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G20財務大臣・中央銀行総裁会議議長国記者会見の概要(令和元年6月9日(日曜日))

 麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣、黒田日本銀行総裁と浅川財務官によるG20財務大臣・中央銀行総裁会議議長国記者会見の概要(日英同時通訳を媒介)は以下のとおり。

【冒頭発言】

麻生大臣)お待たせして申しわけないです。この2日間日本の議長国の下で、第2回目のG20財務相・中銀総裁会合が開催されました。
 会議の結果につきましては、福岡コミュニケという文書にまとまっております。
 それでは簡単にメインポイントを申し上げます。まず第1に世界経済について、現下の状況を議論いたしました。世界経済の成長は、足元で安定化の兆しを示しており、総じて、本年後半に向けて、緩やかに上向くという見通しを広く共有しました。しかしながら、リスクは依然として下方に傾いており、何よりも、貿易と地政を巡る緊張は増大しています。
 私たちは、強固で持続性があり均衡のとれた包摂的な成長を実現するため、全ての政策手段を用いるとの我々のコミットメントを再確認しました。更に、ブエノスアイレス・サミットでの貿易に関する首脳の合意を再確認いたしました。併せて為替相場のコミットメントも再確認いたしました。
 またグローバル・インバランスについても大臣・総裁級で議論を整理いたしました。この議論はサマリードキュメントに基づいてなされました。
 このドキュメントはFWG(フレームワーク・ワーキング・グループ)が作成したものであります。対外収支を評価するにあたって、サービス貿易・所得収支を含む経常収支のすべての構成要素に着目することの重要性に留意いたしました。
 そして注意深く策定されたマクロ経済政策、構造改革が不均衡の是正に必要であると合意いたしました。
 高齢化についてはブレークアウトセッションを行いまして、包括的な討議が行われました。この議論もサマリードキュメントをベースとして行われました。高齢化を含む人口動態の変化は、G20全ての国に共通の課題及び機会をもたらすものであります。
 財政金融政策、金融セクター政策、構造改革など広い分野にわたる政策をとることが必要であります。
 債務問題については、その進捗を歓迎しました。その進捗は次の3点です。まず、債務者の能力構築支援を含む、IMFと世銀による「様々な角度からのアプローチ」、次に、「G20持続可能な貸付に係る実務指針」の実施に関する任意の自己評価の完了、最後に、国際金融協会による「債務透明性のための原則」の作成です。G20のメンバーが、このワークストリームの加速に高い期待を寄せていたことが認められました。
 インフラ投資については「質の高いインフラ投資に関するG20原則」をエンドースいたしました。この新しい原則は、質の高いインフラ投資を促進するにあたって、我々の共通の戦略的方向性と志を述べているものであります。
 また、様々な国際機関から分析的な貢献をいただきました。具体的には、実施に関するレファレンス・ノート及びファシリティとリソースに係る新たなオンライン・データベースです。これらが、ハイレベルの原則と実際の現場における実施との間で、橋渡しの役割を果たしてくれることを期待します。この原則は、今月末の大阪サミットでのエンドースに向けて、首脳に提出されることになります。
 また自然災害に対する強靭性の強化につきましては、災害リスクファイナンシング・保険スキームの重要性を認識いたしました。この中には国のレベル、地域のレベル両方が入ります。
 UHCファイナンシングにつきましては、「途上国におけるUHCファイナンス強化の重要性に関するG20共通理解」へのコミットメントを確認いたしました。
 この中で、財務当局と保健当局間の連携の重要性が強調されています。この文書もまた、財務大臣・保健大臣合同セッションに提出される予定になっております。当該合同セッションは、大阪サミットのマージンで、6月28日に開催される予定です。
 国際租税に関しては、租税回避及び脱税への対抗における多国間アプローチの重要性を再確認しました。特に、「経済の電子化に伴う課税上の課題」が世界中の耳目を集めています。本日我々は、2020年までの合意に基づく解決策に向けた作業計画を承認し、私たちの決意を示しました。加えて、我々は昨日、国際租税に関する大臣級シンポジウムを開催し、非常に有意義な議論をすることができました。私は、開会の挨拶とともに、経済の電子化への課税上の対応に関する最初のセッションにおいてパネリストを務めました。このセッションでは、全てのパネリストが、合意に基づく解決策に向けてG20が重要な役割を果たすべきとの認識を共有しました。また、セッション2では浅川財務官が司会を務め、大臣たちは、租税回避及び脱税に対抗するためには、税の透明性及び税関連の技術支援の分野を含め、継続的かつ協働した取組みが必要であることを再確認しました。
 また、基準設定主体(SSBs)が行っている市場の分断についての作業を歓迎いたしました。我々も規制・監督上の協力により、意図せざる、悪影響をもたらす市場の分断について対処することへのコミットメントを再確認いたしました。10月に基準設定主体からアップデートの進捗状況を伺うことを期待しています。
 金融セクターにおける技術革新につきましては、FSB、IOSCO、FATFによる暗号資産にかかる作業の進捗に対して歓迎の意を示しました。また、FSBによる、分散型金融技術のもたらす潜在的な影響や、当局が広範なステークホルダーとの対話をどのように強化できるのかについての報告書を歓迎いたしました。
 更に、金融技術革新に係るハイレベルセミナーを昨日開催し、開会の辞を述べさせていただきました。このセミナーはまず、技術革新が今後10年、金融セクターや世界にどのような機会やリスクをもたらすかについて、討議いたしました。その後、様々な専門家を招いたパネルディスカッションを開催し、DLTベースの金融システムのガバナンスのあり方として、マルチステークホルダー型のアプローチについて議論しました。
 結語なのですけれども、今回の会合を通じましてG20の団結、相互理解、協力の精神を改めて再確認することが出来ました。どうもありがとうございます。  

