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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(平成30年6月1日(金曜日))

 

 
【冒頭発言】

 本日、G7財務大臣・開発大臣合同会議、及び財務大臣・中央銀行総裁会議の第1日目の議論を行っております。
 まず、財務大臣・開発大臣合同会議では、「開発のための革新的なファイナンス」等について議論が行われ、日本から私と中根外務副大臣が参加しております。
 私の方から、持続可能な開発のためには、民間の資金動員が重要で、質の高いインフラ投資というものが、経済発展のための「自律的循環」の実現と、持続可能な民間資金動員を促進するので、大きな意義のあることを申し上げております。
 次に、民間資金動員のための革新的なファイナンスとして、保険メカニズムの活用が有効であることを述べ、自然災害に対する強靱性のため、日本が設立を主導した、太平洋自然災害リスク保険(PCRAFI)と、東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)を紹介しております。
 またパンデミックに対する強靱性強化のため、日本と世銀が主導したPEF、Pandemic Emergency Financing Facilityが去る5月22日に、コンゴ民主共和国で出ましたエボラ出血熱対策のため、設立以来初めて発動されたことを述べております。
 財務大臣・中央銀行総裁会議には、私と黒田総裁が出ておりますが、私の発言はセッションが分かれているのですが、「世界経済」のセッションでは、まず、足下の経済動向について、米国の金利上昇を受けて、一部の新興国の市場の通貨の下落等が見られているが、その要因は影響を受けている各国に個別のものであって、影響の連鎖が想定される状態ではないこと、また、新興市場諸国の強靱性が全体としてこれまでに比べれば強化されていること、また、G7は市場動向に引き続き注意をしていくことをG7首脳のメッセージとして出すべきだということを主張しています。
 貿易、米国について、いろいろ鉄鋼及びアルミニウムの輸入に対する追加関税措置は極めて遺憾なことなのであって、米国において今般、輸入自動車に関する調査が開始されていますが、一方的な保護主義的な措置による内向きな政策はどの国の利益にもならない、自由で公正な貿易を通じて世界経済の成長を高めていくことが重要であることを述べたほか、アジア太平洋におけるハイスタンダードな貿易・投資の枠組みを確立する、いわゆるTPP11が、この3月に署名を行ったこと等を説明しております。
 また、中国を念頭に「非市場経済国」の国際ルールへの取組についても議論を行っております。具体的には、借入国の債務透明性の向上のために、「借り手側」の能力には限界があるので、中国を含む公的債権者に民間債権者を加えた「貸し手側」の取組は不可欠、また、中国のパリクラブの正式加盟、これ、今、準会員しかなっていませんので、正式加盟を促していく必要がある。また、輸出信用に関する新しいガイドラインの策定の議論を急ぐべきであるということを具体的には申しております。
 国家安全保障の観点からの投資規制については、それぞれの法制度や課題について、G7で情報を公開していくことを提案しております。
 次のセッションで「強靱なグローバルシステム」の話題になったのですが、金融活動作業部会、いわゆるFATF、及びMDBs等のガバナンスのあり方についても議論をしております。FATFへのハイレベルな関与強化のため閣僚級会合等の頻度を上げるべき、もっと頻繁に会うべきだということを発言しております。
 また、MDBsについては、各機関の個性を尊重しつつ、MDBsの、いわゆる債務持続可能性とか環境社会配慮とか調達等において世界最高レベルの基準を備えることを目指すべきであると発言しています。
 「暗号資産」、これは、まだ日本では暗号資産となっていないのですが、バーチャル・カレンシーズ、今、世界的にはクリプトアセットと言うのだから、「疑似通貨」から、「クリプトアセット」というのが世界の言い方に変わってきていますから。これはセッションでは各国間の、いわゆる規制の枠組みの不整合性について議論しております。
 私からは、G7として、まず規制等のギャップや不整合の特定のための情報共有、意見交換を行うことが有益、日本は、マネロン・テロ資金供与対策に関するFATFでの議論をリードしていく考えであり、各国に協力を要請したいということを発言しております。
 次の「包摂的成長」のセッションでは、包摂的成長は、保護主義への対抗からも重要、各国はそれぞれの状況に応じた対応策を自国の国内政策として講じていくことが必要であることを発言しております。
 次の「現代経済への適応」のセッションでは、EU等によるデータ保護規制の強化等も議論になったので、私からは、技術進歩への対応には、人的資本の向上のための教育がまず鍵になります、日本でも、消費税率引上げによる増収分の活用によって、幼児教育の無償化、低所得層を対象とする高等教育無償化を実施するとともに、リカレント教育を抜本的に拡充し人的資本への投資を充実させる方針であること、また、国際協調に基づいて対応する分野として、財務大臣が強みを持っている国際課税及び金融セクターの分野が重要であること、また、個人データの取扱いの問題というのがあるのですが、幅広い視点から検討すべき重要な課題であること、金融機関のマネロン・テロ資金供与対策には、個人に関する情報取得が極めて重要であること等を指摘して、EUがデータ保護制度とこれらの取組との整合性の確保が図られるよう、国際協調を行っていく必要があること、を発言しております。
 バイの会談、昨日アメリカのムニューシン財務長官及びイギリスのカーニー中銀総裁と行っております。
 スティーブン・ムニューシン財務長官との会談では、世界経済の幅広いテーマに関して意見交換を行っておりますし、貿易については鉄鋼・アルミニウムへの関税措置及び自動車に関する調査について、日本の立場を伝えております。
 また、北朝鮮による核・その他の大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄に向け、引き続き日米で連携して最大限の圧力をかけていく必要があることを言っております。
 マーク・カーニー中央銀行総裁、イギリスですけれども、との会談では、国際的な金融規制のあり方、また英国のEU離脱について等の意見交換を行わさせていただいております。

