますが、一定の要件(税抜価額が1万円以下で、食品の価額の占める割合が3分の2以上)を満たすものは全体が軽減税率の適用対象となります。

(5)包装容器等

通常、食品や飲料を販売する場合、容器や包装材料を使用します。例えば、ペットボトルに入ったお茶を販売する際に使用されるペットボトルなど、飲食料品の販売に際し使用される容器及び包装材料が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該容器や包装材料も含め「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

なお、陶磁器やガラス食器等の容器のように飲食の用に供された後において食器や装飾品として利用できるものを食品と組み合わせてあらかじめ一の商品として価格を提示し販売している場合には、上記(4)の「一体資産」に該当します。

(6)新聞

軽減税率の適用対象となる新聞とは、定期購読契約に基づき購読される、一定の題号を用い、一般社会的事実を掲載する新聞で、週2回以上発行されるものとなります。一般家庭などに配達される日刊新聞等が軽減税率の適用対象となります。

このほか、いわゆるスポーツ新聞や業界紙も、その新聞が週2回以上発行されるものであり、定期購読契約で購入しているのであれば、軽減税率の適用対象となります。

(7)軽減税率を判断する者とそのタイミング

軽減税率の適用対象となる範囲は上述のとおりですが、この軽減税率が適用されるか否かの判断は「販売者(売り手)」が「販売する時点」で行うことになります。したがって、例えば、精肉店が、食材(例えば牛肉)をレストラン(レストランでは全て標準税率となる「外食」で飲食料品を提供)に対して販売した場合の適用税率については、「買い手」であるレストランが、その牛肉をどのような用途に使用するかは関係なく、「売り手」が牛肉を販売する時点で判断すればよいこととなります(したがって、この精肉店からレストランへ行った牛肉の販売取引は軽減税率の適用対象となります)。

4 区分記載請求書等保存方式

(1)帳簿及び請求書等の記載と保存

2019年10月1日から2023年9月30日までの4年間、仕入税額控除の方式について現行の「請求書等保存方式」に代り「区分記載請求書等保存方式」が実施されます。なお、後述しますが、2023年10月1日以降は、仕入税額控除の方式として「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が実施されます。

現行制度において、課税事業者の方は、原則として、法令に規定された事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされています。

軽減税率が実施される2019年10月1日以降は、現在、保存していただいている帳簿及び請求書等に、区分経理に対応するための記載事項が追加されます。これを「区分記載請求書等保存方式」と呼んでいます。

「区分記載請求書等」とは、現行の「請求書等保存方式」における、請求書等の記載事項に追加して「軽減税率の対象品目である旨」と「税率ごとに合計した税込対価の額」が記載されたものをいいます。

期 間 帳簿への記載事項 請求書等への記載事項

2019年9月30日まで

【現行制度】 ●課税仕入れの相手方の氏名又は名称

●取引年月日

●取引の内容

●対価の額 ●請求書発行者の氏名又は名称

●取引年月日

●取引の内容

●対価の額

●請求書受領者の氏名又は名称※

2019年10月1日から2023年9月30日まで

【区分記載請求書等保存方式】 (上記に加え)

●軽減税率の対象品目である旨 (上記に加え)

●軽減税率の対象品目である旨

●税率ごとに合計した税込対価の額

具体的な区分記載請求書等の記載例は次の図をご覧ください。

区分記載請求書について、1つの書類で記載事項を満たす必要はなく、例えば請求書と日々の取引内容について記載された納品書など、相互の関連性が明確で、かつ、これらの書類全体で、区分記載請求書等の記載事項を満たせば、これらの書類をまとめて保存することで仕入税額控除の請求書等の保存要件を満たすこととなります。

なお、課税事業者が受領した区分記載請求書に、「軽減税率の対象品目である旨」と「税率ごとに合計した税込対価の額」の記載がない場合であっても、請求書等の交付を受けた事業者側が取引の事実に基づき自ら「追記」して、仕入税額控除を行うことができます。

また、現行同様、必要事項が記載されていれば、請求書でなくとも領収書やレシートも「区分記載請求書等」として認められ、取引額が3万円未満の場合や、自動販売機で購入した場合など請求書等の交付を受けることが困難な場合には、これらの事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。

