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「国際収支関連統計の見直し」に関するお知らせ

平成16年 9月29日
日  本  銀  行
 
「国際収支関連統計の見直し」に関するお知らせ
 
  財務省・日本銀行は、我が国の国際収支関連統計について、統計利用者の利便性を高めるため、報告手続きの電子化に合わせて、平成17年1月の取引計上分から、直接投資、証券投資を中心に見直しを行います。今回の見直しは、公表頻度の引上げと早期化、公表項目の拡充、関連統計の整理・統合、計上方法の変更など多岐に亘りますが、その概要をお知らせします。

 

 1.公表頻度の引き上げと早期化

 

地域別国際収支統計の公表については、現在の半年毎から四半期毎に公表頻度を引き上げるとともに、公表時期を現在より1か月前倒しします(当該月が属する四半期の翌々四半期の2か月目)。

 

 2.直接投資・証券投資に関する公表項目の拡充等

 

国際収支統計の対内外証券投資(速報)における「発行体部門別」・「通貨別(対外のみ)」を新規公表するとともに、地域区分及び投資家別区分を拡充します。また、直接投資については、国際収支統計(速報)において国・地域別計数を月次で公表するとともに、地域別国際収支統計において、より詳細な「国・地域別かつ業種別」を新たに公表します。

 

 (1)   「発行体部門別」の拡充  - 対内外証券投資(速報)-

 

対外証券投資において、外国政府の国債、政府機関債、地方債を合計した「ソブリン債」という新たな項目を設けるとともに、投資家業態別区分に「銀行」、「生命保険会社」、「損害保険会社」等に加え、新たに「証券会社」を設けて公表します。

 

他方、対内証券投資では、中長期債と短期債について、5分類(国債、政府機関債、地方債、その他債券、その他証券)の計数を公表します。

 

 (2)   45か国・地域ベース」の公表 - 対内外証券投資(速報)-

 

証券投資については、国際収支統計(速報)の付表として45か国・地域の内訳を公表します。

 

 (3)   「通貨別(対外のみ)」の新規公表 - 対内外証券投資(速報)-

 

商品別に主要10通貨別の計数を新たに公表します。

 

 (4)   「国・地域別かつ業種別」の新規公表 - 対内外直接投資(速報・確報)-

 

「対外及び対内直接投資状況」を廃止し国際収支統計に統合することに伴い、従来半期毎に公表していた国・地域別計数を国際収支統計(速報)の中で月次で公表(32か国・地域)するとともに、より詳細な「国・地域別かつ業種別」計数を国際収支統計の確報公表時に新たに四半期毎に公表します。この地域区分については、基本的に期間中に直接投資が行われた全ての国・地域(最大237か国・地域)別の計数を公表します。また、業種区分については、対外投資、対内投資ともに製造業部門13業種、非製造業部門11業種の合計24業種に拡充します。

 

 3.関連統計の整理・統合、計上方法の変更

 

国際通貨基金の国際収支マニュアル第5版の考え方に沿って、国際収支統計における証券投資の計上時点を、現在の決済時点から約定時点に変更します。また、財務省で公表している「対外及び対内直接投資状況」及び「対内及び対外証券投資等の状況」(決済ベース)を廃止し、国際収支統計(速報)の付表として、新たに対内外直接投資(速報)及び対内外証券投資(速報)を公表することとします。

 

       関連統計の計上方法の変更について 

 

- 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース、週次・月次)-

 

現行の「対内及び対外証券投資等の状況(約定ベース、週次・月次)」は、指定された大口投資家の証券売買額を集計した、国際収支統計とは報告対象範囲の異なる速報性を重視した統計ですが、今回の見直しに伴い、対内及び対外の分類基準をこれまでの建値通貨から、国際収支統計ベースに合わせて、証券発行体の居住性に変更することとします。なお、新しい統計につきましては、「対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース、週次・月次)」と改名するとともに、商品別(短期債の新規公表)、対外証券投資の投資家業態別の区分も拡充します。

 

また、「対外及び対内証券売買契約等の状況」は、週次計数を公表するほか、月次計数も国際収支統計の証券投資(及び統合される決済ベース)に比べて1か月早く公表することにより、国際収支統計の速報版としての役割を果たすことになります。

 


以下の資料はPDFファイルです。

(参考)国際収支関連統計の見直し(概観図)

(以上)