【質疑応答】

問)今日の共同声明の中で、我々はこれらのリスクに対し、対処し続けるとともに、更なる行動をとる用意があるとありますが、その現状を見た時に全ての政策をとるということだと思うのですが、現状を見た時に、金融政策というのは相当今、世界的にもやっているという認識はあると思います。麻生大臣として、世界的に見てやはり今、財政政策の必要性が高いというふうに感じていらっしゃるかどうかについて、まず1点と。
 あと黒田総裁にお伺いしたいのですが、「インフレが目標に向けた軌道を維持するか、目標付近で安定することを確保するべきである」と、各国なかなかインフレターゲットに届いていない状況はあると思うのですけども、その点について何か今日議論があったのかどうか、お願いします。

答)麻生大臣)議論があったのかないのか、ないのか聞いているのはそっち(日銀)だね。俺の方は世界経済の下方リスクに関して、日本で何か財政政策をとる必要があると考えているかという質問ですか。

問)世界的に見て、リスクに対して更なる行動という意味は、どういった政策を具体的に大臣は世界的に見て考えていらっしゃるか。

答)麻生大臣)今、日本で少なくとも各国によって状況は色々違いますからね。日本として直ちにやらねばならないという情勢に今の経済情勢があるかと言えば、今そんなことを直ちに考えているわけではありません。

答)黒田総裁)金融政策については、このコミュニケにあるような議論でありまして、個別に、例えば日本の金融政策について、具体的に議論があったということはありませんでした。ですから、全体として、ここにあるようにリスクを認識して、そういったリスクが実現するようなことがあれば、それぞれの国に応じてすべての政策手段を活用してコミットメントを確認するということであって、この国が、財政政策、金融政策、構造政策、financial policy等をこうやりましょうといった具体的な話はありませんでした。それぞれの国が、それぞれの状況に応じて、リスクが顕現化した場合に、きっちりと対応しましょうということでした。

問)ご質問したい点は2点ございまして、今の方のご質問とも関連しますが、最初のパラグラフのところで「何よりも貿易と地政学、地政をめぐる緊張は増大した」という表現をとっておられます。あえて貿易と地政学的なリスクを指摘された意味合いというのを、改めてご指摘いただきたいと思います。これが1点目でございます。
 2点目ですけれども、パラグラフ3のところなのですが、グローバル・インバランスについて言及されている部分で、グローバル・インバランスは次第に先進国に集中してきたという表現が出ていると思います。余り特定の国の名前を上げることをするのはいかがなものかと思いますが、例えばアメリカの経常収支の赤字、一方でドイツの経常収支の黒字というのは極めて際立っていると思うのですけれども、この先進国に収支の不均衡が集中してきたという意味合いをご説明いただければと思います。以上2点でございます。

