財務総合政策研究所

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イノベーションを通じた生産性向上に関する研究会
第4回会合
平成29年12月21日(木曜日) 10時00分から12時30分
於: 財務省4階 西456「第1会議室」

第4回会合

議事要旨
講演:「ブロックチェーンと生産性向上」

  報告者:高木 聡一郎 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授/主幹研究員、研究部長
  報告資料(PDF:2024KB)

講演:「“シン・ニホン”AI×データ時代における日本の再生と人材育成」

  報告者:安宅 和人 ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
  報告資料(PDF:5514KB)

講演:「生産性向上に向けた需要創出」

  報告者 : 吉川 洋 立正大学経済学部教授/財務総合政策研究所名誉所長
  報告資料(PDF:2710KB)


議事要旨

(1) 講演「ブロックチェーンと生産性向上」

       高木  聡一郎  国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授/主幹研究員、研究部長


報告資料(PDF:2024KB)

1.ブロックチェーンとは:仮想通貨を中心に
仮想通貨であるビットコインの価格高騰が続いている。仮想通貨は判明しているだけで約1,300種類、仮想通貨全体の時価総額は約30兆円にも上り、その約半分をビットコインが占めている。
ブロックチェーンの定義は定まっていないが、通常は三つの要素が含まれる。一つはデータの連結によりデータ改ざんが困難になる特性、二つ目は情報資産とエンティティ(主体)の紐付けによる情報の所有、流通、用途の管理への適応、三つ目はP2Pでのデータ管理・合意形成による信頼性向上と中央管理者を必要としない性質である。
上記三つの要素から考えると、ブロックチェーンはインターネット技術の上に構築される価値(資産)交換の分散型インフラ技術だと言える。現在のインターネット上でも企業が仲介する形であれば資産の移転は簡単に行われているが、ブロックチェーンはそのような仲介者無しで、資産の移転の履歴を管理できる点が、現状のインターネットとの相違点である。
スマート・コントラクトという仕組みは、静的データの保存を行うデータべースとしての機能だけでなく、その上でソフトウェアが動作するプラットフォームとしての機能も持ち合わせている。ブロックチェーンは、スマート・コントラクトの仕組みにより、分散されたネットワーク型のコンピュータとして、誰もが使えるインフラへと変化している。
分散型台帳の更新は、自由競争の中で参加者が新規ブロックを作成し、最速で作成した参加者がそのブロックを共有することで行われる。最速で新規ブロックを作成した参加者には報酬としてビットコインが得られることとなっている。ビットコインには中央銀行のような機能や決済サービスのような機能もあるが、それを組織ではなく分散化された参加者の間で分担して行うのである。
マイニング(ブロックを作る作業)の競争が激しくなることにより、ビットコイン価格の高騰、マイニング難易度の上昇、計算処理に伴う消費電力・電気代の上昇を招いている。電気代は年間約17億ドルに上ることが分かっている。
マイナー(ブロックを作る人たち)が寡占状態の中、決定事項を強制するメカニズムがないため、仕組み改善を行う際に合意形成できず分裂しやすくなっている。その結果として2017年8月にはビットコインからビットコイン・キャッシュが分裂し、その後分裂が続くに至った。
2.ブロックチェーンとは:様々な用途への展開
ブロックチェーンは、仮想通貨に限らず、学歴の終了証書やダイヤモンドの所有、食品やチケットの偽装防止など、様々な用途に利用できると考えられている。また、ベンチャー企業がICO(Initial Coin Offering)で当該企業のサービスをコインで売り出し資金調達する方法もある。さらに、「自律的分散組織」の特性を活用した、新しい組織の作り方やビジネスのやり方を試す動きが出ている。
