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麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(令和元年7月18日(木曜日))

【冒頭発言】

大臣)   まず、本日の議論から紹介をさせていただきます。
 本日は、気候に関するワーキングブレックファストに続いて、「国内及び国家間における不平等との闘い」についての議論を行っております。
 「先進国内の不平等」のセッションでは、企業内の給与格差に取組むため、給与の透明性について各国の制度を比較しお互いのgood practiceを学ぶ試みを歓迎しつつ、賃金に関する不平等の在り方は、G7各国によっても異なっている点に留意する必要がある旨申し上げております。
 「開発アジェンダ」のセッションでは、メリンダ・ゲイツ、ビル・ゲイツの夫人ですけども、アフリカにおける女性の金融包摂についてと、途上国の債務問題をはじめとする開発資金に関するトピックについて議論が行われております。
 なお、今回のG7においては、フランスが議長総括を取りまとめておりますので、仮訳付でお手元に配布しているので、それをご参照いただければと思います。
 今回のG7で、特に印象に残ったのはいわゆるリブラと国際租税の2点です。
 リブラについては、G7として強い懸念が共有されております。具体的には、深刻な規制上の懸念や幅広い政策上の課題について、サービスが始まる前に対処されておく必要がある、最高水準の金融規制を満たす必要がある、また通貨の主権や国際通貨システムの機能にも影響しうる、といった点について、G7として強いメッセージを出すことができたと考えております。
 また、G20やFSB等とも連携して議論するという道筋もつけることもできました。こうしたことは大きな成果だったと考えています。
 国際租税については、G20で承認された作業計画の下に、第1の柱である国際課税原則の見直しについては、新たな課税権というものを決めるために必要な参照すべき基準の議論をした上で、更に検討を進めるということで合意するということになりました。第2の柱である最低実効税率による軽課税国への利益移転への対応というものについては、企業の公平な税負担の確保に貢献するものとなることにも合意させていただくことができたと思っています。
 これも、G7間での意見の歩み寄りの結果可能となったものであり、G7の成果としては評価をしたいと思います。
 バイ会談は、本日、ドイツのショルツ財務大臣及びフランスのル・メール経済財務大臣とバイ会談を行い、G20福岡・大阪での協力に感謝するとともに、世界経済など幅広いテーマについて意見交換を行うことができました。 

【質疑応答】

問)G7の議長国サマリーでは、世界経済について、英語だと2020年に緩やかなピックアップ(moderate pick-up in 2020)とあり、すなわち今年中の世界経済の明確な回復は見込みづらいとも読めるのですが、日銀は、今年あるいは今年度の後半に世界経済の回復をみていると思います。その辺、総裁は、現状、世界経済の回復時期について、どうみていらっしゃるのか、お願いします。
 また、リスクはあるけれども世界経済は回復していくということであれば、日本経済にとって最大のリスク要因である海外経済について最悪の事態は逃れられるということであれば、現時点では、日銀のいうところの物価のモメンタムは損なわれていない、維持されているということでよろしいでしょうか。

答)総裁)議長国サマリーでは、世界経済の成長について、足許では安定化の兆しを示しているという点は、全く同じ言い方になっていますが、2020年に向けて緩やかに上向く見通しであるということを言っています。若干回復の足取りが遅れる可能性はあるとみているかとは思います。もっとも、今回の会合では、IMFなどの成長見通しを参考にして議論したわけですが、これまでの状況とそれほど大きく変わっていません。ですから、私自身は、回復の足取りが遅れて世界経済にとって大きな問題になるような状況だとみる必要はないとみています。
 また、日本の金融政策については、一連の会合で、わが国の経済・物価・金融情勢を踏まえて、引き続き2%の「物価安定の目標」の実現に向けて、今後とも、強力な金融緩和を粘り強く続けていくことをご説明しました。そのうえで、次回の金融政策決定会合でどういう議論になるかは、その時点までの最新の経済・物価・金融情勢を踏まえて議論をすることになります。今回は展望レポートが出される会合でもありますので、当然展望レポートの考え方を含め、経済・物価・金融情勢について十分に議論がなされるであろうというふうに思っています。

問)麻生大臣にお伺いしたいのですけれども、ステーブルコインについて今回G7で早急な行動が必要だということで一致したことの意義を教えていただきたいのと、今後ステーブルコインに関しては従来の金融商品と違って個人情報保護とかデータ保護とか多岐にわたっていろいろな検討が必要だと思うのですけれども、そういう点の難しさというものがあれば教えていただけますか。