答)麻生大臣)基本的に今言われているのは、経済部に所属していれば誰でも知っている話ですよね。普通この世界貿易とかそういったようなことをやっている人、我々は貿易を担当しているのではありませんからね。我々は国際金融をやっていますので、そうじゃなくても今ぐらいドイツとアメリカの話を今例に挙げましたけど、色々な国によって需要が違いますからそれは違いますが、そういったのを取り立てて言うつもりでやったというよりは、少なくともそういった傾向が出てきているというのは、今回特に限って出てきているわけじゃなくて、前々からよく言われている話でもあります。
 その上で、少なくとも今、貿易という話をよくしますけれども、少なくとも、例えば、お宅の新聞は何て書いているのだか知らないけど、日本はよく貿易立国であると書かれているじゃない。しかし、今、日本で貿易収支ってどれぐらいの黒字ですか。

問)よろしいでしょうか。ほぼトントンですね。

答)麻生大臣)その程度のものなのですよ。それで貿易立国ってちょっとおかしいでしょうが。日本が儲かっているものは何かといえば、所得収支なのですよね。意味分かるでしょう。だから、そういったものが黒字なのだから少なくとも貿易だけでこういったものを議論したり、二国間だけで考えると言っても、なかなかそういったものは簡単に解決できるものではありませんよと。少なくともアメリカなんか貿易収支だけで見るかもしれないけど、サービス収支というのはものすごく黒ですからね。だから、そういったものも見ないと話はないのではないかというように理解してもらえればいいのではないかしらね。

問)ありがとうございます。ただ今のご回答の中で、第1パラグラフで「貿易と地政学的リスクの緊張を増大してきた」というこの認識についてのご説明をいただきたかったのですけれども、もう一度よろしくお願いいたします。

答)麻生大臣)第1パラグラフ。ああ、このところは今よく言われる米中間貿易とか色々よく言われてみたり、色々な地政でいけば中国というのが出てきてみたり、ヨーロッパに行きゃヨーロッパの方でクリミア半島が出てきてみたり、色々なところが出てきていますから、それは一概にこの地域とか言っているわけではないというようにご理解いただいたらいいのではないかしらね。ただ、地域によっては、ベネズエラの話とかメキシコの話とか色々地域によって内容が違いますからね。片一方の話は戦争が起きるという話じゃないのですから、だからそういった意味では地域によってあれは違いますけれども、そういったものがその地域の経済に影響を与えているという事実は、これは大きいですよ。だから何となくそういった意味では、今は米中間の話しか出ませんけれども、世の中にはもっと色々なところで色々なことが起きていますから、そういったようなことを含めて、我々としては検討しておかねばならないというふうに考えています。

答)浅川財務官)1つだけ補足させていただきたいのですが、2つ目のご質問なのですが、次第に先進国に集中してきた方向性というか気持ちについてですね。これは第1文には何が書いてあるかというと、フローで見るとグローバル・インバランスというのはフローで減少しているじゃないかと。それから次第に先進国に集中してきたじゃないかと。しかしながらと書いた点、2文に否定的なことが書いてあるわけですね。従って1文に書いてある話というのは、どちらかというとグッドアスペクツが書いてあるわけです。
 次第に先進国に集中してきたことが何でグッドアスペクツかという気持ちなのですけれども、要は、グローバル・インバランスが世界中に広まっていって、新興国も含めて、インバランスが非常に拡大していた以前に比べると、新興国のグローバル・インバランスがぐっと改善し、どちらかというとフローで見ても先進国に集中してきたという事柄自体は、世界経済へのリスクを考えると以前より改善しているのではないかと、そういう意味です。

