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第5回地球環境ファシリティ総会日本国代表演説(2014年5月29日(木) 於:メキシコ・カンクン)

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  1. はじめに

     議長、各国・機関代表者各位並びにご列席の皆様、

     まず、日本国政府を代表して、総会開催に尽力されてきたメキシコ政府のご厚意とカンクンの皆様の歓待に深く感謝いたします。

     東日本大震災から3年が経過しました。私は被災地の一つである宮城県仙台市の出身で、財務副大臣だけではなく、復興に責任を持つ復興副大臣も兼ねています。震災からこれまでの間、今次総会の開催国であるメキシコをはじめGEFメンバー国の皆様からもお見舞いの言葉やご支援を頂きました。この場をお借りして、日本を代表して改めて皆様への感謝を述べたいと思います。

  2. GEFへの評価と期待

    (1)第6次増資
     本総会では今後のGEFの政策方針をレビューしてきたわけですが、まずは、今後4年間の活動資金を募る第6次増資が、幅広い支持のもと、特に、メキシコ等の中進国など幅広いパートナーの大幅な貢献増加を得て、過去最大規模の増資額となったことをお祝いします。この増資の成功は、石井CEOが提唱する「統合プログラム」や「戦略2020」で示されたGEFの改革努力と将来ビジョンに幅広い支持が得られ、GEFがより一層効果的で効率的な活動を行っていくことへ強い期待が寄せられている証左と言えるでしょう。

     日本としても、厳しい財政のなかではありますが、ドルベースで20%増となる607百万ドルの資金貢献を行うこととしました。これは、石井CEOのリーダーシップとGEFの革新的な活動への日本の強い期待を込めたものであり、また、トップドナーとなり地球環境保全に向けてGEFと共に取組む日本の強い決意を反映したものです。 具体的には、日本として、大幅な拠出増額を決断するにあたり、特に以下に述べるようなGEFの活動を評価しました。

    (2)気候変動
     まず、気候変動分野は、まさに地球環境の問題であり、グローバルな解決策が必要です。GEFのグローバルな知見共有と触媒としての役割が引き続き重要です。

     日本は、GEFと、気候変動枠組条約(UNFCCC)の新たな資金メカニズムである緑の気候基金(GCF)は相互に補完し合うべきと考えています。他方、GCFがいまだ業務を開始していない中、GEFが実際に活動している唯一の資金メカニズムであり、現実的な選択として引き続きその活動に期待しています。

    (3)生物多様性と愛知目標
     次に、生物多様性も自然と共生してきた日本が強い関心を持つ分野です。この分野では、2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議において、生物多様性保全に向け世界各国が取り組む「愛知目標」が決議されました。GEFは既に愛知目標の実現のための大きな原動力となっており、今後も更なる積極的な活動が期待されます。

     また、生物多様性の保全には幅広い活動が必要です。例えば、私も「ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会」のメンバーとして生物多様性の保全を支援しています。このラムサール条約は共通の目標の下で既にGEFと協力関係にあります。今後とも、GEFが、ラムサール条約を含め協力関係を拡大し、さらに効果的で裾野の広い活動をしていくことを期待します。

    (4)化学物質と水俣条約
     さらに、日本は環境汚染対策でも多くの知見を蓄積してきました。特に、環境中に残留する化学物質は人の健康や生態系に様々な影響を及ぼすため、万全の対応が必要です。この分野では、日本が長年取り組んできた水銀汚染に国際的に対応するため、2013年10月に水俣市で行われた外交会議で水俣条約が採択・署名されました。

     GEFは、同条約の中で途上国に資金支援を行うための資金メカニズムとして指定されています。日本は、今後GEFが水俣条約の履行に関する取り組みを積極的に推進することを期待します。

  3. おわりに

     議長、CEO、各国・機関代表者各位並びにご列席の皆様、

     GEFは、地球規模の環境課題に関する様々な多国間条約の資金メカニズムに指定されており、その使命は明瞭です。また、20年を超える実績と経験を持つGEFには、革新的なプログラムを通じて地球環境問題への対応をリードするとともに、各国や国際機関の投資を引き出し環境ファイナンスの触媒となることが期待されています。2年前に就任した石井CEOの強いリーダーシップのもとで、GEFがより効果的・効率的にその使命を果たすべく取り組んでいることを高く評価します。

     地球環境の保全は、先進国と開発途上国が協力し、共同作業によって強力に推進されるべきものです。今後ともGEFが石井CEOのリーダーシップのもと、限られた資源を最大限有効に活用し、その使命を果たすことを期待して、私の演説を終えさせていただきます。

     ご清聴ありがとうございました。

( 以 上 )