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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣・ペンス副大統領共同記者会見の概要(平成29年4月18日(火曜日))

 

 麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣とペンス副大統領による日米経済対話終了後の共同記者会見の概要(同時通訳)は以下のとおり。

【冒頭発言】
副総理)

 ペンス副大統領を、桜がまだ残っております日本にお迎えすることができたことを、大変うれしく思っておるところです。先月でしたか、ワシントンで盛大に桜祭りが催されておりますけれども、まだ余韻をこの東京でも、まだ少し残っておりますので、感じていただけることではないかと思っております。ペンス副大統領はインディアナの知事時代に日本を何度となく訪問され、多くの日本企業というものをインディアナに誘致される等日米関係の強化にこれまでも精力的に取り組んできておられる方です。そうした長い間にわたる日本との友人関係の間で、2月に総理のお供で訪米した際、いろいろな会話をさせていただき、間もなく、本日ここに日米エコノミック・ダイアログをキックオフし、日米関係の新たな1ページを開くことができたことを大変うれしく誇らしく思っているところです。
 安全保障と経済というものは、これは日米同盟の両輪ですし、アジア太平洋地域の安定のためには経済的な繁栄が不可欠なのだと思っています。今日の対話で日本とアメリカ、ウィン・ウィンの経済関係をより一層深めていくという観点から、ペンス副大統領とじっくり議論をさせていただくことができたと思っております。今後の日米の経済対話について、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略、経済及び構造政策分野での協力、分野別協力、の3本の柱で議論を進めていくことで一致をしました。
 貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略については、先般の日米首脳会談において、両首脳が自由で公正な貿易のルールに基づいて、日米両国間及び地域における経済関係を強化するということに引き続き完全にコミットしているということを確認しておられます。こうした共通認識のもとで、少なくとも日米関係を一層強化し、日米のリーダーシップで貿易投資及び投資の高い基準を作って、アジア太平洋地域に自由で公正な貿易ルールを広げていきます。地域の不公正な貿易慣行の是正に向けて日米で協力を進めることで合意をしております。WTOの紛争解決手続きの活用等を念頭に置いて、日本としても外務省の紛争解決部門や経済産業省に新設されました通商法務官のチームを含めて、日米関係当局間の連携をこれまで以上に緊密にしていきます。
 経済及び構造政策分野での協力では、G7で合意した財政・金融・構造改革の3本の矢のアプローチを日米で積極的に活用して、バランスのとれた力強い成長を主導していくための議論をしていきます。日米を取り巻く国際的な経済及び金融情勢についても意見交換し、緊密に連携をしていきます。
 分野別協力では、高速鉄道のインフラとかエネルギー等日米が協力できる様々なテーマを取り巻いて、日米経済を多面的に進化させていきます。
 これら3本の柱のもとで今後日米経済関係をさらに大きく飛躍させ、日米両国でアジア太平洋地域、ひいては世界の経済成長というものを力強くリードしていきたいと考えています。
 また、ペンス副大統領との間で年内、双方の都合のよい時期に第2回経済対話を開催することで一致しております。日米がウィン・ウィンの経済関係を一層深め、日米関係の新たな歴史を築くため、ペンス副大統領との間で今後も建設的な議論をしていきたいと考えています。これまで日米関係というのは「摩擦」でスタートしたものが、初めて「摩擦」ではなく、「摩擦」から「協力」に変わって、そういう大事な1ページがここに開けたのだと考えています。

副大統領)