問)今の1つ前の質問に関連するグローバル・インバランスについての質問なのですけれども、ここの部分はそうしますと、例えば米国が貯蓄を増やすべきであるとかドイツが内需を拡大すべきであるとか、そんなような個別の国を念頭に是正を迫るような形で踏み込んだ議論がなされたということではないという認識でよろしいのでしょうか。

答)麻生大臣)そうです。

問)それに加えて、例えば、日本が今後成長を続けて日本も内需を拡大するとか、あるいは今後高齢化していくと、より外需に依存せざるを得ないような状況も生まれる可能性があると思うのですけれども、日本として議長国としてグローバル・インバランスの是正に向けてどのような対応をすべきかというような発信はあったのでしょうか。

答)麻生大臣)これは各国によって、高齢化というものによって貯金が増える、消費が減るというところによって起きているインバランスもあるだろうけど、内部留保をどれぐらい貯めているのだか知らないけど、ものすごい数字で内部留保は毎年何10兆と増えている。それは設備投資に回らないという今の事態というのは、同じインバランスでも色々違いますよ、そこのところは。それは各国によって色々違いますので、それはドイツ、アメリカ色々各国でそこのところのグローバル・インバランスということに関してはきちんと対応していかないと、それは各国でやってもらわないかんということですよね。我々も色々やってはいますけれども、少なくとも去年、一昨年ぐらいまで毎年25兆ぐらい増えていた分が、去年40兆ぐらい増えていますからね。だから、トータル400何十兆円になっているでしょう。国家予算が100兆で企業内の内部留保だけで450兆というのは結構でかい金になっていると思いますよ。だから、そういったものが投資に回らない、給与に回らない、労働分配率は下がっている等色々な問題があることは確かですよ、日本の場合も。それは率直にそう思いますね。

問)具体的に今回、G20の最中に、アメリカの貿易政策について異議を唱えた国というのはあったでしょうか。

答)麻生大臣)今の話ですけれども、この会議ではどの国が何を言ったかということは、お互いに言わないというジェントルマン・アグリーメントがありますので、我々はどの国がどの国のことをどう言った、こう言ったということをオフィシャルにアナウンスすることはありません。

問)2点あるのですが、1つは先程おっしゃった対外収支の不均衡をめぐる議論なのですが、先程大臣がおっしゃった所得収支とかサービス収支にもっと注目しなければいけないとか、そういった点について、今回のG20で加盟国間の理解は深まったというふうにお考えかというのが1点。
 もう1つデジタル課税なのですけれども、来年1月までの大枠合意という野心的な作業計画を承認されたということですけれども、第一の柱・第二の柱ともにですね、まだ埋めなければならない溝は大きいように思います。この作業計画を実現できるという見通しにどの程度自信をお持ちでしょうか。

答)麻生大臣)少なくともこの話に関してはいつからこれを話したかと、覚えていますか。この話がいつから出たのか。

問)2012年だと思います。

答)麻生大臣)バッキンガムシャー。G7の財務大臣・中央銀行総裁会議、これは日本が持ち出した。そのときはデジタライゼーションという話が進む前の話で、少なくとも各国で、いわゆるBEPSと称する、利益というものを、税金を払わないで、どこかの国にその利益を逃がす、隠す等、いろんな表現がありましたけれども、Base Erosion and Profit Shifting、略してBEPSという言葉が始まったのはこのときからです。そのときから始まって今日までかけて、京都でやっと46か国集めて会議をやって、さらに3年かけて120数か国まで今きたのですが、この話に最初まったく乗らなかった国というのは先進国なのですが、少なくとも今、2つの柱、2ピラーズまで来ました。ここにきて今、5月のときにやった、フランスのパリで開いた、いわゆる債権国・債務国の共同の会議をやったときにこの話をもう1回フランスが持ち出して以来、この話は進んで、フランスはかなり踏み込んで、いろんなことが進んで、今こういう2つの柱を掲げているのですが、その2つの柱を段々縮めて、7月にもう1回G7シャンティを開きますので、その時までに、もしくは10月のワシントンDCでやる会議までにはぜひやりたいというフランスの目論見、それは確かです。そういうアンビシャスな野心があるのは確かです。しかしそれができるかどうかについて、この話はそんな簡単な話でありませんけれども、少なくとも、そういったいわゆる国際的に見て、そういう2つの柱をもとにしてどんどん狭めていこうという方向までやっと来た。これをさらに詰めていくとなると、細目どうやって詰めるかという話になると、それはなかなか先の話なので、何をもって完全というかによって違うでしょう。だからあなたに対する話はそこまでということ。あの時完全といったじゃないかとまた来年言われてしまうから。だから今の段階では何とも言えません。ただ方向としてはそっちの方向ということ。ここまでよく来たと思いますよ。少なくとも所得とかサービス収支というような話を先程しましたけれども、少なくとも、いわゆる各国の間でもうとんでもないと言った話やらいろいろあるわけですから、そういった、作業計画というものは認識を共有するというところまでは来たかなあと、コミュニケにも少なくとも明記しておりますから、そこまでよく来たなと、その点はよくここまで来たなということが私の認識です。

