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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年3月23日(火曜日))

【冒頭発言】

本日の閣議において予備費総額2兆1,692億円、新型コロナウイルス感染症対策予備費の使用を決定しております。具体的には緊急小口資金等の特例貸付、低所得の子育て世帯に対する特別給付金、新型コロナウイルス感染症対応休業給付金、孤立・孤独対策に取り組むNPO等への支援、政府広報の強化など、16日に取りまとめた「非正規雇用労働者等に対する緊急支援策」の実施に必要な経費として5,975億円、また地方創生臨時交付金、またコンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金など、時短要請等を踏まえた経済支援策に必要な経費として1兆5,717億円を計上しております。今後とも新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期してまいりたいと思います。
 次に本日、関係閣僚閣議において関係省庁とともに「新型コロナの影響を特に受けている飲食・宿泊等の企業向けの金融支援等」についての説明をしております。具体的には1番目、新型コロナ感染症の影響が続く間、政投銀・商工中金によります支援の強化として民間協調融資を原則停止、政投銀等は民間と一緒じゃないと協調融資ができないことになっていますから、これに対する対応です。資本性劣後ローン、また優先株の金利等の引下げ、それから審査期間というのが結構長くかかったりするんですが原則1カ月程度まで短縮等を実施いたします。2番目、民間金融機関に対しても長期間の返済の猶予と新規融資の積極的実施の徹底等を要請させていただいております。3番目、減損なんかに関するいわゆる監査上の留意事項について現場での徹底を図りたいと考えております。これらの支援策の着実な実施によって非正規雇用労働者等を多く雇用しておられる飲食とか宿泊事業者をはじめとする事業者の支援に万全を期してまいりたいと考えております。

【質疑応答】

問)先日開かれた財政審で新型コロナ対策で債務が急増した現状への強い懸念を示して財政健全化の重要性を指摘する声が相次ぎました。財政健全化に関して大臣はかねてから歳出歳入、両面の舵取りが重要であるとの認識を示されておりますが、増税を含めた歳入改革について改めてご見解をお伺いできますでしょうか。

答)財政制度等審議会で財政健全化に関するご意見があったというのはよく承知をいたしております。このコロナの影響はまだ国全体に広く及んでいるので、政府としてはまずは感染拡大の防止とか雇用並びに生活の支援などの新型コロナへの対応に万全を期すということが重要なんだと考えております。一方、新型コロナへの対応の結果、足元の財政が悪化しているというのは事実。したがいまして財政の持続性の確保ということは非常に重要な課題ですので、将来世代への責任も念頭に置いた上で幅広い視点で十分に検討していく必要があるんだと思っております。政府として引き続き2025年度までのプライマリー・バランスの黒字化目標の達成に向けて、社会保障というものが持続可能性が出てこないとどうにもなりませんので、そういうのを高める必要があります。したがいましてそういった改革など、いわゆる歳入に限らず歳出両面の取組、改革をしっかり進めてまいりたいということであって、今直ちに増税とかというようなことを考えているわけではありません。

問)先程、今日決定された企業の支援策についてご説明いただきましたが、改めて支援策の意義とコロナが長期化する中で支援策の必要性について大臣のお考えをお聞かせください。

答)コロナの影響を受けた事業者に対してはこれまでも無利子・無担保融資の拡充とか、既往債務、既にある債務の条件変更等、こういうのは迅速にやらんと意味がないんですよね。飲食・宿泊事業者というのは総じて規模の小さいところが多いものですから、そういった意味では短期的な資金繰りの需要というのがすごい多いと思いますので、そういったところを含めましてこういうのはとにかく総理の方からもこの間、事業者の雇用維持というのを図らなければいけないと。ご存じかと思いますけれども、飲食業等、雇用というのはよく一杯飲み屋なんか1人とか2人とかというところの従業員の数よりは、中企業とか大企業等が抱えている雇用者の数の方が圧倒的に多いですからね。チェーン店やら何やらおわかりだと思いますけれども、そういった意味では雇用対策という点からいくと資金繰り中心に今後こういったところに目を向けていかないといけないのだと思っておりますので、今回金融面での重要な支援、対策をやらせていただきましたけれども、もう1回予備費を、何とかかんとかなんていうような審議を始めたらそれだけでまた時間がかかりますので、緊急を要しますので、そういった意味で支援策をまとめさせていただくということになったと、そういうように理解しています。

(以上)