【質疑応答】
問)

 貿易のところなのですけれども、カナダは今回の議論が難しいものになるというふうに、会議の始まる前に言っていたのですが、会議の雰囲気はどうだったかというのと、実際どういった議論がなされたのかというのをお聞かせください。

答)

 議論の中身を個別に言うことはありませんけれども、そうですね、この種の会談であまりなかったと思いますけど、アメリカ以外は全部という形になりましたからきつかったでしょう。そんな感じがしました。きつかったというのは誰がきつかったかわかるでしょう。

問)

 アメリカの鉄鋼・アルミの輸入制限について、カナダ、EUはWTOに提訴していますが、日本もそういうことをする可能性はありますか。

答)

 この流れを見てから検討していかなければいけないでしょう。もうちょっと今の段階で、どうするこうすると、今の段階で決まっているわけではありません。いろいろと準備をしています。

問)

 関連で個別のお話は出来ないということでしたけれども、アメリカの方は自分たちのとった措置についてどのように正当性の説明をして。

答)

 まあ、苦しいね。

問)

 あまり理解は得られていないと。

答)

 苦しいって、ほんとこの話は自分に言っても無理と。大体、担当ではないしね。自分は鉄鋼・アルミに関係しているわけではないから、そういった意味では極めてきつかった、かわいそうだった、かわいそうって同情するような話ではないけど。

問)

 予定より早く終わったと思うのですけど。

答)

 今日の会議は休憩時間を外しましたから。休憩時間なしです。

問)

 ムニューシンさん、議論が発展しなかったと、言ってもしようがないよという関係で早く終わったのではないですか。

答)

 そんなこと全然関係ありません。えらい盛り上がっていました。盛り上がったって、ムニューシン財務長官にしては盛り下がったのでしょうけど、それは結構しんどかったでしょうね。

問)

 昨日もバイの場が、アメリカとの二国間協議であったと思いますけど、昨日の場で大臣がお話しされたところと、アメリカ側の昨日の反応というのはどういう感じだったのですか。

答)

 アルミと鉄鋼については、とても自分だけでやれる範囲ではないのだというところですな。

問)

 カナダで聞くのは恐縮なのですけど、霞が関と比べてカナダの空気は大臣いかがですか。

答)

 寒い。

(以上) 

財務省の政策