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第17回日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議

共同ステートメント(ポイント)
【2017年5月5日 日本・横浜】

  1. 我々は、ユ・イルホ韓国経済副総理兼企画財政部長官の議長の下、日本・横浜において、第17回日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議を開催し、世界経済や地域金融協力の最近の進展について意見交換した。

  2. 我々は、現在の経済情勢、成長見通しと金融市場における潜在的なリスク要因、基底にある経済状況について議論した。我々は、好調な金融市場と製造業と貿易において進行している長く待ち望まれた循環的な景気回復に支えられ、世界経済の成長は上向くと予想されること、また、ASEAN+3地域が比較的力強い成長を維持すると期待されることを認識する。しかしながら、政策を取り巻く不確実性が広がる中、下方リスクが依然として存在。このような経済状況の認識の下、我々は、力強く、持続可能かつ均衡の取れた包摂的な成長を達成するため、財政政策、金融政策及び構造改革の進展を含む全ての必要な政策手段を用いることの重要性を再認識する。さらに我々は、世界経済の不確実性や地政学的な緊張の増大といった観点から、潜在的な金融の不安定性に対応するため、中国、日本及び韓国の間で高度な意思疎通及び協調を継続する。我々は、貿易が生産性の改善、雇用の創出に貢献する経済成長と発展の最も重要な原動力の一つであることに合意する。我々はあらゆる形態の保護主義に反対する。

  3. 我々は、ASEAN+3における地域金融協力の更なる進展の方向性について議論した。我々は、ASEAN+3地域における経済の信認と金融の安定を確保するため、地域金融協力を強化することにコミットしている。我々は、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の即応性と有効性を更に高めるため、他の域内各国と連携していく。これに関して我々は、IMFデリンクポーションの発動プロセスの明確化のためのCMIM運用ガイドラインの改訂を歓迎する。我々はまた、今後行われるCMIM契約書の定期的な見直し作業において、CMIMの基本的な課題への対応と、CMIMとIMFの調整メカニズムの確立の重要性を浮き彫りにした2016年のCMIM テストランの結果を歓迎し、CMIMとIMFとの間の連携のさらなる強化に期待する。我々は、CMIMの定期的な見直し作業が来年5月に完了するよう努力することに合意する。

  4. 我々は、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)による域内のマクロ経済サーベイランス、CMIM支援、及び技術支援における能力と役割の強化に向けた取り組みを歓迎する。我々は、CMIMの実施につきメンバーを支援するAMROの役割の強化、及びCMIMの発動に向けた体制整備を強化するためのCMIM契約書の定期的な見直しへのAMROの積極的な参加を期待する。我々は、自国通貨建ての債券市場育成のためのアジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の多大な貢献を歓迎する。我々は、ABMIから学んだ経験が域内及びその他の地域に共有されることを期待する。我々は、ABMIの文脈において、自国通貨の使用を更に促進する。

  5. 我々は、2017年ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議の共同議長としての日本とフィリピンのリーダーシップを多とした。また、我々は、2018年5月に開催される第21回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議において、韓国とシンガポールが共同議長を務めることについても支援していくことで合意する。

  6. 我々は、国際経済協調のための第一のフォーラムとしてG20の枠組みにおける協力を強化することで合意し、2017年のG20ハンブルグサミットの成功に向けて連携していく。

  7. 我々は、日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議が、政策対話と調整のための効果的な場として役割を果たすと確信し、2018年5月にフィリピン・マニラにおいて再会することを決定した。