 こんにちは(注:日本語で発言)。麻生副総理のすばらしいおもてなし、友情、そして寛容さに感謝します。また、日米関係強化のための不断の尽力に感謝します。副大統領として初のアジア太平洋訪問として、日本を再訪することができて光栄です。
 今般、トランプ大統領からの伝言を携えて訪日しました。本日はじめに大統領に代わり安倍総理とお会いする光栄に服し、日米同盟がアジア太平洋地域の平和、繁栄及び自由の基軸であることを確認できました。米国は、日米二国間の強固な関係にコミットしており、両国間の友情を深化させることは、両国国民のみならず、世界の人々の利益となるものです。
 既に我々の関係は強化されてきています。安倍総理は、トランプ大統領がホワイトハウスに招待した一番最初の指導者の一人です。両首脳は南の「ホワイトハウス」(注:マーララゴのトランプ大統領の別荘)でも会談を続け、良好な個人的関係を強固にしたと確信しました。この関係は既に両国に利益となっています。両首脳の関係は、同盟国である日本への大統領の多大な敬意の証左です。
 本日、米日両国がこの地域だけでなく世界全体の民主主義と法の支配のために結束してから、半世紀以上が経過しました。明日、横須賀海軍基地の空母ロナルドレーガンのデッキから演説しますが、これは両国がアジア太平洋地域の平和と安全保障へコミットし、結束していることの端的な証左です。米国は、この地域の最も大きな軍事的脅威である核武装した北朝鮮体制に対処するために、日本及び韓国を含む全ての地域の同盟国と協力していきます。
 ここで明確に述べたい。我々のコミットメントは揺るぎないものであり、我々の決心はこれ以上強いものはありません。トランプ大統領が安倍総理に南の「ホワイトハウス」で述べたとおり、大統領に代わり、日本の全国民に対し、この困難な時期において、我々は日本と100%共にいることを申し上げたい。
 北朝鮮の脅威に対しては、米国は同盟国である日本や、韓国に加え、中国と連携しており、朝鮮半島の非核化のために経済的及び外交的圧力を加えていきます。全ての選択肢がテーブルにあります。米国は日本とともに平和と安全保障を実現していきます。
 日本の周辺海域における挑発行動に対し、現在そして今後も、日本の防衛と繁栄のために米国が一緒にいることを述べたい。
 トランプ大統領と安倍総理の指示に従い、我々は本日、経済対話を正式に立ち上げました。本対話は、日米両国に、経済関係強化、すなわち、強力な基礎の上に、雇用促進、繁栄強化を目指すことを目的としています。我々は強力な基礎の上に立っています。トランプ大統領が述べたとおり、両国はこれまで長い間成功してきましたが、本日は、両国の経済関係における新たな日と第一章の幕開けです。
 実は毎日のように、両国間では、人々の生活向上のため、両国のビジネスのために、貿易・投資が行われています。
 日本は米国にとっての第4位のモノとサービスの貿易相手かつ輸出市場です。日本は米国に対する主要な投資国の一つであり、日本の対米直接投資は、4000億ドル以上に積み上がっており、第2位の規模です。
 自分は前職のインディア州知事時代に、このような貿易投資関係が両国にとってどれほど有益であるかを現場で目の当たりにしました。自分は、2013年、2015年に、経済関係の強化、雇用創出、成長のための機会創出のために、同州のビジネス界と地域指導者を率いて訪日しました。
 本日の米日経済対話は、両国のために全く同じ目的を有しています。これは、トランプ大統領が二国間アプローチを活用し、日本との経済関係を強化するコミットメントを表しています。
 本日の麻生副総理との経済対話は、本対話の構成と目的を幅広く議論するための機会でした。副総理と自分は、本対話が、副総理がたった今述べられた3つの主要分野に注力することを確認しました。
 第1は貿易及び投資のルール/課題に関する共通戦略です。
 我々は、日本を含む全ての国との関係で、より強く、よりバランスのとれた二国間の貿易関係を追求していきます。我々の目標は単純であり、我々は自由で公平な貿易を求めます。これは、我々の企業が市場アクセスを享受するために、障壁をなくすことを必要とします。
 第二の柱である、経済及び構造政策分野での協力では、特に財政・金融政策に特に注力しています。トランプ大統領は、米日両国にとり、持続可能な財政・金融政策が両国の経済の成功のために鍵となることを確信しています。
 最後の柱である分野別協力については、日米両国で協働することによって、より強固な日米関係を構築する新たな方途を見つけることができると確信しています。
 本日は、米日両国のパートナーシップのために重要な日であり、その一翼を担うことができて心から光栄に感じています。
 経済対話は、我々に、両国の長期にわたる成功にとって極めて重要な経済問題に対処するための、新たなフォーラムを提供します。今後、商務省、財務省、USTR等の関係省が、具体的な成果を得るため、それぞれの柱での議論を主導し、その結果を自分に報告する予定です。
 副総理と自分は、今後数ヶ月以内に、これらの省庁からの報告を受けることを心待ちにしています。我々は、各分野の進捗を議論する目的で、年末までに再度会うことに合意しました。
 トランプ大統領と自分は、安倍総理及び麻生副総理と協働することで、両国の機会、両国民の合意のために、新たな章を開くことを確信しています。大統領は、日本との二国間経済関係の深化に尽力しており、本日はそれを反映しています。
 トランプ大統領と自分は、安倍総理と麻生副総理が、相互に利益となる経済関係という我々の目標を共有していることに感謝しています。また、経済対話を通じて、米日における雇用、繁栄、経済成長の創出のための平等なパートナーシップを、平等を基礎にして実現するという我々のビジョンのために、お二人と協働できることを楽しみにしています。
 両国間の商業関係と友情を強化していくべきであり、我々の新たな繁栄の時代を迎えていると確信しています。
 インディアナ州知事として、250社以上の日系企業が進出していることを知る光栄に服しましたが、その際に「絆(注:日本語で発音)」という日本語が、我々の相互理解、相互の尊重を反映する言葉であるということを学びました。そして、これを基礎に、重要な米日経済対話を進めたいと思います。
 副総理に会合をホストいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。大きな期待を持っています。

