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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和元年5月17日(金))

【質疑応答】

問)昨日、自民党の財政再建推進本部が党としての財政再建の基本方針を取りまとめまして、この中でリーマンショックのような出来事がない限り消費税率は今年10月に予定どおり引き上げるべきと明記しました。政府を後押しする内容なのですけれども、一方で自民党内には景気の動向をよく見極めて必要であれば追加の経済対策を検討すべきだという意見もあるようです。来週月曜日にはGDPの速報値も予定されておりますが、追加の経済対策はそれ次第で必要になるとお考えか、お聞かせください。

答)推進本部において昨日、共通基本認識が取りまとめられたことは承知していますけれども、今言われたとおりなので、私共としては政府として常々申し上げてきたことと認識が一致しているのだと思っています。今回の引き上げに当たっては、前回8%に引き上げたときの経験も踏まえていろいろ施策というのを総動員して経済に対しての影響を極力及ぼさないようにということで、全力で対応しているのですけれども、GDPの公表というのがありますので、その対応について予断を持ってお答えすることは差し控えますけれども、日本経済の現状についてと言えばこれまでから申し上げてきたとおりなので、少なくともGDP等の伸びを見ても企業収益を見ても、安倍内閣がスタートした時、企業収益48兆だったと思いますから、それが今83ということは35ぐらい伸びていますし、企業収益が、やたら大きく伸びているというのも事実ですし、GDPも人口が減っているのだから伸びないという話をしていたじゃない。だけど現実問題としては約1割伸びていますから、そういった意味では間違いなくこの6年間の伸びというのははっきりしているし、現状においても、少なくとも内需を支えるという意味でのファンダメンタルズというのはしっかりしていると考えていますので、いずれにしても本年度の予算が成立してスタートし始めつつあるところなので、そういったものをしっかりと素早くというか、速やかに予算執行していくということが重要なので、そういったものをいろいろ考えながら今後対応していかなければいけないところだろうと思いますけれどもね。

問)アメリカ政府が中国の通信機器大手ファーウェイの締めつけを強化しまして、アメリカ政府の許可なくアメリカ企業がファーウェイに電子部品などを販売することを禁止することを発表しました。米中の貿易摩擦に加えましてこうした措置で中国への圧力が強まることで日本経済への影響等についてどうお考えか、お聞かせください。

答)ファーウェイに部品供給等をしている会社というのは日本にもありますから、そういった意味ではサプライチェーンというものがかなり複雑になってきていますので、そういったものから日本企業へ直接とか間接とかいろいろな形での影響が出るという可能性について、現時点でそれがどれくらいどうなるかということを一概に申し上げるということはできないのだと思いますが、いずれにしても米中間で行われている貿易摩擦というのはなかなか簡単にいきませんよということは前から申し上げているとおりなので、この間もワシントン、北京と2回ぐらいやっていますけれども、いずれも答えはなかなか難しかったというようなことなのですが、いずれにしても双方にとって非常に大きな貿易関係がありますので、そういったものがうまいこと決着するというのがどんな形になるのか、それがどういう形で出てくるかがわからない段階で、今我々としてその関係が直ちにどういった形で影響が出てくるかというのを一概に申し上げることはできないのですが、少なからず影響が出てくることは覚悟しておかなければいけないということは確かでしょうね。

問)先週も国会で話題になったMMT、現代貨幣理論について大臣のスタンスを確認したいのですけれども、例えば自国通貨建ての国債はデフォルトしないとか、こういったMMTの考え方自体は間違っていないけれども、政策に反映するつもりはない、そういったスタンスでよろしいでしょうか。

答)今の景気というもののまず考え方の基本的なことを言って、金融政策を緩めれば景気がよくなるという話だろう、あれは基本的に。そういうことを言っているわけだよね、あのMMTね。そういったことを言っているのですけれども、今の経済の問題はお金の話ではなくて需要の話なのですよね。わかっていない人がいっぱいいろいろなことを書いて、しゃべったりしているけれども、需要がないのにお金を緩めても需要は出てこないのですよ。そこのところが一番の基本なので、需要がないのにお金を出しても、それが銀行にたまりますけれども、銀行から先にマネーサプライとして外に出ていかないというところが最大の問題ですから、それがまずMMTのことに関して一番の問題点だと思いますね、議論として。それからMMTの話というのはそういった意味で、日本銀行がやっているのはMMTを知らない間に黙ってやっているのではないかという話を言っていたのがいたね。しかし現実問題として、日本銀行がやっているのはデフレーションによる不況というものに対しての対応が基本ですから、別にMMTなんていうような理論というものに関して、それに従ってやっているということは黒田総裁の頭の中に微塵もないと思いますから、そういったのも違うと思いますね。この話をしている人というのが一部におられるのは知っていますけれども、それがいわゆるアメリカとかその他の、こういった話をしている人の大勢になっているかというと、それは全然なっていないと思いますし、日本でもこれを、実験をしてみようというようなことを我々としてはやるつもりは全くないということはこれまでも申し上げてきたとおりです。

問)大臣も過去のご発言の中でも自国通貨建ての国債がデフォルトすることはないとおっしゃっていることもありますが、そのあたり、根本的な考え方のところは間違っていないという理解でよろしいですか。

