【冒頭発言】
【質疑応答】
問)国会の議論が本格化していますが、金融所得課税や四半期開示の見直し、自社株買い規制など、投資家からは政権の経済政策に批判の声が聞かれ、アメリカの金融政策の引き締めによる日本の株安が岸田ショックと揶揄されているほどです。大臣はこうした投資家の声をどう受け止め、総理とはマーケットの懸念について議論されていますか。特に金融所得課税の見直しでは公平性、格差是正が前提ならば大衆増税にならないことや税収対策にしないことを最低限明確化すべきという意見がありますが、どう考えますか。
答)まず投資家の声の受け止めでございますが、株価は、内外経済や金融市場の動向、個別企業をめぐる動きなどを背景に、様々な投資家の思惑によって変動するものであります。そのため、日々の動きやその要因と言われていることにつきましては、一喜一憂しないことが重要だと考えています。
いずれにいたしましても、金融庁としては、四半期開示の見直し等の「新しい資本主義」に関する政策について、投資家や企業など様々な関係者のご意見をよく伺いながら、丁寧に議論を進めていきたいと思っております。
そして岸田総理とのやりとりに関しましては、政府内での議論についてでありますのでコメントすることは差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、「新しい資本主義」の実現に向けて、政府一体となって政策を進めていくことが重要であると思います。
それから最後に、金融所得に対する課税のあり方につきましては、令和4年度の与党税制改正大綱において、高所得者層において、所得税負担率が低下する状況を是正し、税負担の公平性を確保する観点から検討する必要がある、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ、総合的に検討を行う、こととされているところであります。ご指摘のような課税のあり方や目的等の論点を含めまして、様々なご意見があるものと思っておりますので、国民の様々なご意見を踏まえながら、今後、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくものと考えております。
(以上)