問)日本は現時点で2本の柱に対しどのような立場をとっていますか、また、サウジアラビアに引き継ぐにあたって、サウジアラビアは、これまで貴国が達成してきたモメンタムを維持できるとお考えですか。

答)麻生大臣)サウジのことはなんともわかりませんね、それはなんともお答えできませんけれども。少なくとも、全体の最低課税をいくらにするって話と、もう1つは全体の大きな枠で課税をという、2つのどちらがいいっていうよりこれ、両方やらないとダメなものだと思っていますから、そういった意味でこの両案というのは、各国この両案、2ピラーだから2つの柱を一緒にして、寄せて、ものを考えていこうという方向で、合意、という風に思われたらいいのではないでしょうかね。そのうちに、これが6月までにまとまるかということは、日本の新聞にも出ていたけれども、この新聞の中の内容でいけば、今年中にとかいわれているのでしょうけれども、今の我々の引継ぎっていうのは、少なくとも今の形は漠然とした形になって流れができつつありますから、こういった流れもあり、少し形が見えてきたかなという。サウジに引き継いだからサウジができないとかいうなら、我々みんなでやらないと、みんなでちゃんと合意しましたから、各国それぞれ人を出してやらないと、税金に詳しい人を出してみんなでやるということになるのかしらね。

問)グローバル・インバランスの部分で、貿易だけでなくサービス収支や所得収支を見ていくことの重要性であるとか、あるいは先程大臣がおっしゃった貿易だけで議論していても解決につながらない場合での交渉だけでは問題解決につながらないという、こういった認識を今回の会議でG20各国全ての国で理解が一致したという理解でよろしいのでしょうか。

答)麻生大臣)各国の頭の内容までこっちが分かるわけではありませんから、そういった意味ではどれぐらい理解したかと言われても、それは、なかなか分析は難しいと思いますが、少なくともコミュニケに書いている、サインしたのだから、そういった意味ではコミュニケに載ったということは、ある程度、今言っているのがどの程度理解出来るようになったかは知りませんけれども、少なくとも色々な経験を通して、例えば中国の大豆の輸出を減らしたら、その分だけメキシコからの大豆の輸出が増えて、アメリカがトータルとして中国の分の赤字は減ったけど、メキシコ分の赤字が増えたぐらいのことは知っているだろう。それぐらいの事実がありますから、そういったようなことを見れば、ほら二国間だけだとこうなるのよと。だから全体で、マルチで考えないと貿易なんてものはなかなかうまくいかないのですよとかいう話というのは、ちょっとやってみないと分かる話じゃないというのが1つ。
 もう一つは、やっぱり物の時代からサービスとか金利とか、配当、そういったようなものやら何やらで入ってくる分が日本の場合は今そちらの方が多くなってきていますから、それはそういう国が幾つもありますので、なかなか物だけの貿易で、黒だ、赤だというのでは、なかなか出来ないのだというのは、これはそういった現実というのは結構財務大臣のレベルで知っているかといえば、むしろ財務大臣は所得収支とかそこらの収支の方に興味があるから、そちらがどうなっているかというので貿易収支の方がむしろ通商産業の方ですから、経産大臣なんかなのだと思いますよ。ただ全体として各国、昔3年前にこの種の話が出始めた時に比べれば、今の方が、各国理解が高まってきているかなというのが、私はそう思いますけど。