答)間違っていると思いますね。だって景気対策なのでしょう。MMTは何のためにやるわけですか。景気をよくしたいのだろう。

問)景気をよくするために緊縮財政にこだわらないという考え方だと理解していますが。

答)景気をよくしたいというための目的なのだと思うのだね、あの話を聞いていると。この話は目的と手段を勘違いしている人がいっぱいいるけれども、目的は景気対策というのであれば、今の景気対策は、需要がないのが問題なのであってお金がないという問題ではない。少なくとも世の中にお金があってもお金を借りに来る人がいないという前提で書かれた経済学の本を俺は知らないので、あったら紹介してもらいたいのだけれども。そういった意味ではお金があれば必ず人は借りに来るという前提である程度経済学の本というのはみんな書かれているのですけれども、今はそういう状態じゃないという状態が起きているというときになって、今の話はさらにお金を刷ればどうということはない。それは確かに自国通貨でやることに関しては海外から外国人が買っても、自国の通貨でやっていることに関しては、いわゆるギリシャと同じとなるとか言っていた訳のわからない、経済のわかっていない総理大臣もいたけれども、そういったようなことではありませんから、日本の場合は。現実問題としては状況が違うとは思いますけれども、少なくとも景気対策としてのMMTという話には、我々としてはちょっと乗るわけにはいかないと思いますね。

問)3月決算の企業の発表があらかた終わって、特に地方銀行、ほとんど終わっているのですけれども、利ざやで稼ぐ伝統的な銀行業で、地方で稼ぐということが難しいことがだんだん、さらに厳しくなっている状況が明らかになっているのですけれども、この地方銀行の決算の受け止めと、今年からこの決算を踏まえて金融庁としてはあらかじめ事前に行政処分の検討、先々を見て行政処分を検討するという方向性を出していますけれども、それを踏まえてこれからどういうふうに地銀の決算を受け止めていくか、その2点をお聞かせください。

答)地方銀行に限らずメガバンクも、メガバンクの場合はみずほが特別損失を出していますからあそこはちょっと違うと思いますけれども、その他の地方銀行においても収益がマイナスもしくは減益ということになった比率が高まってきているというのは事実だと思いますけれども、地方の銀行の場合、収益という面でいくと利ざやというものが低金利になってきたために、いわゆる利ざやで稼ぐということがなかなか難しくなってきているというのは事実。これは何も今に始まったことじゃありませんから、ずっと続いてきた話なので、地方によって差があるのは、人口減になっているところは当然その分比率が高くなってきている、いわゆる減益になってきた部分が高くなっているというのは、経営環境の厳しさが増しているというのは確かだと思いますけれども、現時点において私共として考えているのは、銀行間によって差があるし、いろいろありますけれども、金融システム全体として総体としておかしくなっているというわけでは全くありません。利幅が少なくなってきているということは理解していますので、今までと同じような、従来と同じようなやり方だけではなかなか収益が出しにくくなってきている。だから今までのように担保がなければ金を貸せないとかという話ではなくて、いろいろ事業とか、その仕事の内容を見て、リスクをとって金を貸していくとか、いろいろな形で企業を育てていくとかというようなものが、我々としてはもっと地銀としてそういったものを積極的にやっていかなければいけないというような経営のやり方をしているところというのはそれなりのものが出てきているように思いますから、地銀によってその内容がいろいろ違ってきている。経営姿勢とかそういったものでいろいろ違ってきているのだと思いますので、我々としては今言われたように行政処分ありきでスタートしているわけでは全くありませんから、そういった意味では地銀としていろいろな努力をしてもらわなければいけないというところだと思います。

問)アメリカのトランプ大統領が日本と欧州の自動車に関して輸入数量制限をかけるという大統領令を検討されているという報道が出ていますけれども、昨年9月の共同声明では精神に反する行動はとらないというふうに合意していると思いますけれども、日米貿易交渉に与える影響、もし仮にそういった大統領令が出た場合にどうなるのかという大臣のお考えを教えてください。

答)通信社の報道だろう、あれは。政府が正式に、米国政府から別に公表されているわけじゃないだろう、あれは。だから、今の段階でどうでしょうねと言われても、あたかもそれを期待するような話をするわけもありませんから、そういった意味では言うあれはありませんけれども、少なくとも貿易交渉が今いろいろ、ライトハイザーと茂木さんの間で行われている間、少なくともこういったような話で、232条という話をやるという話は、追加関税ということになるのでしょうけれども、そういったものをやろうとしているという話は、そういうことはしないという話で今交渉している最中なので、今言われた話について特にコメントすることはありません。

問)欧州委員会が三菱UFJ銀行に欧州の外国為替市場でカルテルを結んでいたとして約7,000万ユーロの制裁金を科したのですが、このことへの受け止めと日本の当局としての対応を聞かせてください。

答)日本の三菱に対して、これは何も三菱1行以外にも欧州の銀行はみんなかんでいますからね、この話は。三菱銀行だけで85~86億の制裁の話になったと公表したというのは知っていますけれども、内部管理態勢とかいろいろなものの話なのだと思いますので、コンプライアンス、法令遵守というのですかね、そういったものをきちんとやっていかなければいけないということ。それは事実なのであって各行、三菱、ヨーロッパの銀行を含めてみんながそういったものを認めているというのであれば、法令遵守という点からいってきちんとやっていかなければいけないということなのだと思いますけれどもね。

(以上)