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麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(令和2年5月22日(金曜日))

【冒頭発言】

大臣)本日の会談では私と黒田総裁の間で新型コロナウイルスの経済及び金融資本市場におけるいろいろな影響に関して、これまで政府と日銀の行ってきた様々な取組みについて意見交換をさせていただいております。会談では私の方から本年4月に決定された事業規模で117兆円になります緊急経済対策及び令和2年度の第1次補正予算を速やかに実行に移しており、総額45兆円規模になります強力な資金繰りの支援を講じていることを説明させていただき、さらに総理の指示に基づいて我々としては資金繰り対策の積み増しと、資本性資金の活用、資金繰りだけではなくて資本性資金の活用などによる金融機能の強化を含みます第2次補正予算の編成を行っているということについて説明をさせていただいたところです。黒田総裁からは、本日の金融政策決定会合における決定の内容も含めて最近の金融政策の運営等についてご説明がありましたので、これについては後程黒田総裁からご説明いただくことになろうと思います。この新型コロナ感染症は内外における金融市場にいろいろな意味で大きな影響を与えてきたんだと思いますけれども、黒田総裁との間では、これまでの政府と日銀による様々な取組みが、金融機関や企業、また個人等、資金繰りの確保と金融のマーケットの安定のために重要な役割を果たしてきた、成果を上げてきたという認識で一致をさせていただいております。その上で今後とも政府と日銀、緊密に連携して取り組んでいくことを黒田総裁と再確認をさせていただいたところです。以上申し上げた趣旨について黒田総裁との共同談話としてお手元に配布しているということであります。

総裁)会談では、私からは、本日の臨時会合で導入を決定した中小企業等の資金繰りをさらに支援するための「新たな資金供給手段」の内容を含め、日本銀行の3月以降の新型コロナウイルス感染症への対応についてご説明しました。そのうえで、日本銀行は、本日決定した措置を含む全体として総枠75兆円の「特別プログラム」により、政府とも連携しながら、企業等の資金繰りを積極的に支援していくことを申し上げました。また、日本銀行では、金融市場の安定を維持する観点から、国債買入れやドルオペなどによって、円貨および外貨を上限を設けずに潤沢に供給しているほか、ETF等の積極的な買入れを実施していることもご説明しました。日本銀行としては、引き続き政府と連携し、企業金融の円滑化と金融市場の安定に努めていく所存です。

【質疑応答】

問)麻生大臣に1つご質問します。第2次補正予算案の編成が本格化し、一方で本日、日銀が緊急の金融政策決定会合を開きました。政府も日銀もコロナ対策の政策を強化しているこのタイミングで黒田総裁と会談したことについて改めてご説明をお願いします。

大臣)日本銀行総裁と財務大臣会合、何年ぶりか知っている。2人そろって並んでいることは海外ではあっても国内では2016年、確かあのときはブレグジットの前後だったと思いますけれども、あのとき以来だと思いますけれども、そういった形で一緒にさせていただくというのはないし、共同談話も久しぶりだと思いますので、そういった意味では我々としてはこれまでお互い、シェルパというか、総括審議官のレベルで、日銀と財務省との間でいろいろ意見を交換させていただいたり、これまで齟齬がないように、片方が金融を締めて片方が財政を緩めているなんていうふうなことにならないようにきちんと詰めさせていただいたんだと思いますけれども、結果として今、例えば株が一時ドーンと下がったりしても2万円前後、通貨も107円でほぼ安定というような形を保てることができ、今日まで来ているというのは双方それなりの成果はあったのだと、私共はそう思って、確認をさせていただいた上で、我々としては、これまで海外に行く機会、G20とかG7とかでよく総裁と一緒になることはありますけれども、このところ海外が渡航禁止になっていますから、そういった機会もありませんので、意見の齟齬がないようにきちんとさせておいていただくというのは大事なことだと思っておりますし、今日も改めてお目にかからせていただいた上で話をさせていただいて、いろいろな意味で有意義だったと思っております。

問)黒田総裁に一つお尋ねしたいのですが、今日、新しく導入を決めた対象が総額30兆円になる資金供給、この狙いについて改めて教えてください。特に金融機関の先にある企業や事業者にどうやって届くことを期待されているのかということを教えてください。

総裁)本日決めた「新たな資金供給手段」は、政府が決めて実行されている緊急経済対策における無利子・無担保融資などを中心に、日本銀行からみて、そういった制度を利用して無利子・無担保で中小企業等に、あるいは個人事業者に融資した金融機関に対して、その総額を日本銀行がバックファイナンスするというものです。しかもそのバックファイナンスは、金利ゼロ%で貸すだけでなく、その相当額の日本銀行における当座預金に対して0.1%の金利も付けるという形で行います。もちろん、政府の無利子・無担保融資制度はそれだけでも十分活用されていくと思いますが、それをさらに極めて有利な条件でバックファイナンスすることによって、そういった政府の制度が一層活用され、中小企業等の手に資金が行き渡るようにするという意味で、非常に意義が深いと思っています。なお、政府のそういった制度金融をバックファイナンスしてサポートするだけでなく、金融機関自身がプロパーの融資として、そういったものに類似した非常に有利な条件で中小企業等に貸し付けた場合にも、今申し上げたような有利な条件で日本銀行が金融機関にバックファイナンスします。この新しい措置全体で約30兆円の中小企業等に対する資金繰り支援ができると思っています。