問)個別の議論もさることながら、今回は日本が議長国となって、このG20を開いたというのも1つのトピックですので、改めて今議長国として会議を終えた感想・評価を教えていただけますでしょうか。

答)麻生大臣)これは2008年にリーマン・ブラザーズが破綻した時に、その当時ブッシュ大統領から電話をもらって「G7をやりたい」と言うから「G7では意味がない」と。「今、中国と韓国と日本のGDPを足したら、イギリス、フランス、ドイツのGDPを足したより大きくなるという事実を知っていますか」という話から始まって、この話はアジアからインドと中国と韓国、あとはオーストラリア、この5つを入れてというような話をして、結果的にあとの国をどうやったのだか知りませんけれども、アルゼンチンかとブラジルとかトルコとかいうのを選んでG20サミットというものをやったのが、その時の最初なので、それをやってその時に、イギリスがゴードン・ブラウンという人が当時の総理大臣だったのですけれども、第2回の会合をイギリスでやりたいと。この人は経済に詳しい人でしたから、あの時の大統領とかそういった地位におられる方で、経済の詳しいのはインドのマンモハン・シンとイギリスの大物ゴードン・ブラウンという人だと僕はそう思っていましたから、「いいんじゃないですか」と言って以来、日本ではその人の話を、最初の時はこっちでやらざるを得んかなと思っていましたけど、そういうことがありませんでしたから、それでずっと今日まで来て、日本が少なくとも安倍政権が戻って、経済が、少なくとも経済力が回復してきている今の時期ならというので、総理の方からお話があったので、我々としては今回頼んでみて、結果的に10年前にやるはずのものが今回になったので、そういった意味ではやれたという感じですけれども、まあ少なくともG20をやるという時に、正直大きくなってきていますから経済が、そういった意味では、色々参加する国も昔はたったの20と言うけれども、今はそれプラス周辺国というのが、例えば、ヨーロッパだとスイスとかオランダとかスペインとか大きな国が参加してきていますし、日本でも毎回この地域の国、今回もタイとか色々な国を呼んでおりますので、現実問題20カ国どころの騒ぎじゃありませんし、IMFとかADBとかそういった色々な国際機関がこれに加わりますから、そういった意味では、結構な数になりますので、これは正直思っているより大変だなという感じがありました。今日は終わった時はやれやれ、大体この種の会議が終わるのは大体もめにもめて、終わる時間が飛行機に間に合わないとかいう話になって、みんなばらばら抜けて帰らざるを得ないなんて騒ぎは毎回なのですけれども、きちんと5時ぴったりに終わった時には、5時2分ぐらい前に終わりましたから、「日本でやると正確に終わるだろう。会議ってのはこうやってやるのよ」ってな感じになったところは、ちょっとあの時は、時間内に終えてコミュニケも全部終わったって、これはコミュニケを出せないような騒ぎもよくありますからね。きちんと出せて時間内に終えられたというので、これは苦労したのは我々じゃなくて、後ろにいるスタッフですから、その人たちにしてみればやったという感じだったので、そちらの満足感はありましたね。

問)本日午前中に行われたアメリカのムニューシン財務長官とのバイ会談についてなんですけれども、どのような話がなされたのでしょうか。具体的に為替条項について意見交換がなされたかどうかについても教えてください。

答)麻生大臣)最初にこの種の会談では、相手が何を言ったか語らないルールがありますというのを聞いていなかったのか、聞いていてあえて聞いているのか、どっちですか。

問)聞いておりました。

答)麻生大臣)ということは、相手が何もしゃべらなくても、しゃべらなかったのですということしか、私の立場からは言えないです。あなたに言われたから答えるなんて言ったら、みんな何だ話が違うじゃないか、ということになるでしょう。だから、同じそういうことを言われてもしゃべれない、しゃべらないルールですからと申し上げたので、相手のムニューシン長官が何を言ったかということを答えることはありません。