暗号通貨の応用の事例として、英国の労働年金省が、マンチェスター市において生活保護費の給付に仮想通貨を使う実証実験を行っている。生活保護の目的に合致しない支出を制限するために、ポンドと固定レートで交換するGovcoinという暗号通貨を、既存のビットコインのブロックチェーン上に新たに発行して、生活保護費を支給する実証実験を実施している。
また、温度、湿度などを測定する環境センサーのデータを取得する際の支払いにビットコインを利用する仕組みを提供する企業も現れている。その他に、電力にIDをつけてどこで発電されたものか仮想的に分かる仕組みを作ることで、電力会社を通すことなくユーザー間で直接売買する取引方法も研究されている。
さらに、不特定多数の人々の情報を共有しても非常に改ざんしにくいというブロックチェーンの特性を活かし、縦割りになっていたモバイルペイメントの異なるサービスをつなぐ役割としても期待されている。
日本では、福島県会津若松市で地域活性化を目的とした地域通貨「萌貨」の実証実験が実施されており、参加者間のコミュニケーションによりコインが新規発行される。1日限りの実証実験であったが、長期的には、住民がその通貨の価値を高めるインセンティブを有するステークホルダーとなる仕組みにより地域内のコミュニケーションを活性化し、「萌貨」が地域の中での交換媒介として利用されることが期待される。
3.マクロレベルでの経済的変容
ブロックチェーンの新しさは、情報の信頼性が組織に依存しない点にある。例えば、通貨の信頼性が中央銀行の信頼性に依存しない形で提供されるということも可能である。組織を運用するコストがかからなくなるため、個人あるいはスタートアップ企業を中心とした多様でミクロな経済圏を生み出す可能性がある。
ブロックチェーンは分散化されたインセンティブに基づく仕組みとなっている。すなわち、トークンの発行により、契約関係のない相手にインセンティブを発生させて業務を運営することになる。よって、何に対してトークンを発行するかという自由な観点からインセンティブの設計ができるため、組織の在り方が今後、変化する可能性がある。
IoTやAIが普及していく中、マシンとマシンの関係の中に、仮想通貨・トークン、スマートコントラクトの仕組みに基づく決済サービスが組み込まれることで、自動的・自律的に経済活動が回っていくようになる可能性がある。
4.生産性を巡る論点
ブロックチェーンは企業体のような組織を不要とするため、組織運営にかかるコストを削減し得る可能性を秘めている。しかしながら、マイニングの方式次第ではあるが、電気代のようなエネルギーコストが増大するという懸念もある。
ブロックチェーンを利用する企業が、企業という組織体を前提としてブロックチェーンを使う時に本当に生産性が向上するのかという疑問はある。ブロックチェーンの持つ情報の改ざん耐性の強さから情報セキュリティ対策費の一部削減には貢献し得るが、クローズド(組織の中)でオリジナルなブロックチェーンを使って立ち上げたとしても、従来型のシステムと比較して生産性が向上するとは言い切れない。
多様なコイン、トークンを誰でも発行できるようになれば、新たな価値が顕在化し、それを取引可能にするような媒介手段の提供ができる可能性がある。また、IoTと決済の融合など、よりミクロな経済取引を実現できる可能性が高まる。それが、国全体としてみた場合、マクロの生産性の上昇に寄与するような使い方を研究しているところである。

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(2) 講演「“シン・ニホン”AI×データ時代における日本の再生と人材育成」

       報告者:安宅  和人  ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)


報告資料(PDF:5514KB)

