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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和元年7月17日(水曜日))

【冒頭発言】

本日は、G7のシャンティイ会合の初日なのですが、まず「世界経済金融システムにおけるリスクへの対処」として、世界経済とステーブルコインについての話があって、次に、「新たな課題への対処」としての国際租税と競争政策について議論を行っております。
 なお、明日の会合終了後、議長国のフランスが議長総括を公表すると聞いていますので、議論の詳細については、議長総括を参照していただければと思っております。
 「世界経済」のセッションでは、まず、G20福岡及び大阪サミットで合意された世界経済の基調判断、すなわち来年にかけて経済成長が回復するとの見通しがおおむね維持されていることが確認されております。私の方からはこれを歓迎する一方で、貿易をめぐる緊張というので、引き続き世界経済の成長における重要な下方リスクではないか、加えて保護主義的な措置による内向きな政策は、どの国の利益にもならない、自由で公正な貿易を通じた世界経済の成長を高めていく上で重要ということを課題として申し上げております。
 ステーブルコイン、私からは既存の個々の制裁の適合性を確認するだけじゃなくて、既存の規制が想定していない新たな課題がないか、包括的な検討が必要であること、例えば、例として新たにオートバイが発明されたとしますが、既存の自転車の規制とエンジンの規制を個別に満たすだけでは安全性を確保出来るということにはならないのではないかということを述べると同時に、一方で、後手を踏むことがないように、当局側によるタイムリーな対応が必要であることを申し上げています。
 新たな課題への対処として、国際租税のセッションでは、G20福岡会合と大阪サミットで承認された「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づいた解決策の策定に向けた作業計画」に沿って検討を進めていくことや、BEPSでの包摂的枠組み及びG20において、2つの柱を並行して議論することの重要性を指摘しております。
 「デジタル経済と競争政策のセッション」というのでは、競争当局間で合意されております共通理解文書に沿って議論がされました。私の方からデジタル経済における競争政策に関する共通理解というのを醸成していく取り組みを続けることの重要性を申し上げました。 

【質疑応答】

問)国際租税についてなのですけれども、G20で議論して以降G7で議論することの意義と、特にフランスは法人税の最低実効税率を決めようということについては積極的だったと思うのですけれども、そこにどのような課題が整理されていくのでしょうか。

答)これはピラー1とピラー2という2つの柱のうち、今の話は2番目の柱の話なのですけれども、この話はこの話だけになっちゃいますと、最低課税の話だけになっちゃうと、課税の引き下げ競争だけが助長されることになりかねないので、ピラー1の話と一緒にやっていかないかんという話を申し上げている、大体そういったところですね。

問)リブラについて、ご存じのようにアメリカのムニューシンさん、トランプさん、あとパウエルさん、どちらかというと懸念を強く表明していますが、日本の立場として、どういう立場なのでしょう。

答)リブラについて各国のどの国はどうというわけにはいきませんけれども、総じてこれに対しては懐疑的な面が各国色々出されたというのが事実です。ステーブルコインということだけで安心出来るのかねという、確実にそれが保証されるという前提がありませんから、どうだろうね。それをどうして確保出来るのか等、誰が考えても同じような話が、みんなそれぞれ出されたというのじゃないですかね。

問)それで大臣ご自身はどういうふうにお考えですか。

答)リブラについては、これは東京での記者会見でも言いましたけれども、これはまだきちんと詰めなくちゃいかん話がいっぱいあるので、何となくこれまでのビットコインみたいに裏づけのない金とは違いますから、そういった意味では、信頼性があるということは確かですけれども、だからといって、それだけで完全に大丈夫かねと言われると。ただし、少なくとも今こういったものが出てきた背景というのは、送金する、国内で動かす金とは違って、インターナショナルに金が動くというときにおいての送金コストというものが、少なくとも今のものよりは、全くタダみたいに安いというのはある程度利用価値があるというのが利用者側にとっての立場ですけれども、それがreliableかどうかというところは別の問題なので、そこのところはきっちり整理してやらないと、話が便利なところだけを突くと問題になるというのになると、後になってから遅かったということになりかねないようにしておく必要があるのではないかというような話をしました。

