このページの本文へ移動

麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年8月3日(火曜日))

【質疑応答】

問)先週、国立公文書館開館50周年記念式典の動画が公開されました。この中で記念講演した福田康夫元総理が財務省の改ざん問題に触れて、行政的には決着したと言われているが、そう簡単に決着したということで割り切れるかどうか、これは政治としてもよく考えていかなければいけないと思うと発言しています。改ざん問題は決着していないのではないかと疑問を投げかけるような元総理の発言だと思いますけれども大臣はどのように考えるか、ご見解をお尋ねします。

答)改ざん問題は極めてゆゆしき事態と最初から申し上げましたし、甚だ遺憾でありお詫びを申し上げると何回となくお答えしています。財務省としてはこの話が出て以来、責任や説明を果たすために徹底した調査を進めたと思っています。平成30年6月に調査結果を取りまとめて、関与した職員に対して厳正な処分を行ったことは従来説明してきたとおりであって、二度とこうしたことが起こらないようにするためには文書管理の徹底等いろいろな取組を進めるとともに、秋池参与の主導のもとに財務省が組織として抱える問題を抽出した上で、我々としては問題行為を発生させてしまった組織風土の改革も進めさせていただいているところであって、引き続き信頼回復に努めてまいりたいと考えています。

問)プライマリーバランスの25年度の黒字化目標について伺います。骨太の方針では今年度中にコロナの影響を検証した上で目標年度の再確認をするとありますが、内閣府が先日発表した中長期の試算では歳出改革を続けることで25年度の黒字化目標は可能だという説明になっています。目標達成が可能であれば、なぜ目標年度を見直すのかという疑問が沸いてくるわけですけれども、大臣はこの点どうお考えでしょうか。

答)足元のコロナ対応のための歳出は引き続き増加しており、財政状況の悪化は事実だと思います。しかしワクチン接種等を通じて経済の正常化が少しずつではありますけれども間違いなく確実に進みつつありますし、税収の回復も事実ですから、コロナ対応の歳出増が一時的に剥落していきますから、ワクチンの接種等がさらに進めばコロナ前の状況に近づいていくことは十分に考えられます。黒字化目標の達成に向けて社会保障を今までどおり、高齢化による増加分に相当する範囲内にとどめることをやっていますので、そういった改革等を継続できれば、目標の達成は十分に可能と思います。今後いろいろなプラスマイナスが出てくるとは思いますが、目標はきちんと持って進んでいきたいと思います。

問)緊急事態宣言が延長になりまして対象地域も拡大となりました。これによる国内景気への影響と、昨年度の予算は30兆円繰り越されたということですけれども、それを踏まえて追加の経済対策ですとか補正予算の必要性についてどのように今考えていらっしゃるか、お聞かせください。

答)今回の緊急事態宣言が8月31日まで延長されますが、今後の感染状況や経済動向等を注意深く見守っていかなければならないと思います。令和2年度の補正予算や、これまでの累次のコロナの予備費で措置しました支援策を着実に執行していきます。さらに予備費等、約1兆円を決定しており、今約4兆円残っています。したがって、これが今までどおり1日当たり何万円といった話が毎月継続されていくとどういった形になってくるか、絶対量が減るのか、増えていくのかはよく先が見えませんから、今の段階でさらなる補正を考えているわけではありません。今のこの状況ではいま一つ、まだ見えてきていないところだと思っています。

問)7月20日にもこの会見にお伺いしまして大臣にお聞きしたときに、赤木俊夫さんのお墓参りについてお聞きしました。そのときの大臣のお答えは、妻が断ってきたと。私共何人も行かせてお断りになったという話ですからというようなことをおっしゃっています。つまり何人も職員を行かせて打診したけれども断られたというお答えでした。だけど遺族の妻の赤木雅子さんの方は打診は1回だけ、1人しか打診されなかったというふうにおっしゃっています。ということで話が食い違うんですけれども、大臣が間違ったというよりは、これは事務方の大臣への説明がおかしいんじゃないでしょうか。認識をお伺いしたいと思います。

答)この間申し上げたとおり、この問題につきましては私から弔問させていただきたいという話をして職員が聞きに行きましたが、向こうからお断りがあったと聞いています。私共が何人も行ったというのは、当時、次官をはじめ、いろいろな職員がご自宅に伺わせていただいたというもので、職員として丁寧に対応したと聞いていますから、職員が私に間違ったことを伝えているという意味とは全く違います。

問)要するにお墓参りについて打診をしたのは1回だけ、1人だけだったと。確かに事務次官をはじめ、いろんな方がいらっしゃっていますけれども、お墓参りの話はそのときは出ていないと、こういう話です。

答)お墓参りについて私共が職員に聞きに行かせて、その答えを聞けば、お断りになったということです。遺族の気持ちを考えたら私共としては、伺いたいと申し上げて、それをお断りになられましたので、それ以上私共からさらに何回も何回も質問することは、私共としてはいかがなものかと思います。

問)そのことはわかりました。1回だけ言ったという職員の方しかお墓参りの打診はしていなくて、その方に来てくださいと言ったのに断ったことにされてしまったというふうに遺族は言っているわけです。それを大臣は言った言わないという話になっちゃうとおっしゃいましたが、基本的にはこの話に登場するのは2人だけです。赤木雅子さんかこの職員、どっちが嘘をついているのかという話になります。大臣がこの職員を呼び出して、お前、本当に赤木の奥さんは来てほしくないと断ったのかと聞けば済む話だと思います。そういう確認をしてみてもよろしいんではないでしょうか。

答)私共は哀悼の意を表す気持ちに変わりありませんが、国としては今赤木さんから提訴をされているという立場ですので、原告と被告という立場にあることをよくわかっておられると思いますので、そういう現状にあれば事は極めて慎重に運ばねばならんところだと思います。

問)私の質問はお墓参りに行くか行かないかではなくて、そもそもお墓参りに行く行かないの話の前段として、大臣の意向で打診をしたと、ここまでは争いがないわけです。ところが打診をしたときに断ったのか、来てほしいと言ったのかに食い違いがあって、これは重大な違いだと思います。だって大臣は来てほしくないと言っていると聞いたから行かなかったわけです。今はもう行けないとおっしゃっているわけです。だからちゃんとそのときに間に立った職員に確認したらどうですかということ、そのぐらい亡くなった職員のご遺族のためにしてあげてもいいんじゃないでしょうかということを言っています。

答)私共は最初に申し上げたように、ご遺族の方に対する哀悼の意ということに関しましては変わりませんけれども、少なくともそのことに関して私共は職員が伺って、お断りになったと言われた、向こうは断っていないと言っている、言った言わないの水かけ論になります。したがって私共としては丁寧に聞かせていただいた上でのご返答だと思いますから、それ以後はご存じのように原告・被告の立場になっていますので、今さらその話をもう1回言ったのか言わないのかというような話の問題とは思いません。財務省としてはきちんと赤木さんのご家庭に対してしかるべき対応をさせていただいたと思っています。

(以上)