【質疑応答】
問)

 麻生副総理とペンス副大統領に伺います。アメリカのトランプ政権がTPP協定からの離脱を表明して以降ですね、日本国内ではアメリカの通商政策に非常に関心が強まっています。通商代表に指名されたライト・ハイザー氏は農業分野の通商交渉で日本が第一の標的になると述べていますけれども、日米双方として今後は通商交渉をどのように進めていこうとお考えでしょうか。また、最終的にはFTAの締結を目指すことになるのでしょうか。よろしくお願いします。

副総理)

 今回のエコノミック・ダイアログ、経済対話では貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略ということで、自由で公正なルールに基づく貿易とか、また投資というものは、これは日米だけではなくて世界経済にとっても成長と繁栄というものを実現するために不可欠な価値なのだということで、行動原則は基本はこれだということに関しましてはペンス副大統領と改めて確認をさせていただいております。
 その上で、アジア太平洋地域において、いわゆる現状をよく踏まえて、地域のルールというものをつくるというのを日米主導できちんとやっていくということが重要なのではないかということを話し合っております。具体的には日米両国で貿易投資というものの流れをさらに加速していく、増強していくというだけではなくて、高いレベルで公正なルールというものを日米基軸でアジア太平洋地域に広げる等、これが日米同盟の経済的な側面というものを強化していきたいということを話し合っております。
 日米の関係というのは、かつては「摩擦」、大体、経済摩擦とか何とか摩擦とか、いろいろ言う摩擦でスタートしたのですが、そういったものが、「摩擦」が象徴だったという時代から明らかに「協力」という時代に移りつつあるということだと思っております。どちらが一方的に何を言うとか、言われるとかということではなくて、大局的に、かつ戦略的な見地というものから、二国間の枠組みの意義のあり方について建設的な議論をスタートさせていく、積み重ねていくというのが今日の第一歩だったというように理解をしています。

副大統領)

 麻生副総理のお言葉に感謝します。過去にTPPを進めてこられた方々に多大な敬意を払いつつも、米国にとってTPPは既に過去のものです。トランプ政権はTPPから正式に離脱する決定を行い、それが我々の今後の方針です。
 しかし、本日、米国はアジア太平洋地域と世界中の他パートナーに手を組んで、少なくとも、二国間ベースで、貿易を含む経済的機会を拡大するための可能性を始めると決意していることが明らかになったと思います。
 トランプ大統領は二国間枠組みで貿易協定を交渉(negotiate trade agreements on bilateral basis)することが米国の利益であるとの信念を持っています。それが、他国にとってウィン・ウィンになるかどうか評価するための枠組みを作り出すのです。
 しかし、副総理がまさしく述べられたとおり、本日、我々は経済対話のプロセスを開始していますが、その結果が、将来的には二国間貿易協定の交渉になっていくかもしれません(may result in bilateral trade negotiation in the future)。そのため、我々は両国が経済関係を強化できる分野を特定化することを始めています。そして、将来のある時点で、FTAのための正式な交渉を開始するとの決定が両国間でなされるかも知れませんが、その点は将来に取っておきたいと思います。
 しかし、これらの議論は、二国間で交渉することが米国にとって最善の道であり、かつ、そのような協定に参加する国にとっても最善の道である、との大統領の見解を正確に反映しています。米国は、米国の雇用と機会拡大のために、そして世界の繁栄のために、世界中の国と二国間ベースで取り組んでいきます。