問)麻生大臣、そして黒田総裁、お二人にそれぞれ質問したいのですけれども、まず麻生大臣にお伺いしたいのが先程もお話がありましたけれども、国際会議など以外でこうしてお二人がそろって会見をされるというのは大変珍しいことだと思うんですけれども、やはりこの局面でこうやってお二人並んで会見をされるというのはコロナ対応、政府・日銀が一体となって行っていくという、そういうメッセージ性を強く発信したい、そういう思いがおありなんでしょうか。

大臣)私共としては少なくとも、日銀の独立等いろいろなことをよく言われますから、そういった意味では日本銀行、中央銀行と政府の関係というものがきちんと同じ方向に向いているということはすごく大事なことなので、コロナの話になって以来、我々としてはいろいろな対応をさせていただいておりますけれども、当初予算が100兆円、補正予算を含む対策の事業規模が110兆円を超えているなんていうことは過去に例がない、そういったようなことをやらざるを得ないほど今の状態に関しては極めて厳しい状態になっているんだと理解をしておりまして、こういう段階から一刻も早く脱却するということを考えなければいけないわけですけれども、日本だけが脱却しても残念ながらほかの国がそうでないと経済というものは輸出を含めてインバウンドを含めて伸びることはありませんから、そういった意味では日本銀行・政府一丸となって日本はやっているんだよということは世界に向けてもきちんと言わないと、なかなかあってないような響きを持たれている国もありますから、我々としてはそうではないというメッセージはきちんと伝えるということが日本の国益に沿うと思っておりますし、世界にとっても日本はちゃんと両方一緒にやっているというイメージをきちんと出していくというのは大事なことだと思っています。

問)黒田総裁にお伺いします。今、政府では第2次補正予算の編成作業も進んでいるわけですが、今後、第2次補正予算が組まれたときに日銀にはどういう役割が求められていると考えていらっしゃるでしょうか。

総裁)企業等の資金繰り支援のための日本銀行の措置として、CP・社債等の買入れは上限約20兆円と積極的に行っていますし、また、既に決定している新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペも拡充して今や約25兆円まで利用が可能となっています。さらに本日決定した新しい中小企業等に対する金融支援が約30兆円で、全体を合わせて総枠約75兆円の企業金融支援となります。しかも、日本の新型コロナウイルス感染症自体は順調に収束したとしても、世界各国でまだ残っていれば、なかなか輸出やインバウンドの需要も出てきませんし、また様々な事情で必ずしもV字型回復にならない可能性もありますので、企業の資金繰り支援の様々な措置はこれまで9月末までとしていましたが、来年3月末まで延長し、念のために、仮に企業の資金繰り支援の必要性がもう少し先まで延びても、十分対応できるようにしました。また、それ以外に、円およびドルの流動性を上限なく供給しています。円については、イールドカーブ・コントロールのもとで、10年物国債金利がゼロ%程度で安定するよう、上限を設けることなく国債を買い入れることにしています。仮に政府が国債を増発しても長期金利が引き上がることのないように、自動的にいわば財政と金融の「ポリシー・ミックス」と言いますか協調が行われ、その結果としていわば財政政策と金融政策の相乗効果が働くようになっています。市場の安定のためのドルや円の上限を設けることのない供給、さらにはマーケットのリスクプレミアムを拡大させないようなETF等の買入れも、これらを全体として引き続き行います。また、新型コロナウイルス感染症の影響次第では、必要に応じて躊躇なく、さらに金融緩和を拡大する、追加的な金融緩和も考慮する、という姿勢でいます。

問)麻生大臣にお伺いしたいのですが、今回の会合は政府・日銀どちらが呼びかけられて実現したものでしょうか。国際会議の機会というのは今後もあまりないと思うのですけれども、こういった会合を今後も開かれるご予定というのはあるのでしょうか。

大臣)政府・日銀双方のいろいろ取組みの意見交換をさせて、これまでシェルパというか、総括審議官レベルでいろいろ話をさせていただいたのですが、引き続き緊密に連携する必要があるんじゃないですかということで私の方から話を持ちかけたということだと記憶します。

問)今後こういった場を設けることは。

大臣)今後こういったことを設ける必要がないようにしたい。こんなことがよくあるというのはあまりいいことじゃないし、海外にも行っていると、よく飛行機の中やら、また会議中やら、ホテルでいろいろ普通に話ができる機会があるのですけれども、今は全くありませんし、かれこれ海外3カ月間ぐらいないんだと思いますけれども、これが続くと国内で、それは海外への渡航が禁止されている事情が継続しているという前提になりますからね、そういったことがないように期待していなければいけないところだと思いますけれども、それが続けば、またこういうことをやらなくてはいけないことになろうかとは思いますけれども、少なくとも海外もだんだん落ち着いてくるんだと思いますけれども、次に日本でいつやるかなんていうのは全く今考えているわけではありません。

(以上)