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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和元年6月11日(火曜日))

【冒頭発言】

6月3日に公表されております「金融審議会市場ワーキング・グループ作業部会の報告書」、これは世間に著しい不安とか誤解とかいろいろなものを与えているということでありますので、これまでの政府の政策スタンスとも異なっておりますので、私というか、担当大臣としては正式な報告書としては受け取らないということを決定したということだけ冒頭に申し上げておきます。 

【質疑応答】

問)正式な報告書として受け取らないとのことですが、これは報告書自体を撤回させるということになるのでしょうか。

答)受け取らないということはワーキング・グループでしておられますので、ワーキング・グループで決めたことを金融審議会の総会に上げられるということになって、総会でなったものが私共に来るということになる。そういうルールになっていますが、私共としては、今までの政府の政策スタンスと全然違いますから、こういったものは受け取らないということを申し上げただけです。

問)そうすると現時点ではまだこれは正式なものではないという理解でよろしいのでしょうか。

答)審議会の総会を通っていませんから。

問)前回の会見において麻生大臣、表現として不適切であるとおっしゃっていた一方で、この試算自体については人生100年で考えた場合に豊かな生活を送る分とそうではない部分との乖離を単純計算して示すとこういうケースもあり得るという、あくまで1つの試算であるにすぎないというご説明をされていらっしゃったかと思うのですが、試算であっても不適切なので受け取れないという文脈でよろしいでしょうか。

答)家計調査結果とかいろいろありますでしょうが。その中で高齢者世帯の平均貯蓄額の活用実態を表したものにすぎないわけですよね、あれは。ちょっとしゃべっている意味が、これ結構難しい話だから込み入った話になっているので、そういった意味ですから、私共としてはこれは公的年金の問題自体が大問題ということを指摘したわけでは全くありませんから。したがいまして生活費として不足である、いわゆる赤字であるとかというような話になるような表現は極めて不適切だということを申し上げている。

問)今の件に関連してなんですけれども、今回の報告書はもちろん老後に貯蓄があればそれを取り崩せばいいのですけれども、それができない人達に対して年金だけでは駄目なんだという厳しい現実を突きつけたことが衝撃を与えているのだと思いますが、若いうちから投資に回す元手もない、退職後に取り崩す貯蓄もない人はどのようにすればいいということなのでしょうか。

答)高齢者の生活というのは極めて多様ですから、したがいまして毎月5万円取り崩して使っている人もいられるでしょうけれども、自宅に住んでおられて、両親がおられて、年金が20万円届かず、例えば農業年金だったら3万8,000円ぐらい、そんなもんでしょう、違うかな、そういったものだと思いますけれども、人によって違うのですけれども、そういった方々で別に息子と一緒に農家に住んでいて、田舎に住んでいて全然困っていないわという人もいらっしゃるし、様々なモデルだと思いますので、それを一概に全部平均してやるというのであって、あくまでも公的年金というのは基本ですから、そういった意味では我々としては、20万の方もいらっしゃるでしょうし、もっと早くからということで少ない方もいらっしゃいますから、それは人によって違いますので一概にどうとかこうとかということを、これでもって平均値で出すというのに無理がありますね。

問)逆に言うと、年金だけに頼れると思っている考えは間違いだということなのでしょうか。

答)それでやれる方もいらっしゃいますから、それはわかりませんよね。5万円足りないということになっておられる方もいらっしゃいますけれども、それで十分に足りているという方もいらっしゃいますから、足りないというように一概に決めつけるのはいかがなものですかね。

問)麻生大臣もしくは昨日の安倍首相も2,000万円の表記については誤解を与える表現だったということでご説明されましたけれども、そもそもこの報告書の趣旨、志は、我々長寿化が進んで自分達の予想を超えて長生きしてしまうかもしれないと。一方、資産寿命が尽きてしまう。こんなものかなと思っていたのに長生きすることで資産寿命が尽きてしまう可能性があるから、そういったリスクに備えましょうというメッセージだったと思うのですけれども、今の麻生大臣の撤回してしまうと2,000万円の表記のところだけではなくて、志、柱のところまで撤回してしまうようなイメージで受け取れるのですけれども、そこのところはどう整理すればよろしいでしょうか。

