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アジア開発銀行浅川総裁の再選に向けての財務大臣談話

令和3年4月26日

財務大臣談話


 アジア開発銀行(ADB)浅川雅嗣総裁は、本日、今任期満了(令和3年11月23日)後の再選を目指す意向を表明された。

 浅川総裁は、2020年1月の就任以降、卓越した指導力を発揮されている。就任直後より、新型コロナウイルス対応に迅速に取り組み、同年4月に200億ドルの緊急支援パッケージを表明するとともに、同年12月には安全で効果のある新型コロナワクチンの調達・提供のため90億ドルの支援イニシアティブを立ち上げ、スピード感をもって強力な支援を展開している。また、同年9月には、アジア・太平洋地域の低所得国を支援するアジア開発基金(ADF)の増資交渉を成功裡に取りまとめ、前回を上回る約41億ドルの増資を実現した。更に、国際租税協調推進の分野における自らの豊富な経験と優れた見識を活かし、同地域の租税当局の能力強化に向けた新たな取組みを進めているほか、気候変動対策や質の高いインフラ投資等、同地域の開発途上国が抱える長期的な開発課題への対応にも積極的に取り組んでいる。組織管理面では、現地事務所の強化をはじめとする組織・制度改革の取組みに加え、コロナ禍でのリモート中心の勤務体制においても、職員が安全に、士気高く職務に邁進できる環境を整えてきた。

 アジア・太平洋地域は、今なおコロナ禍がもたらす危機の最中にあり、多くの人々が貧困への後戻りを余儀なくされている。また、基礎的インフラの不足等、引き続き、多くの開発課題も残されている。こうした中、一刻も早い危機からの脱却を図るとともに、包摂的かつ強靭で持続可能な復興を目指すことが重要である。

 私は、アジア・太平洋地域の途上国がコロナ禍からの復興を実現していくうえで、引き続き浅川総裁のリーダーシップの下、ADBが中心的な役割を担う必要性を確信するとともに、日本とADBとのより一層緊密な協調を通じてアジア・太平洋諸国の発展を更に力強く支援していきたいと考えている。私は、浅川総裁再選を強く支持する。