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東南アジアの金融資本市場の発展・深化に向けた研究会 第5回議事要旨

  1. 日時
    令和元年5月13日(月)16:00~17:50

  2. 場所
    財務省3階 第二特別会議室

  3. 出席委員
    小川英治委員、清水順子委員、奥田英信委員、清水聡委員

  4. 議題
    • GPIFのESG活動

  5. 議事概要
     年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)より「GPIFのESG活動」について発表。その後の議論の概要は以下の通り。
    •   現時点では、東南アジア地域において、ESG概念の普及が十分でないため、ESGの評価は企業の資金調達コストに影響を及ぼすには至っていない可能性がある。他方で、手段として賛否両論はあるが、所謂「ダイベストメント」により、今後ESGに消極的な企業への投資を引き揚げる投資家もあり、このような動きを受けて、ESGに消極的な企業の資本コストが上昇し、結果的に株価にも影響する可能性。
    •  現状では、主要な格付け会社もESGを信用評価の要素に十分組み入れておらず、グリーンボンドの表面金利は同じ事業者が発行する通常の債券と同水準である一方、その流動性は通常の債券よりも低いため、グリーンボンドへの投資が進みにくいという状況にある。今後、グリーンボンドを多く発行する企業の事業はサステイナブルであると投資家が判断するようになれば、結果的に、発行条件にも影響することは考えられる。
    •  必ずしもESGに合致しないインフラ案件にも需要の大きいものがあるが、インフラ整備にあたっては、環境負荷や債務持続性等についての考慮がなければ、将来世代への影響も含めて、結果的に大きな負担が生じる可能性にも留意が必要。
    •  発展途上国のインフラプロジェクトは、先進国と比較して各プロジェクトの個別性が強く、投資判断を困難にしている。この状況では、民間部門の機関投資家が、個別のインフラ案件の投資判断に必要な専門性を身に着けることも容易ではなく、リスク評価手法が標準化されれば、投資を行いやすくなるのではないか。


(注)本研究会では、率直な意見交換を促進する観点から、議事録に代わって議事要旨を作成・公開することとしています。