答)大臣)リブラを含むステーブルコインなどにつきましては、これは中央銀行とか金融規制をやります金融庁とか財務省とか、そういったところに、いろいろな方面にまたがる議論がありますので、多角的な検討を要するということが一番大事なところなのですが、リスクへの対応というものについては国内通貨に限りませんので、国際的に、インターナショナルなものですから、国際的に連携をして進めていく必要があるというところがみんなでしっかり確認できたところが大きなところだと思っています。国際的にはG20の議長国としてG7やFSB、その他の基準設定主体と連携して速やかに検討をしていくということになるのだと思います。国内でいえば主に金融庁とか日銀とか財務省による当局の連絡会というのを設置して、その上で3者で連携をして、ステーブルコインの様々な側面について総合的な議論を既に開始をしているところですけれども、引き続き各国と同様に、この問題についていろいろ問題がありますので、きちんとやっていかなければいけないところだと思っています。

問)今の質問に関連するのですけれども、ステーブルコインについて、G7は10月のIMF・世銀総会のときに最終報告、作業部会の最終報告を出すというふうにしていますけれども、G20として、あるいはFSBでどのような今後の作業のスケジュールなり、どういった作業を具体的に進めていくのか、今の時点でわかっていることがあれば教えていただけますでしょうか。

答)大臣)今の時点でG7において特にこの10月までに報告してもらうという予定ではありますけれども、G20に対しても10月頃までには報告をしてもらおうという予定にはしております。

問)麻生大臣にお伺いしたいのですけれども、今回、ステーブルコインに関しては金融規制の基準を満たすことが必要だという認識で一致したわけですけれども、つまり規制の具体的なものができ上がるまでは日本でこれを認可するという状況にはないというふうに考えてよろしいのでしょうかというのが1個と、今後具体的な規制はどういうふうに考えていくのかということになると思うのですけれども、それはこのG7の作業部会の10月の勧告というのがこの具体案につながってくると考えていいのでしょうか。

答)大臣)先に日本だけ、1人だけやるというふうな質問に対しては、ありません。2つ目は何ですか。

問)10月のG7の作業部会の報告、勧告も含めた報告だということなんですけれども、これは規制の具体案みたいなものが出てくるというふうに認識していいのでしょうか。

答)大臣)これは少なくともアメリカを含め、いろいろな国がいろいろなことを言っているのですけれども、G7の今回のことに関しては極めていろいろな、今までにない、前例がありませんからね、こういった話は。しかもそれがステーブルコイン、フェイスブックという少なくとも二十数億人の人が使われているという問題になってくると今までに例がない話なので、どういった問題が起きるかということに関しては極めて懐疑的なので、今どういったことをやっていくかということについては、内閣府等において、官房等、いろいろ検討していかなければいけないところだと思っています。

問)大臣にお伺いしたいのですが、先ほど質問で出た世界経済の回復のタイミングについてなのですが、今年後半が難しいということになると消費増税をするときには海外経済が脆弱なまま増税ということになります。まずこのことについて大臣はどういうようにお考えになるか。もしここでも財政政策、スペースがある国は財政政策をやるということをいろいろな大臣が言われていますが、もし消費増税でリスクが大きいと考えた場合、補正予算なり、新たな財政支出をする準備はあるのでしょうか。

答)大臣)消費増税を、10月に増税をした場合の話を聞いているわけですね。しない場合ではないですね。するという前提で、そういう状態で何が起きるかわからないというのは確かにないわけじゃありませんよ、それは。しかし、今の段階でそういったことが起きて、非常に景気が冷え込むというようなことになるというような悲観的な状況を想定しているわけではありませんけれども、その上でもし非常な事態が起きるというのであれば、それなりの対応をしようということは財政当局として考えているということです。

問)もしかしたら武内財務官に伺った方がいいのかもしれませんけれども、先ほどル・メールさんが国際租税について、ハイリーデジタライズドビジネス、恐らくピラー1の話だと思うのですけれども、であるかどうかということを考慮に入れていくというような、そういう趣旨のことをおっしゃっていたのですけれども、これはリングフェンスをするということになるのでしょうか。どういうふうな文脈でこのハイリーデジタライズドビジネスと言っているのかということを教えていただけますか。

答)財務官)私どもはフランスが議長国として記者会見でどういうふうにおっしゃられたか、よくわかっていないものですから、今の段階でそれを解釈するということは遠慮させていただきたいと思います。

答)大臣)これは共同声明じゃないからね。議長サマリーだということを忘れないでいてください。

問)フランスの議長総括の方では税率の水準というのは具体的な、国際租税についてですけれども、制度設計が決まってから具体的な税率の水準というのは決まってくるものだというふうになっていますが、今回ミニマムタックスを先に決めようという話も一部では出ていたと思うのですけれども、全体的なコンセンサスとしては設計図が決まらないとミニマムタックスも決まらないというのが今回G7としては一致したと考えてよろしいでしょうか。

答)大臣)今の話は第1の柱と第2の柱という話で、第2の柱だけを先に先行した方がいいんじゃないかという指摘があったではないかということですね。そういったような意見がないわけではありませんでした。とにかく遮二無二走ろうという話もなかったわけではありませんけれども、第1の柱と第2の柱を一緒にやるということで、G7で合意がされたというのは大きな進歩だったと思っています。

(以上)