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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年11月2日(火曜日))

【質疑応答】

問)経済対策についてお伺いいたします。岸田首相は昨日の記者会見で家計向けの給付金について非正規・子育て世帯などで生活にお困りの方へプッシュ型の給付金を盛り込むと発言されました。公明党が主張する高校生までの一律給付については重なる部分を中心にできるだけ調整をした上で支給の範囲を確定するともおっしゃいました。公明党案の一律給付は困窮していない富裕層にも現金を配ることになりますが、大臣はその是非についてどうお考えでしょうか。また、非正規への支給というのは制度的に可能だと見ていらっしゃいますでしょうか。

答)昨日、総理が記者会見で述べられたように新型コロナの影響によりまして苦しんでおられます非正規・子育て世代などのお困りの方に対して、いわゆる「プッシュ型」により早く給付を行うというご発言がございましたが、私もそのように重要なことであると考えております。ご質問にあります制度的にどうなのかというお話でございますが、具体的な対応策につきましては経済対策の検討を進める中で、まず与党ともよく調整しながら今後考えていきたい、検討していきたいと思います。

問)防衛予算についてお伺いします。自民党は防衛力の大幅な強化であったり、対GDP比での防衛費の増額を目指すといった公約を掲げて、先の衆院選で信任を得ました。一方でその財源については明確ではなく、税収比で現在の防衛費を見れば諸外国と遜色がないといった指摘もあります。鈴木大臣にお伺いします。防衛費の増額の在り方について財源の問題も含めてどうお考えになるか、ご認識をお伺いします。

答)まず我が国を取り巻く安全保障環境、それは厳しさを増しているということはご理解をいただいているところだと思います。こうした状況を踏まえまして真に実効的な防衛態勢を着実に構築していくということが急務でございます。今ご質問の中にもございましたけれども、現行の中期防に基づきまして防衛予算は毎年度、他の分野よりも手厚く増額をしている、増額を確保しているというところでございます。限られた財政資源を最大限に生かすためにも規模ありきの議論ではなくて変化する国際状況も踏まえつつ、具体的な戦略、作戦、戦術、これを裏付ける装備品の在り方など、地に足のついた議論を積み上げることが重要であると思ってございます。初めに何か財政的な規模ありきで考えるのではなくて、必要なもの、質の高い防衛力というものを整備するという意味合いで積み上げて考えていく必要があるのだと思います。

問)ESG国債についての質問です。パンデミックを経験する中で、特に海外で、欧州を中心にドイツでは昨年初めてESG国債が発行されたのですが、日本についてそのような考えがあるかを大臣にお伺いしたいです。特に昨日、岸田総理の話でも経済対策の中でEVとかクリーンな分野にも投資されるとおっしゃっていたので、その財源確保とも関連してコメントいただけると助かります。お願いします。

答)今のところ、事務方から具体的にESG国債の発行についての報告、話はまだ聞いてございません。これからの議論であると思います。

問)為替の状況について、一般論で結構なのですけれども、足元で今朝は114円台で動いておりますが、年内に115円まで行くのではないかと見ている市場のエコノミストの方もおります。先月末の日銀の会合で黒田総裁、今の円安は悪い円安ではなくて、総じて言えばプラスの方向に行っているというような発言をされたのですけれども、改めて鈴木財務相の今の為替水準に対する認識と、もし115円まで行くとしたらどういうような影響があり得るかについて、お考えをお聞かせください。

答)円安が進行してございますが、財務大臣としての私の発言が何かそうした市場に影響を与えてはいけないということでありますので、足元の為替の水準等についてコメントは差し控えたいと思います。いずれにいたしましても為替が安定するということが重要であると、こういうふうに基本的に認識をいたしておりますので、引き続き為替市場の動向をしっかり注視していきたいと思っております。

問)大臣この度10回目の当選おめでとうございます。改めて今後の大臣としての仕事にも大きな期待が寄せられた結果だと思いますので抱負をお願いしたいのが1点と、一方で地元・岩手県では自民党の議席が1減という厳しい結果になりまして、党全体でも15議席減ということになりました。こちらの受止めについてもお願いいたします。

答)おかげさまで総選挙、何とか勝ち抜かさせていただきました。見通しとしてはこのまま財務大臣の職にとどまるのだろうと、こう思ってございますので、財務大臣としての職をしっかりやっていきたいと思います。当面は経済対策を総理の指示に基づく中でしっかりやってまいりたいと思います。そして補正予算、それから来年度の予算編成、なかなか財政需要が大きいものもございますけれども、一方において財政規律を守りながらメリハリの効いた予算をつくって、財政規律を堅持しながらも質の高い予算というものをつくっていければなと思ってございます。それから岩手県内の議席のことについてでございますが、数においては比例復活を含めまして1議席減ということですが、小選挙区では3つの選挙区のうち2つ自民党が確保して、質の面におきましては大変大きく前進することができたのではないかなと、そういうふうに思っています。

(以上)