次に帳簿の記載方法ですが、次の図の総勘定元帳にあるとおり、現行の記載事項に加え、売り手・買い手の双方で「軽減税率の対象品目である旨」の記載が必要となります。

「軽減税率の対象品目である旨」の記載については、区分記載請求書等と同様に、軽減税率の適用対象を示す記号(「※」や「★」など)等を記載する方法がありますが、この他に、税率区分欄を設けて、税率を記載することや、税率コードを記載する方法もあります。なお、帳簿への取引内容の記載は、商品の一般的総称でまとめて記載するなど、申告時に帳簿に基づいて消費税額を計算できる程度の記載で差し支えありません(例えば、割り箸→雑貨、中華めん・なると→食料品)。

(2)消費税額の計算

軽減税率制度実施後も消費税額の計算方法は変わりませんが、消費税率が軽減税率と標準税率の2つの税率となることから、売上げと仕入れを税率ごとに区分して、税額計算を行う必要があります。

なお、売上税額よりも仕入税額が大きくなった場合には、その差額については、申告することにより還付されることになります。例えば、8%対象の売上げと10%の仕入れがあり、結果として、仕入税額の総額が、売上税額の総額よりも大きくなるときは、申告によりその差額(マイナスとなった消費税額相当分)が還付されます。

(3)中小事業者の税額計算の特例

軽減税率制度実施後は、消費税額は税率ごとに計算しますが、一方で、受発注システムの改修が間に合わない等の様々な理由から、税率ごとに売上げや仕入れを区分することにつき困難な事情がある中小事業者*5の方については、簡便に税率ごとの区分ができるよう、軽減税率制度実施後、一定期間、税額計算の特例を適用することができます。

ア 売上税額の計算特例

売上げを税率ごとに区分することが困難な中小事業者の方は、2019年10月1日から2023年9月30日までの期間、売上げの一定割合を軽減税率対象品目の売上げとして、売上税額を計算できる特例が設けられており、この割合の計算方法として、当ページ下部の図表A ○売上税額の計算特例の3つの方法に記載した3つの方法があります。

イ 仕入税額の計算特例

仕入れを税率ごとに区分することが困難な中小事業者の方には、仕入税額の計算特例として大きく分けて2つの特例が設けられています(次ページ図表B ○仕入税額の計算特例の2つの方法参照)。

1つ目の方法として、売上げを税率ごとに管理することができる卸売業や小売業を営む中小事業者の方は、2019年10月1日から2020年9月30日を含む課税期間の末日までの期間、仕入れの一定割合を、軽減税率対象品目の仕入れとして、仕入税額を計算することができます。

2つ目の方法として、1つ目の特例を適用しない、又は、適用できない(卸売業や小売業以外の事業を営む)中小事業者の方は、2019年10月1日から2020年9月30日までの日を含む課税期間、簡易課税制度の適用に関する特例が設けられています。今回の特例では、簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間中に届出書を提出すれば、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。

5 適格請求書等保存方式

(インボイス制度)

複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、2023年10月1日からインボイス制度が実施されます。

インボイス制度の下では、上述の区分記載請求書に代えて、「適格請求書」(インボイス)等と帳簿の保存が仕入税額控除の要件となります。

(1) 適格請求書発行事業者登録制度

インボイス制度においては、仕入税額控除の要件として、原則、適格請求書発行事業者から交付を受けたインボイスの保存が必要になります。

インボイスとは、「売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)をいいます(様式・名称は問いません)。具体的な記載事項等は後述します。

●現行消費税制度における「請求書等」と「インボイス」の違い

ポイント1 インボイスは適格請求書発行事業者しか発行できません

インボイスは、税務署長から登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)しか発行することができません(したがって、免税事業者は、インボイスを発行できません)。

ポイント2 インボイスは発行する義務が生じます

売り手である適格請求書発行事業者は、買い手(事業者)から求められた場合、インボイスを発行する義務が生じます。この点、現行制度(消費税法上)における請求書等は、消費税法上、発行義務はありません。