現在は、産業革命から200年続いた後、情報産業革命が起きている歴史的局面にある。これまではモノ・カネを主たるアセットとしたハードよりの産業とデータやAIを主たるアセットとした情報系産業とに分かれていたが、今後は産業分野にかかわらず、両方の経営資源を持つことが当然になっていく。また、我々は世界経済の重心がアジアに戻るダイナミックな局面にいる。大半の人が思っているより遥かにはやく変化は起きる。
世界企業の時価総額ランキングのトップ企業は10年前と比べ様変わりしており、現在はデータやAIを使い倒している企業がトップを占めている。これらの企業の特徴は、利益よりもはるかに大きな事業価値を持っており、世の中を変えている感を持てることが大きな事業価値につながっている。
このように技術革新が急速に起きている今、国富を生むメカニズムが質的に変容しており、富を生み出すのは、会社の規模よりも、夢を描いて形にする力である。新しいメカニズムの下では、マル1未来への期待感や寄与度、マル2既存の枠組みを超えICT、技術革新をテコに世の中をアップデートすること、マル3ジャングルを切り開きサバイバルすることが重要であり、非常にワイルドな時代である。
AIとデータを使う戦いで重要な要件は3つあり、マル1デバイス・領域を超えたマルチビックデータ、マル2圧倒的なデータ処理力、マル3質と量で世界レベルの情報系サイエンティストとICTエンジニア、である。日本の現状をみると、マル1データ量はアメリカと比べると1桁以上少なく、使用するにも既存産業の保護的な規制のため大半の用途で使えない、マル2処理コストも電気代1つとってもアメリカとは5〜10倍、中国とは50〜100倍以上の差があり、国力の差になっている、マル3人材もビックデータやAIを実装できるようなエンジニアが少なく、日本はICT系エンジニアの総数では世界で米中インドに次ぐ4番目だが、ビッグデータ、AI系のエンジニア数では7〜8番目の可能性すらある。
今、必要なのは、新しく利用可能になった技術の力をテコに、世の中をアップデートしようとするハッカーやギーク(geek)であり、このようなTech-geekたちを生み出さなければならない。しかし、この時代のビックウェーブが生じているにもかかわらず、ミドル層・マネジメント層をみるとチャンスと危機を理解している人が少なく。スキルを新たに変えないと生き延びることができないにも関わらず考えてもいない。今の日本は、この新しいゲームの視点で見ると、ペリーの黒船来航の時代の日本と同様といえる。
ただ、日本にも希望がある。産業革命を俯瞰すると3段階あり、新エネルギーと技術が生まれる段階(フェーズ1)、高度な応用が広がる段階(フェーズ2)、これらが更につながりあうエコシステム構築的な段階(フェーズ3)である。日本は産業革命ではフェーズ1には参加せず、フェーズ2、3で世界に打ち破ってきた。
今後は、データとAIを使う産業化に関しては、データ×AI化(フェーズ1)、データ×AI化の二次的応用(フェーズ2)、インテリジェンスネット化(フェーズ3)、の3フェーズとなる。今後はあらゆるものが賢くなっていく時代が来るはずで、全てのサービスがスマート化し、これらがつながり合っていくインテリジェンスネット化の時代が来る。フェーズ2、フェーズ3が勝負である。そこで大事なのは、夢を形にする力である。
よく「AI対人間」という話があるが、これから起きる本当の競争は、「『自分とその周りの経験だけから学び、AIやデータの力を使わない人』対『あらゆるデータからコンピューディングパワーを利用して、その力を活用する人』」の戦いである。仕事がなくなるのではなく、要る人と要らない人に分かれるのである。