問)わかりました。では、こちら側からはどういう話をされたのでしょうか。

答)麻生大臣)こちらからは、少なくとも向こうとの間で、今抱えている問題で為替条項でごちゃごちゃしているなんていうことは今ありませんから、今向こうから財務省がその種の話をアメリカ政府として、大統領就任の一昨年の2月、安倍・トランプ会談で為替の話は財務省のプロに任せると言って、スティーブン・ムニューシンと麻生とあの2人にさせるという話以来、トランプさんから少なくとも為替の話等が出てきたことは、私の記憶にはありませんから、そういった意味ではきちんとその種の話をしておりますので、2人の間で為替の話やら何やらということに関して、私どもの方から今回問題を提起するというような話はありません。

問)麻生先生にお願いなのですが、日本の消費税についてご説明されたと伺っております。これは現時点、世界経済、下方リスクはあっても、現時点では日本として消費税を実施することについてはご理解を得られたという理解でよろしいでしょうか。あとこちらに下方リスクから守るため、全ての政策手段を用いるというコミットメントの再確認はありますが、今はリスクがないので、今こういう全てのツールを使う必要はないという理解でよろしいということでしょうか。

答)麻生大臣)言い方は色々あると思いますけれども、何を引っかけようと思って言っているのかよく考えておかないとね、この種の話の質問というのは。だから、そこらのところは、今の段階で消費税というものに関して特に我々が上げようとしているということは、ちゃんと明確にもう何回も言っていますから、それに関して今回特に色々な異論が出たということはありません。

問)今回のG20、議題が幾つかあったと思うのですが、大臣として最も満足されている議題というものを教えてください。また先程議長国としての感想というところ、評価という話もありましたが、ちょっと恐縮なのですが、百点満点で申しますと今回のG20は何点をつけられますでしょうか。

答)麻生大臣)点数というのは他人がつけるもので、自分がつけるものじゃないのだよ。俺は子供の時からそういう家庭教育で育ったから、それを今更曲げるつもりはありませんから自分で自分の評価をすることはしません。
 それから、ううん、まあ、敢えて言えば、1つじゃない2つぐらいありますかね。やっぱりハイクオリティーインフラストラクチャーという言葉は、これは何と言うのだろうね、我々がつくってこの話を持ち出していったから、そのインフラストラクチャーのクオリティーなんて言ったら、何のこっちゃという話からスタートしたのが4年ぐらい前なのですけれども、今回ごそっときちんとはめ込むことができまして、G20としてハイクオリティーインフラストラクチャーという言葉の合意が出来たと。それと、6年前に持ち出したBEPSの話が、きちんとした方向が出されてきたというのは、よくここまで来たなという感じは正直ありますね。これは日本が議長じゃなかったら、たぶんここまで来られなかったのかなという感じはしますから、その意味では、この2つは正直、達成感みたいなものは少しある。ただこれはやっとここまできて、更に詰めていかないと駄目なのだけれども、税の話っていうのは、少なくともその国の国家主権の極みでしょ。その国家主権の極みである税金に、世界中で、政府で手を付けようというのだよ。簡単な話じゃありませんよ。税金の話で、国家主権の定義の話ですから、それをみんなで合意してやろうというのは、なかなかそれはね、簡単な話ではないと思っていますけれども。時間がかかるとは思っていましたけれども、少なくともここまで、皆が、ちょっとおかしいのではないか、いわゆるフェアじゃないのではないかといったようなことをやるのは、特に今の、デジタルという、情報通信機器の発達のおかげで、これがかなり容易にできるようになっている時代ですから、昔に比べれば。昔からやっていたのだろうけれども。これから容易に金が1秒でぱっと動いていくわけですから、なかなか追跡も難しいし、各国情報は全部出します、決められたところから情報は全部出しますというところまで来ましたから、それでも進歩だとは思いますけれども。いろんな形が動きつつある、そちらの方向でというところまでは来た、という感じがしますけれども。達成感といえばその一番手はその2つですかね。