問)国際租税のところでなんですけれども、以前G20の財務大臣会合の場で、大臣からは各国政治的な妥協というのも必要だというふうな言葉がありましたけれども、今回このG7の場での議論というのは、政治的な妥協に向けて進展はありましたでしょうか。

答)この話はG7で少なくとも合意が出来ないのに、130カ国ですかね今(BEPSでの包摂的枠組みに)参加している国は。130カ国の合意がこのG7の合意なくして130カ国での合意が出来るわけないでしょうがと。だからG7の間で、まずはきちんとしたところのある程度合意をつくっておかなきゃいけないのではないかということに関しては、これはみんなそこそこ合意というところですね。
 ピラー2だけでいいのではないかという意見がありますし、いや、両方じゃないと意味がないとか、色々な意見が今のG7の中でもありますから、これはもう少し詰めなければいけないところだと思いますけどもね。

問)国際租税に関してですけれども、今回1週間前にフランスが独自にデジタル課税を導入しましたけれども、これの今回の議論への影響というのは、アメリカはもうそれに対して反発していますけれども、どの程度あったのか。

答)この件に関しては、フランスを特に名指しで、お前らフライングじゃないかといって糾弾するとかいうような話ではありませんでしたね。

問)トランプ政権というかトランプ氏本人なのですけれども、中国及びヨーロッパが通貨を操作していると、金融政策、緩和政策に絡んで通貨を操作しているという形で批判をしているのですけれども、デジタル通貨でなく本当の通貨、為替に関してアメリカの見方に対して、懸念及び何らかの意見があったら。

答)公式の場で為替の話をしないというのはG7とかG20の共通納得事項ですから、それは違反じゃないか、アメリカはおかしいじゃないか、というような話がみんなの前で出たことはないです。

問)前回の大阪のG20の時に、ロシアのプーチン大統領が新聞のインタビューで自由な価値観というのはもう時代遅れになったという発言をされていたのですが、G7というのはG20と違って、ある種自由主義的な価値観だとか法の支配だとか、そういうものを共有するメンバーが集まってその価値を発信していく舞台という意味もあるのではないかと思うのですが、ただ、今出たようにデジタル課税とか貿易の問題をめぐって不協和音が目立つようにも思うのですけれども、そういう意味でG7の意義みたいな、プーチン大統領も問いかけというか問題提起みたいなものに応えられる価値みたいなものを発信出来る舞台なのでしょうか。

答)ロシアのところに対して特にというわけではありませんけれども、少なくとも例えば中国等に対しては、これはG7が共通して中国に当たるというのが出来なければ話にならん、個別にやっても意味がないという話等、G7の連帯というようなことに関してはきちんとやっていこうじゃないかということに関しては話が出来ていますね。

問)その意義は、じゃあ改めて確認出来たという感じでしょうか。

答)はい。

問)先程お話しされた中で、国際租税の部分でまずはG7できちんとした合意が出来なきゃまずいだろう、もう少し詰めることがあるという話だったのですけれども、その状況というのはG20のところから見て、前進したところがあるのか、今回の議論で。

答)具体的な細目については、シェルパに詰めていることになるのですけれども、今の段階で大阪から今日までの間3週間ぐらい、それだけ前に進んだというわけではありません。

問)今日の議論を経ても進んだという実感はないですか。

答)そうですね、少なくとも3週間で新しく前に進んだという感じはありませんけれども、少なくとも国際租税に関しては、バッキンガムシャーからですから、かれこれ5年以上経つのですかね。5年以上ずっとこの会議に参加しているのは、私以外は、黒田総裁はあの時おられましたかね、黒田総裁おられましたね、黒田総裁だけですから。あとの人はちょっとその後から入ってきた方ばかりなので、比較はなかなか出来ないところだと思いますけれども、少なくともあの頃に比べて間違いなく回を追うごとに、国際租税の話は進んでいるという感じがしますけれども、今回のG7でも、ああ、これ何か言うかなと思った国が言わなかったり、そろそろ納得し始めているのかなという感じはしますね。

(以上)