ポイント3 消費税率、消費税額等を明記する必要があります

インボイスには「消費税率」、「消費税額等」を明記する必要があります。この点、現行制度(消費税法上)における請求書等にはこれらの事項を記載する必要はありません。

ポイント4 仕入税額控除を行うために保存すべき書類(請求書等)の範囲に電子データが加わります

現行制度(消費税法上)において、請求書等を電磁的記録(電子データ)で受け取った場合、それを保存しておかなくても仕入税額控除ができるという取扱いを行っていますが、インボイス制度後、仕入税額控除を行うためにはこの電子データ(いわゆる電子インボイス)を保存しておく必要があります。

インボイスを発行しようとする課税事業者は、納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者の登録を受ける必要があります。この申請書は、インボイス制度実施の2年前である2021年10月1日から提出することができます。

申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、事業者に対して、その旨を書面で通知することとされています。その際、登録番号が通知されることになりますが、通知される「登録番号」の構成は、法人番号を有する法人の場合は「T+法人番号」、個人事業者の場合は「T+13桁の数字」となります。

また、事業者が取引の相手方から交付を受けた請求書等がインボイスに該当することを客観的に確認できるよう、適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項については、インターネットを通じて公表されます。

インボイスの記載事項は、区分記載請求書の記載事項に加え、「登録番号」、「適用税率」、「消費税額等」が必要となります。

ただし、小売業、飲食店業、タクシー業等の不特定多数の者に対して課税資産の譲渡等を行う事業については、インボイスの記載事項を簡易なものとした(次の事項を記載した)適格簡易請求書(簡易インボイス)を交付することができます。

また、インボイスについて、1つの書類で記載事項を満たす必要はなく、例えば請求書と日々の取引内容について記載された納品書など、相互の関連性が明確で、かつ、これらの書類全体で、インボイスの記載事項を満たせば、これらの書類をまとめて保存することで仕入税額控除の請求書等の保存要件を満たすこととなります。

(2)適格請求書発行事業者(売り手)の義務等

適格請求書発行事業者には、次の義務が課されます。

ア 国内において、課税資産の譲渡等を行った場合には、インボイスを交付する義務(課税事業者である相手方からインボイスの交付を求められた場合に限ります)

(注)軽減税率対象品目の販売の有無にかかわらず、インボイスを交付する義務があります。

イ 課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合には、適格返還請求書(返還インボイス)を交付する義務

ウ 交付したインボイスや簡易インボイス、返還インボイスの記載事項に誤りがあった場合には、これらの書類を交付した相手方に対して、修正したインボイスや簡易インボイス、返還インボイスを交付する義務

エ 交付した上記ア〜ウの書類の写しを保存する義務

(注)上記ア〜ウの書類に代えてこれらの書類に記載すべき事項に係る電子データを相手方に提供することもできます。その場合、提供した電子データを保存する義務があります。

ただし、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、インボイスを交付することが困難な、次の取引については、インボイスの交付義務が免除されます。

a 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス、鉄道)による旅客の運送

b 出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)

c 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)

d 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる販売

e 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

なお、媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等)を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者・媒介者等の双方が適格請求書発行事業者であり、委託者が適格請求書発行事業者である旨を媒介者等に事前に通知している場合には、媒介者等が自己の氏名等及び登録番号を記載したインボイスを交付することを可能とする特例(媒介者交付特例)が設けられています。

(3)仕入税額控除の要件(買い手の注意点)

インボイス制度の下では、一定の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。

保存すべき帳簿の記載事項については先述(4(1))した、区分記載請求書等保存方式の下での記載事項と同様です。

保存すべき請求書等には、インボイスのほか、次の書類等も含まれます。

ア 簡易インボイス

イ インボイスや簡易インボイスの記載事項に係る電子データ

ウ インボイスの記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類(相手方の確認を受けたものに限ります。)(書類に記載すべき事項に係る電子データを含みます。)

エ 次の取引について、媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類(書類に記載すべき事項に係る電子データを含みます。)

●卸売市場において出荷者から委託を受けて行われる生鮮食料品等の販売

●農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等が出荷者(組合員等)から委託を受けて行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式によるものに限ります。)