問)先ほどありました、BEPSについてですけれども、成果が上がってきたという評価でしたが、フランスのG7でもこの話合いが行われるということで、ただこれ、OECDの作業計画が今回G20で承認されて、G7で話し合っていくというのは、実務の部分はOECDがやって、政治的なところをG7で考えていくということなのか、ちょっとやや、G7でやるというのは唐突な印象を受けたので、それに対する評価、どういう大臣としてお考えを持っているのか伺いたいというのと、もう1点、関連して、G7のフランス若しくはワシントンである一定の方向性を出したいという野心的な意向をフランスが示しているということでしたが、本日のG20の議論というのは、それを意識した上で議論を加速するという方向性で議論されていたのか、それとは別に、OECDの作業計画に沿って議論していくという方向だったのか、お聞かせください。

答)麻生大臣)技術的な話、税金の話というのはものすごく細部にわたりますからね、そういったものをG7の財務大臣・中央銀行総裁ができるわけがありませんから、そういう意味では、OECDの作業部会がこれでやっていく、というのが事実。それをきちんと権威づけるためには、G7なりG20というところである程度オーソライズされたものを作ってやらないと、事は動いていかない。技術的な話と政治的な話と、両方ないと少なくとも、各国の税をマルチに動かしていくなんていう話はなかなか。少なくとも世界で初めてやろうとしているのですから、そういった意味では、なかなか簡単に動く話ではありませんので、OECDは作業部会、G7もしくはG20はそれを裏付ける政治の世界、力、権威、そういう風に理解されたら良いのではないかしらね。

問)ちょっとローカルな質問で申し訳ないのですが、今回の会議は福岡市で過去最大規模の国際会議となったわけですが、先程麻生さんは、G20そのものの評価は出来ないとおっしゃっていましたけど、福岡市の受け入れ態勢などを評価していただけたらなと思います。出来たら点数をつけてお願いします。

答)麻生大臣)福岡市の点数をつける。

問)福岡県でもいいです。

答)麻生大臣)これは市ですからね、主に、やっているのは。高島さんの、いわゆるきちんとした対応というのがなかったら、これはここまで来ていませんから。やっぱり対応に井上貴博という福岡1区の人がたまたま担当に私どもにとっては財務大臣補佐官として、このG20福岡の財務大臣・中央銀行総裁会議対応担当ということになったので、県、市等みんなうまいこと連携してもらったし、まあ、前の日まで雨だったのがいきなりやみましたし、流鏑馬もとにかく驚愕するような、流鏑馬なんてテレビでちょろっとしか見たことない人がほとんどだし、日本人だってほとんど見たことない人はいっぱいいますからね。そういった意味で、あの馬がパッサージュ、パッサージュって意味分かるかな。パッサージュというのは早足じゃなくて、ギャロップだとどっと走ってくるので、矢を射るわけですけれども、あれを初めて見たという人は多いのではないのですかね。だから、そういった意味じゃ非常に印象に強かったのだと思いますよ。だから、その意味では外国人の方がえらく喜んでいたし、そういったのを含めて色々飯もうまかったし、とにかくえらい飯の評価も高かったし、外国人にしてみれば大きいでしょうな。ここまでだって、日本に来たのが初めてなんていうのも何人もいるわけですから、そういった、ましてや日本に来たのも初めてで、九州に来たのはもちろん初めてなんていうのがいっぱいいましたから、その意味では俺はここの選挙区だという話をして、少なくとも「ええっ」というような話をして、いや隣の選挙区だよ、まあ福岡県だからなんて話をして、みんな色々この話をしましたけれども、乗ってきますよね、やっぱりどんどんどんどん。だからそういった意味では、皆色々初めて来て何となく大阪、東京、京都ぐらいしか知らない人がほとんどなのですけれども、福岡というのを見て何となく、少なくとも海が近いとか飛行場からえらい近いとか、えらいクリーンとか、クリーンってきれいという意味で、色々そういった表現をしていましたけど、点数をつければもうほぼ100点に近いのではないの。それ以上言うと、高島がのぼせるかもしれないけど、俺、間違いなくそれに近いぐらいの点数をつけてもおかしくないと思いますけどね。

(以上)