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第58回米州開発銀行・第32回米州投資公社年次総会 日本国総務演説

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第58回米州開発銀行・第32回米州投資公社年次総会 日本国総務演説
(平成29年(2017年)4月1日(土)於:パラグアイ アスンシオン)

 


  1.  議長、総裁、各国総務各位、ならびにご列席の皆様、

     第58 回米州開発銀行(IDB)、第32回米州投資公社(IIC)年次総会にあたり、日本政府を代表して、ご挨拶申し上げることを光栄に思います。そして、今次会合のホスト国のパラグアイの政府及びアスンシオン市民の皆さまの暖かい歓迎に感謝申し上げます。

     2016年は、日本のIDB加盟40周年にあたる記念すべき年でしたが、日本-LAC(ラテンアメリカ・カリブ)ビジネスフォーラムが成功裡に開催されたほか、IDBとJICAの協調融資の枠組み「Cofinancing for Renewable Energy and Energy Efficiency (CORE)」の供与目標が30億ドルに引き上げられるなど、日本とIDBの関係は大きな進展を遂げました。

  2. 多数国間投資基金(MIF)
     日本は、現在のIDBとの緊密な関係を反映し、MIF を通じた協力も更に深めていくことを望んでいます。MIFは、1993年の設立以来、LAC地域の小規模零細ビジネスを育成すべく、IDBグループの革新的実験室として、投資・融資・技術協力といった一連の支援ツールを有機的に組み合わせながら、多くのパイロット事業を推進してきました。日本は、MIFのこうした機能的独自性を高く評価しているとともに、MIFが引き続きLAC地域の持続的開発に向けて重要な役割を果たしていくべきと考えます。

     MIFは新たなステージに向かっていくところですが、増資交渉の中でLAC地域から示された、MIF IIIに対する拠出増を通じたオーナーシップ向上への熱意を歓迎するとともに、日本としても、MIF IIIによる効率的・効果的な業務運営を大いに期待しつつ、今後とも資金と人材の両面で貢献していく所存です。

  3. 質の高いインフラ案件の推進
     昨年5月のG7伊勢志摩サミットを前に、日本は、世界全体の質の高いインフラ案件向けに、5年間で約2,000億ドルを供給していくことを発表しました。LAC地域は、所得水準が比較的高く、インフラ案件における官民連携パートナーシップ(PPP)の実績が豊富で、将来的にも旺盛なインフラ需要が見込まれることから、質の高いインフラとの親和性が特に強く、この分野における日本とLAC地域の協力関係は、今後さらに拡大していくものと考えます。

     その中で、LAC地域に根を張って活動しているIDBには、日本とLAC地域の橋渡し役となることを大いに期待しています。昨年4月に開催されたバハマ総会において、日本とIDBは、質の高いインフラ分野における融資案件の組成準備を支援するため、IDBに設置されている日本信託基金にJQI(Japan Quality Infrastructure Initiative)を設立することに合意し、その第1号案件として、昨年9月、パラグアイの上下水道整備事業の組成準備に対する支援が承認されました。JQIの第1号案件がパラグアイ向けであることを嬉しく思うとともに、今後とも一層、JQIがLAC地域における質の高いインフラ案件の組成準備に大きく寄与していくことを期待しています。

     また、昨年11月には、日本とIDBの共同声明が発出され、質の高いインフラ分野を中心として、双方の連携を更に推進していくことが確認されました。共同声明に沿って、現在、日本とIDBは、PPPインフラ案件の組成を支援する新たな技術協力ファシリティの設立に向けた協議を行っているところ、今後はこのファシリティを通じ、質の高いPPPインフラ案件が数多く組成されることを願っています。

      一方で、LAC地域は、社会的疎外や貧富格差への対処という課題も抱えています。経済発展の恩恵から取り残された人々への対応は極めて重要であり、日本は、貧困層・脆弱層にフォーカスした支援を、IDBの日本信託基金を通じて実施してきました。成功事例として、2012年に150万ドルを拠出し、JICA協力隊員の日本人教師による関与も相まって、パラグアイの貧困層児童の算術能力を大きく向上させたプロジェクトがあります。LAC地域の人々全体が成長の輪に溶け込めるよう、こうした地道な支援は引き続き不可欠です。

  4. 結語
     日本は、LAC地域と長きに渡る移住・交流の歴史を有しており、パラグアイとの関係では、昨年に日本人の移住開始から80周年を迎えたところです。こうした背景を基盤として、日本とLAC地域のパートナーシップを更に強化するとともに、モレノ総裁のリーダーシップを支えながらIDBとの連携を深め、LAC地域の一層の発展に寄与したいと思います。