この変化を受け、社会を生き抜くための基礎教養が変化している。現代のリベラルアーツは、母国語と世界語でモノを考えて伝える力、さらに問題解決能力の3つと考えることが出来るが、ここに、データリテラシー、すなわち、データやAIの力を解き放つ力が加わってくる。そのためには、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力といった3つのスキルセットが必要であり、これらが使え、具体的なドメイン知識を持つ境界・応用領域の人材をどれだけ生み出せるかが勝負である。これまでとは似て非なるデータ・プロフェッショナル人材が必要になる。
データやAIを使えば、情報の識別や予測・実行は自動化されるため、人間の仕事は、見る、決める、伝える、ということが中心になる。なお、このような革新期において変革を仕掛けるのは、10代後半から30代前半の若者によって行われてきたのであり、こうした人材をどれだけ生み出せるかが我々の未来に向けての勝負である。
そのために、大学の教育レベルで理文を問わず理数の素養、データリテラシーを持つ人間の育成、大学・大学院での専門家層の育成、国力を支えるリーダー層の育成といった3層の育成が必要である。加えて、ICTエンジニアやミドル・マネジメント層のスキル刷新のための再教育が必要である。しかし、現在の変化の時間軸では10年以内にゲームの流れが決してしまう可能性があるため、専門家層やリーダー層は海外から輸入するしか打ち手がない。今は世界の才能を取り込む千載一遇のチャンスでもある。
アメリカや中国がこの革新期における主導権を握るべく政府が大きく力を入れている中、このままでは米中と戦うのは非現実的となる。国力に見合った大型プロジェクトを複数掲げるべきである。リーダー層は大型プロジェクトの中で育つのは世界共通である。しかし、科学技術予算は米中が額で突出しているのに、日本は非常に少ない。
データやAIが世の中をこれだけ変えている中で、これらをメインで研究する日本の国の機関は3つぐらいしかない。しかしながら、運営交付金は減っており、研究に支障が生じている状況である。その影響は数字に出ており、各国の論文シェアを見ると、日本は元々2位だったのが5位に落ち、インパクトのある論文で見れば、6位まで落ちている。
日米の大学の資金力の差は大きい。日本の大学は国際競争力のない給与、スタッフ不足の環境にいる。教員の給与は半分以下、次世代を担うPhD学生もアメリカは実費ゼロだが、日本はおよそ年340万円かかる状態である。世界で才能を奪い合う状況において、ワールドクラスの人材を集めうるとは言えない状況である。このギャップを解析すると、圧倒的に大きいのは投資・運用益で、次が国のR&D委託となっている。大学別運用基金をみると、アメリカの大学の数兆円に対し、東大は110億円、京大に至っては無い可能性すらある。一過性の予算ではなく、人材開発に向けた国家的な運用基金を作り上げなければ対抗するのは難しい。
一つの提案として、トップ研究大学の強化費用の運用基金として10兆円程度準備し、運用プロを任命して7%程の運用益を出し、その利益の半分程を予算化していく。それにより、大学の人件費や施設、PhD学生の費用問題など、多くの点が改善できる。アメリカにある大学や研究機関に直接寄付する、勤務先が更にマッチアップすると税的に考慮される仕組みは日本も学ぶべきである。また、アメリカでは、連邦政府が大学や研究機関にかなりの研究開発を委託している。ここから新たな技術が開発され、スタートアップが数多く出て、ノーベル賞受賞者も輩出している。
これらの実現に向け、日本は国家全体のリソース配分を過去から未来へとかじを切るべきである。国全体を家族と捉え、あるべき姿を考えるタイミングである。我々が20年後、50年後、100年後にどういった未来を残したいか、という思いを持って行動していくことが大事である。