問)

 ペンス副大統領に聞きたいと思いますが、北朝鮮に対する外交的な、経済的な圧力をかける、増していくということなのですけれども、対話のための対話というのは避けた方がいいという首相からの発言がありましたが、平和的な解決ができるということで北朝鮮はそういった会話ができるように何か具体的な措置をとらないといけないか、お答下さい。
 そして麻生副総理に対して。アメリカの安全保障を見て、日本側の思いやり予算を考えて、トランプ大統領から日本にもっと負担してほしいということなのですけれども、お答えをどうぞよろしくお願いいたします。

副大統領)

 朝鮮半島の非核化というのはアメリカの長期的な政策であり、韓国の政策でもあり、日本の政策でもあります。中国もそうです。そして世界中の国の長期的な政策として存在してきました。しかし、過去20年、この対話の失敗を見てきました。1990年代の枠組みの失敗もあり、6カ国協議の失敗がありました。こちらが誠実に取り組んだが、北朝鮮がそれに対して挑発行為を増す一方でした。そのため、戦略的な忍耐の時代は終わりました。トランプ大統領から明確な発言がありましたが、アメリカの政策はこの地域における、同盟国と手を組みます。日本の安倍首相と相談することも話しました。昨日も黄(ファン)大統領代行と相談することもできました。そしてトランプ大統領は中国の習近平主席と話すこともできまし。中国もこの非核化にコミットしているということがわかりました。
 私は、こういった国を団結させて外交的かつ経済的な圧力をかけることによって、この朝鮮半島の非核化をいつか実現する可能性があると思います。テーブルの上に全ての選択肢がありますが、トランプ大統領とトランプ政権は全ての国が協力して北朝鮮に対する圧力をかけて、永久的に核計画を廃棄して、弾道ミサイル計画を廃棄してもらいたいと思います。安倍首相も仰いましたが、本日、対話のための対話は無意味だということで、圧力をかけることが大事です。米国は、今信じているのはやはり国際社会が外交的な圧力、または経済的な圧力を活かして、北朝鮮に対してかけて、今までは20年以上もそういった圧力をかわしてきた北朝鮮ですが、我々は断固たるスタンスを持って、非核化した朝鮮半島を実現できるまで、私たちは休むことはありません。

問)

 トランプ大統領は選挙中、何回も、日本に対して、共同して防衛負担を、日本がもっと負担してほしいという話をしましたが、その注文に対する答えというのは、日本はどのように考えていますか。

副総理)

 今のお話ですけれども、この日本の例えばディフェンスに関することで言わせていただければ、この前、ジェームズ・マティス国防長官がお見えになったときに話をさせていただきましたけれども、少なくとも例えばホストネーションサポート、思いやり予算と日本語では言うのですけれども、このときにホストネーションサポートの話というものに関しては、日本が非常に教科書のようだと。
 日本はホストネーションサポートで75%を払い、韓国は50%、ドイツが30%、イタリアが40%というのが実態ですから、これを見て御理解をいただいたところだと思っていますし、また、日本の最近の安倍内閣になってからの防衛費の配分の仕方というのを見ても、一番問題の海、海自に対して一番傾斜配分を厚くし、それから空、陸というふうな形にしているのも極めて正しいという話をしていることに関して、少なくともこれ以後、ジェームズ・マティス国防長官含めてアメリカの軍関係者から日本の防衛に関しての御意見とか御不満というのを少なくとも私の段階で聞いたことがありませんので、こういった話をきちんと双方で今後ともしていく、両方できちんとした情報を交換するというのが一番大切なので、特に今、東シナ海とか朝鮮半島とか日本海というような、このきな臭いエリアにおいては、我々としてはこの情報交換なり、インフォメーションというものなり、現地の情報の交換というものをきちんと継続してやっていくということが極めて大事なのだと思っています。

 

(以上)

財務省の政策