なお、請求書等の交付を受けることが困難な、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

a インボイスの交付義務が免除される、上記(2)aの3万円未満の公共交通機関による旅客の運送

b 簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(aに該当するものを除きます)

c 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む事業者による適格請求書発行事業者でない者からの古物(※)、質物(※)又は建物(※)の購入

d 適格請求書発行事業者でない者から再生資源(※)又は再生部品(※)の購入

e インボイスの交付義務が免除される、上記(2)dの3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの購入

f インボイスの交付義務が免除される、上記(2)eの郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります)

g 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

※買い手の棚卸資産として購入する場合に限ります。

(4)免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

2023年10月1日以降は、免税事業者などの適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは仕入税額控除を行うことができなくなりますが、このような課税仕入れであっても、区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等を保存していれば、

2023年10月1日からの3年間は、仕入税額相当額の80%

2026年10月1日からの3年間は、仕入税額相当額の50%

を仕入税額として控除することができる経過措置が設けられています。

(5)税額計算の方法

2023年10月1日以降の売上税額及び仕入税額の計算はそれぞれ次のア又はイを選択できます。

ア インボイスに記載のある消費税額等を積み上げて計算する「積上げ計算」

イ 適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する「割戻し計算」

(注)売上税額について積上げ計算を選択できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。

ただし、売上税額を「積上げ計算」により計算する場合には、仕入税額も「積上げ計算」により計算しなければならず、仕入税額を「割戻し計算」することは出来ません。適用できる計算方法の組み合わせをまとめると以下のようになります。

売上税額

割戻し 積上げ

仕入

税額 割戻し ○ ×

積上げ ○ ○

6 軽減税率制度実施後の価格表示

課税事業者が消費者に対して商品等の価格をあらかじめ表示する場合は、税込価格を表示すること(総額表示)が義務付けられています。

軽減税率制度実施後は、例えばイートインスペースがある小売店等の事業者などは、同一の飲食料品の販売につき適用される消費税率が異なる場合が想定されます。

このような場合の価格表示の方法については、消費者庁等から公表されている「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」に示されており、例えば、次の方法があります。

≪参考≫税抜価格による表示

2021年3月31日までは、誤認防止措置を講じている場合に限り税抜価格による表示も認められます。

7 軽減税率対策補助金

軽減税率制度への対応のために、レジの入れ替え等が必要な中小事業者の方には、「軽減税率対策補助金」による支援制度が設けられています。

軽減税率制度への対応が必要となる中小企業・小規模事業者の方には、複数税率対応レジの導入・改修や受発注システムの改修・入替の対応のため、中小企業庁により、補助金制度が準備されています。

軽減税率対策補助金事務局

URL http://kzt-hojo.jp

専用ダイヤル 0570-081-222

【受付時間】9:00〜17:00(土日祝除く)

8 おわりに

政府としては「軽減税率制度」の円滑な実施に向けて、事業者の準備を促すため、周知・広報等にしっかり取り組むことが重要だと考えています。このため、これまで「軽減税率制度」や「インボイス制度」についてのQ&Aを公表するとともに、商工会などの事業者団体等とも連携の上、2016年4月以降、約2万2千回の説明会等を実施し、のべ62万者程度の事業者に参加いただいています。さらに、事業者の対応を円滑に進める観点から「軽減税率対策補助金」の期限を2019年9月30日まで延長*6したところです(いずれも2018年4月末日現在)。

今後も引き続き事業者の準備状況を把握しつつ、円滑な実施に向け万全の準備を進めてまいります。

≪参考≫税務署が開催する消費税軽減税率制度の説明会予定(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/06.htm

図表 軽減税率の対象となる飲食料品の範囲

図表 記帳イメージ

図表 適格請求書発行事業者の申請から登録まで

図表 インボイスのイメージ

図表 簡易インボイスのイメージ

図表 イートインスペースがある小売店の価格表示の例

図表 軽減税率対策補助金の申請件数(累積/件)

*1) 「飲食料品」とは食品表示法に規定する「食品」(酒税法に規定する酒類を除く)をいいます。

*2) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)

*3) 「外食」とは、飲食店業等を営む者がテーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において、飲食料品を飲食させるサービスをいいます。

*4) 「ケータリング」とは、相手方の指定した場所で行う加熱、調理又は給仕等のサービスを伴う飲食料品の提供をいいます。

*5) 中小事業者とは、基準期間(法人:前々事業年度、個人:前々年)における課税売上高が5,000万円以下の事業者をいいます。

*6) 延長前の期限は2018年1月31日でした。

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