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(3) 講演「生産性向上に向けた需要創出」

       報告者:吉川  洋  立正大学経済学部教授/財務総合政策研究所名誉所長


報告資料(PDF:2710KB)

  
1.人口減少と少子高齢化での経済成長
日本は人口減少と同時に高齢化が進んでいる。日本の人口動態は、今から約100年前の大正時代の頃、人口は約5,000万人であったが、100年かけて現在の1億2,000万人となった。国立社会保障・人口問題研究所によれば、100年後の2115年の将来人口は5,055万人になると推計されている。日本は極めて極端な人口動態を経験することになる。たしかに財政・社会保障等は、人口減少・高齢化の下で多くの困難に直面するが、人口が減少するため、GDPのマイナス成長は自然だという議論は間違っている。
人口が減少に向かうことは1970年代末からはっきりしていたが、1980年代後半のバブル時期は、人口が減少するから日本経済は駄目だという話はいっさいなく強気論だけだった。バブル崩壊後の1990年代もそれほど言われず、2000年代に入ってから人口減少が日本経済の問題として多く取り上げられるようになったが、人口減少だから日本経済はマイナス成長という人は少なかった。しかし、最近では年を追うごとに人口減少だから日本経済はマイナス成長と言う人が増えている。
しかし、経済は人口によって規定されるものではない。1870年以降の人口と実質GDPの推移をみると、日本は、高度成長時代の1955年から1970年代初頭の間、人口増が1.2%で、実質GDPは10%伸びており、一人当たりのGDPの伸び、労働生産性が約9%上昇していた。
日本では、人口が減るから日本は駄目だという悲観論が強い。人口減少ランキングを見ると、日本は15位、ドイツは19位であり、ドイツは日本と並ぶ人口減少大国である。しかし、ドイツで意見交換をしたところ、人口減少により経済成長がゼロ成長となると考える人はおらず、ドイツの技術力は世界のトップ水準で、イノベーションの潜在力は衰えていないと考えていた。
2.生産性向上と経済成長を生み出すイノベーション
日本経済の成長会計でTFP(全要素生産性)が極めて大きな役割を果たしていることからもわかるとおり、日本経済が成長するためには生産性がキーになる。生産性が向上し、経済が成長するためにイノベーションが必要となる。イノベーションは、新しいモノ、新しいサービス、新しいセクターの登場に寄るところが大きい。
例として高齢者用の紙おむつを考える。TFPは通常、供給側で資本・労働の投入によって説明できる以上の付加価値の伸びを表しており、供給側で何らかの改善がある場合にTFPは上昇する、と考えられている。しかし高齢者用の紙おむつの場合、供給側の条件はこれまでと変わらないのに、需要側のアイディアにより付加価値成長が生まれている。アイディア一つで需要を創出することができることがわかる事例である。
新しい技術から新しいモノ、サービスが登場すると、それを反映して産業構造の変化が生まれる。高い経済成長は産業構造の大きな変化を伴っている。日本の場合は、経済成長率は低くなっていることから、それに伴い、産業構造の変化も小さくなっていることが分析結果から明らかになっている。
3.情報力と生産性
19世紀の初頭から第一次世界大戦までの約100年の間のイギリスでは、経常収支で膨大な黒字を出し続けた。しかしながら、この間、貿易収支はずっと黒字になることはなかった。サービス収支の黒字が、貿易収支の赤字を上回ることで、経常収支の黒字を出し続けてきたのである。サービス収支の黒字は、海運収入、商社の収益、あるいは保険料であった。これが意味するのは、イギリスは単に自国の貿易のみを行っていたのではなく、世界の貿易全体のインフラストラクチャーを提供した。イギリスの海軍力と、情報力がこれらを可能にした。
幕末の日本において、フランスは最後まで幕府に肩入れしたが、イギリスは薩長が勝つことを見極めた。イギリスは驚くべき情報力を発揮して、世界の隅々までの情報を入手していた。これが広い意味でイギリスのマクロの生産性を支えていたといえ、個々の企業の生産性とはひとつ次元の異なるところで、国としての生産性を支えていたと考えられる。
日本のイノベーションの衰退が危惧されている。ISバランスをみると、2000年代に入ってから日本で貯蓄超過幅が上昇しているのは非金融の法人部門となっている。企業の利益剰余金は1998年以降急激に増加し、2016年度は過去最高の約406兆円を計上した。企業が剰余金、現預金を貯め込んでいるのではないかということが指摘できる。
イノベーションは、民間企業だけの話ではなく、政府も取り組まなければならない課題である。世界の港湾ランキングをみると、1980年には、神戸、横浜、東京と3港がランクインしていたが、2006年時点では、トップ20に入る日本の港は一つもなかった。コンテナ船が大きくなったにもかかわらず、スーパー港湾整備がされなかったため、コンテナ船が入って来られなくなったためである。港町の繁栄が失われれば、その港町に所在する様々なセクターで生産性を上げることはできない。例えば、港が競争力を失えば、客が入らない客観的な状況の下で、この港町にある企業が生産性を上げろと言われても、何ができるのかという問題がある。政府でやるべきことをやらないと、生産性向上は望めないといえる。イギリスの場合は、情報という点で国が大きな役割を果たしていた。

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