答)私共はもともと年金が基本的に、年金設計自体が危ないかのごときに読まれたわけでしょう、今回の話は。しかし私共は基本的にはそうは思っていなくて、年金の制度としては年金約50.何%、ちょっとパーセントまで記憶がありませんけれども、そういった方達を考えながら、大体これでやっていただくという形の話を申し上げてきた、そこのところが、いかにもそれが壊れて年金制度自体が崩壊するかのごときに思われるような表現になっていた雑誌、新聞じゃなかったね、雑誌なんかで出ているのだそうですけれども、そういったことは全くありませんから、そういった意味では全然違うのですよと。だから年金というものを見た場合に、2,000万というのは20万掛ける多分12カ月で、5万円足りないということは、5万円掛ける12カ月で60万、60万掛ける65歳のときで35年、それでいくと約2,000万ちょっとということになるというのが多分あの2,000万の、多分単純な掛け算をしてああいうことになるのだと思いますよ。だけど現実問題として、そういったことではなくて、別に20万円で十分にやれている方もいっぱいいらっしゃいますから、25万かかっているという話は、全高齢者一緒になっていますから、所得の低い方も高い方も全部一緒になって平均すると平均値が上がっているという話ですから、普通そんなかかっていますかねという方もいっぱいいらっしゃいますから、それは非常に誤解を招く平均値の出し方だったと思っているということを申し上げている。

問)となると、資産寿命を伸ばしましょうという志そのものについては、そこまで否定するものではないということでよろしいのでしょうか。

答)我々としては、いわゆる貯金というのは、始められた方の年代にもよりますけれども、金利が6%だ、5%だという時代と今みたいに金利がつかないという時代ではなかなか、貯めている意味がないから、よく言うのですけれども、年間1万円の配当金をもらおうと思ったら12億円持っていないと、手取りに1年間で1万円にならないという計算でしょう、今の普通預金で計算すれば、0.00001ですから。そうすると、それじゃとてもできませんよと。だから資産というものを持つというのでつみたてNISAとかNISAとかいろいろなことを我々、貯金より資産というもので、投資とかいろいろなものを考えられてということを我々進めているというのは事実、それはそのとおりです。それなりの老後に蓄えていくという方もいらっしゃるでしょうし、子どものときからそうやってやられるうちもあるでしょうし、子どものために貯金を積んでおられた方々がそういったものをいわゆるNISAみたいなものにされるというのは決して間違った方向ではないと思いますけれどもね。

問)政府の考え方と違うものがなぜこうやって出てきたのでしょうか。政府の考え方と違う、それも公的年金という老後の生活を支える報告書に関して、今後の資産運用ということがあるにしても、政府の考え方と違う公的年金があたかも崩壊するようなものがなぜ出てきたのでしょうか、そういう報告書として。

答)それはワーキング・グループに聞いていただかないと、私共が直接やっているわけではありませんから、それはワーキング・グループに直接聞かれた方がいいと思いますが。

問)それは、金融庁の役所の方でベースはつくっていると思われますので、要は資産市場に多くの方を入れると、あるいは例えば夏の税制要望に対して証券税制とかそういった優遇をさせたいとか、そういった意図があるからこういう形になってしまったとか、そういうこともあるのでしょうか。

答)それはおたくの考え方、そういう見方はあなたの考え方かもしれないけれども、私共の考え方とは違います。

問)今おっしゃった公的年金があたかも崩壊するかのような書きぶりということでしたが、それ以外にも例えば介護費用はこれからもっとかかるかもしれないとか、あるいは住居費などが安い地方に住めばいいとか、そういったことも言及しているのですけれども。

