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第49回AfDB・第40回AfDF年次総会 日本国総務演説(平成26年5月22日 於:ルワンダ・キガリ)

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第49回アフリカ開発銀行・第40回アフリカ開発基金年次総会 日本国総務演説
(平成26年(2014年)5月22日(木) 於:ルワンダ・キガリ)

  1. はじめに
     議長、総裁、各国総務各位、並びにご列席の皆様、

     第49回アフリカ開発銀行・第40回アフリカ開発基金年次総会開催にあたり、ホスト国のルワンダ政府及びキガリ市民の皆様の温かい歓迎に対し、心から感謝いたします。

     ルワンダが1962年に独立した約50年前、一人の日本人がルワンダ中央銀行総裁に就任しました。当時、日本銀行の行員であった服部正也氏です。服部氏は、総裁職にあった6年の間、通貨改革に尽力するとともに、バス公社の立て直しやコーヒーの輸出振興をはかるなど、産業育成にも力を入れました。服部氏は、既にお亡くなりになっていますが、現在のルワンダの発展した姿を喜んでいるのではないでしょうか。

     ルワンダをはじめ、アフリカの成長は目覚ましく、特にこの10年間で急激に成長しましたが、こうした中でアフリカ開発銀行(AfDB)は中心的な役割を果たしてきました。この間、卓越したリーダーシップによりAfDBを率いてきたルワンダ出身であるカベルカ総裁のイニシアティブを高く評価します。詳しくは後述しますが、日本はこのリーダーシップに応えるべく、昨年妥結したアフリカ開発基金(AfDF)第13次増資において、SDR建で対前回増資比約7%増、円建で約12%増となる最大限の貢献をしました。

  2. 日アフリカ関係
     まず、日本とアフリカの関係について申し上げます。AfDBとの協力関係については後ほど触れますが、最近、日アフリカ間のハイレベルでの交流を強化しています。

     その表れの1つとして、本年1月に、安倍総理によるアフリカ訪問が実現しました。これは、昨年6月に横浜で開催した第5回アフリカ開発会議(TICADローマ数字5:Fifth Tokyo International Conference on African Development)の際に安倍総理が表明した、早期のアフリカ訪問の約束を果たしたものであり、日本の総理による本格的なアフリカ歴訪としては8年振りの訪問となりました。

     安倍総理は、同訪問において、コートジボワール、モザンビーク、エチオピアの3ヵ国を訪問し、計13名の首脳と会談を行い、経済面に留まらず、学術面なども含めた包括的な協力関係を強化しました。

     アフリカは今や、資源がもつ潜在力、経済の成長力で、世界の希望を担う大陸となりました。この希望に永続する力を与えるには、アフリカの人々が自分たちの能力に自信を持ち、自ら未来を築く努力を重ねていくことが大事ですが、日本としても、アフリカの努力を後押ししていきます。

     なお、TICADローマ数字5のフォローアップの一環として、本年6月には東京で日・アフリカビジネスフォーラムの開催を予定しています。同フォーラムは、日本とアフリカの間のビジネス連携の一層の拡充に貢献することを目的に開催するものであり、貴重なビジネス機会を提供するものです。同フォーラムの開催を機に、日本とアフリカのビジネス面での強化が更に深まることを期待します。

  3. 日本とAfDBの協力(総論)
     続きまして、日本とAfDBとの協力関係について申し上げます。

     AfDBは、カベルカ総裁のイニシアティブのもと、世界経済・金融危機への対応として第6次一般増資を成功に導き、アフリカ諸国における危機の影響を軽減したことをはじめ、民間セクター業務の拡大や域内現地事務所の新設といった現地に根付いた開発援助の推進などで多くの成果を挙げています。

     最近では、2013年に取りまとめた「長期戦略」のもと、「包摂的な成長」と「グリーン成長への移行」の2大目標を掲げつつ、インフラ開発や民間セクター開発といった分野に焦点を置いた支援を行っています。

     日本は、長期戦略のもと精力的にアフリカを支援するAfDBの取組を支持するとともに、AfDBとの協力関係を強化することでアフリカ支援に貢献しています。

    (アフリカ開発基金第13次増資)
     先ほど申し上げたAfDF第13次増資における日本の最大限の貢献は、日本がAfDBの取組を支持していることを示す具体的な例です。まずは、昨年9月にAfDF第13次増資交渉が成功裏に妥結したことを祝福致します。

     目覚ましい成長の陰に隠れがちですが、アフリカ地域における貧困は依然として深刻な状況にあります。AfDFは、貧困削減を推進し、包摂的な社会の実現のために低所得国を支援する重要な基金です。日本は、アフリカ支援の重要性に鑑み、各国と同様に厳しい財政事情の中、多大な貢献をしました。今回の総会に先立ち、AfDFへの追加出資に応じるための予算が3月に国会で可決、成立したことをここに報告できることを嬉しく思います。

     日本は、AfDF第13次増資交渉において、インフラ開発、民間セクターの育成に重点を置いた支援や地域統合といった取り組みについて指摘してきたところですが、AfDBには、そうした諸点について引き続き対処するよう望みます。

    (EPSA)
     また、アフリカにおける民間主導の経済成長の促進を目指し、日本が2005年6月にAfDBとの間で立ち上げた共同イニシアティブEPSA(Enhanced Private Sector Assistance for Africa)は、大きな成果を挙げてきています。

     本年1月に安倍総理がアフリカを訪問した際、安倍総理よりEPSAの下で供与する円借款を5年間で10億ドルから20億ドルに倍増することを表明しましたが、今般、さらにこれを具体化するものとして、EPSAのノンソブリン融資(NSL:Non Sovereign Loan)について、新たに3億ドルを供与することを決定したことを報告します。

    (最近の課題)
     アラブの春以降、AfDBは、北アフリカ諸国に対する支援の困難さに直面しています。それらの国々はAfDBによる支援を必要とする一方、AfDBは、自身の信用を確保する必要性にも迫られています。AfDBの財務の健全性の維持は、AfDBの業務全てに影響する最重要課題の1つであり、日本としても、状況の改善に向けた議論に積極的に議論に加わることでAfDBをサポートしていきます。

  4. 結語
     今年はAfDBにとって重要な年となります。

     今年の夏には、AfDBのアビジャン本部への本格的な帰還が予定されています。ロードマップに沿って、つつがなく帰還されることを期待します。

     また、今年11月にAfDBが設立50周年を迎えることを歓迎します。

     アフリカには、依然として多くの課題があります。しかし同時に、アフリカの人々にとって利益となる未開発の大きな経済力もあります。

     日本は、AfDBのアビジャン本部への帰還と次の50年の歴史に期待するとともに、AfDBの強化及びアフリカの成長促進に改めてコミットいたします。

     ご清聴ありがとうございました。

(以上)