答)何ページ目ですか。

問)40ページもそうですし、一番最後のところ、ごめんなさい、40ページですね。付属資料のところに住居費や生活費が相対的に安い地方の移住も選択肢に入ってこようということが書いてありますけれども、こういったところの修正ということも考えられるのでしょうか。

答)これも人によって、それぞれの方々なのであって、田舎に住んでいる方が安いけれども、実は田舎に住んでいても足が不自由、いわゆる交通の便が不自由だから、そうじゃなくて交通の便がよくないととてもやれないというので、そっちの方が交通費が高くなるという話があったり、そのときまでになったら自動走行がもっと発達してよくなるとか、いろいろな話がありますので、これも一概には言えないというところだと思いますので、田舎に住めばいいという簡単な話ではないという感じはしますけれども。

問)おっしゃるように地方の方がどうするのかということにつながってきますから、こういった表現というのも変わってくるということでしょうか。

答)そうでしょうね。今からいわゆるAIだ、IoTだの発達で交通手段というものが極めて不便、軽自動車が運転できないととてもじゃないけれども生活できない、いわゆる買い物難民とかと言われるような状況にあることは確かですから、そういったところで田舎へ住んだ方がいい、田舎に住めばいいというものだけというのは、書いている人も都会に住んだことしかない方なのかなと思いますね。僕はこれを見たときはそう思いました。私、その田舎の方に一部選挙区がありますから、今どういう状況になっているか知らないわけではありませんから、そういった意味ではこの書き方はいかがかなという感じはしましたし、傍ら自動車の、自動運転の進歩というのはすごいものになってきているなという感じはしますから、早晩こういったものになるのだなという感じがしますから、そういった意味では田舎の方が、これによる交通事故は少ないかなとかいろいろなことを考えましたけれども、あのときは。いずれにしてもそういったものの進歩とかというのに合わせると少し表現としていかがなものかなという感じはしますね。

問)そうしますと、こういったところまで変わってくるのであろうということであれば、なぜこういった全く違うようなものが出てくるのかということが、それはどういうふうに大臣として受け止められますか。

答)それは先程の最初の質問と同じ質問をしておられるわけね。ワーキング・グループに聞いていただかないと、私共に直接聞いていただいても、私に直接聞かれてもそこのところはわかりませんね。

問)でも、所管の金融庁の審議会が出した報告書ですよね。

答)金融庁の作業部会、ワーキング・グループが金融審議会の総会を経て正式に公文書になる前の文書ですね。正確に言うとそういうことになります。

問)冒頭の発言で大臣、報告書が政府の政策スタンスとも異なるというふうにおっしゃいましたけれども、個々のケースは違うのに平均値を出したことで誤解を招いたという部分はわかりやすいのですけれども、政策スタンスと異なるというのはどういうことなのでしょうか。

答)政策スタンスというのは前々から、これは昔からの話ですけれども、公的年金というものはいわゆる老後の生活、老後という基準がまたいろいろ分かれる話ですけれども、今は65歳、老後の生活をある程度賄うことができると言ってきて、そのとおりだと我々やろうとしているわけですから、それが政策スタンスなのだと思いますけれども、これは明らかに全然無理だよということをはなから決めつけたような言い方に聞こえる。多分本人達はそのつもりはなかったのかもしれませんよ。別の記者が言っていたけれども、あの話と同じような話になっているのだと思いますけれども、私共はそこは、基本的なスタンスが違うというのはそこです。

問)そうすると、そもそもの金融資産を1人1人が積み増すべきというメッセージ自体はそのとおりだと思うのですが、そのメッセージがよりよく伝わるようにした改訂版のものはどのぐらいのスケジュールでもう一度出されることになるのでしょうか。

答)私共としてはこの種の政府の政策スタンスと違うものは受け取れないという判断を私自身がしまして、これはとてもじゃないなという感じがしていますから、いつ上げてくるかというのは今の段階で直ちにいついつまでに別のものをということを言って、日にちをもって考えているわけではありません。

(以上)