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第47回ADB年次総会 日本国総務演説(平成26年5月4日 於カザフスタン・アスタナ)

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第47回アジア開発銀行(ADB)年次総会における麻生大臣総務演説
(平成26年5月4日(日) 於 カザフスタン・アスタナ)

はじめに

  • 総務会議長、総裁、各国総務並びにご列席の皆様、

  • カザフスタン政府及びアスタナの皆様の温かい歓迎に心より感謝申し上げます。

  • はじめに、アフガニスタンの地滑り並びに韓国フェリー事故で亡くなられた方の御家族及び行方不明になっているマレーシア航空機搭乗者の御家族に、心からのお見舞いを申し上げます。

  • カザフスタンを含む中央アジアと日本の関係は、年々深まっています。「中央アジア+日本」対話、これは日本が触媒となって中央アジア諸国間の地域協力を促進するための枠組みですが、この枠組みは今年で創設10周年を迎えました。今年のADB年次総会が、我々にとって関わり合いの深い中央アジアのカザフスタンで開催されることを歓迎いたします。

  • ADBは、設立以来、アジアの開発のために中心的な役割を果たしてきました。中尾総裁の力強いリーダーシップのもと、ADBは域内ニーズに迅速に対応し続けていけるよう、二つのイニシアティブに力を入れています。

  • 第一に、アジア開発基金(ADF)と通常資本財源(OCR)を統合することで融資能力の強化を目指しています。これにより、拡大する低所得国の資金ニーズに対応する能力が強化されます。ADFの最大ドナーとして、日本は、この革新的なアイデアを歓迎します。今後、この議論が前向きな成果へと繋がることを期待します。

  • 第二に、ADBがストラテジー2020の中間レビューを実施しましたが、これはADBがこの地域の変わりゆく開発課題により良く対応していく助けになると思います。このレビューで示された10の戦略的優先事項を歓迎します。これにより、ADBは事業に注力し、より効果的に開発課題に対処していけると考えます。

  • 戦略的優先事項の中で、私から特に4つの分野、(1)インフラ支援、(2)防災、(3)ヒトを育てる支援、(4)金融市場の発展、について述べます。これら4つの分野はアジアの発展のためにとりわけ重要であり、日本はこれらの分野の支援にあたり、ADBと共に取り組んできました。

インフラ支援

  • 1点目は、インフラ支援です。インフラは持続的な成長の基盤となるものですが、途上国には大きなインフラギャップがあり、彼らが潜在力を発揮するには、このギャップを解消することが必要です。

  • これまでJICAとJBICは、道路や発電所など、多くのインフラ事業をADBとの協調融資で支援してきました。

  • 日本は、アジアの膨大なインフラニーズに応えるために、ADBとの協力を強化してまいります。私たちは、資金面のみならず、日本の技術、知識、経験、全てを総動員していきます。

防災

  • 2点目は、防災です。この地域では、自然災害が頻発し、経済成長に深刻な影響を与えています。だからこそ、アジアは、開発における防災の主流化を進めることが必要なのです。

  • 昨年台風ヨランダがフィリピンを襲い、ADBは迅速な支援を行いました。日本も、フィリピンに対する「災害復旧スタンドバイ借款」を100億円から500億円へと増額し、復旧・復興支援を強化しました。

  • 日本は、様々な災害を乗り越えてきた経験と知識があります。今後とも、ADBとともに、開発における防災の主流化を推進していきます。

ヒトを育てる支援

  • 3点目は、ヒトを育てる支援です。途上国の発展には、ヒトを育て、制度を構築し、国家運営の基本的システムを作り上げることが必要です。

  • こうした視点を踏まえ、日本は、教育分野においてADBと協調融資を行う協力を行ってきました。また、日本がADBとの協調融資でインフラ整備案件を実施するにあたり、途上国の関係職員を日本に招き、インフラ管理の研修を行っています。

  • また、日本は、青少年交流事業「JENESYS2.0」の下で、アジア大洋州から3万人規模の青少年を招き、日本に対する国際理解の促進にも取り組んでいます。

金融市場の発展

  • 4点目は、金融市場の発展です。アジア諸国は、域外需要から国内・域内需要をより重視したバランスのとれた経済成長を目指すことが必要です。そのためには、域内の貯蓄を投資に結び付ける金融仲介機能の強化が必要です。この点、日本は、ADBと連携してアジアの債券市場育成を支援してきました。

  • また、アジア地域の持続的成長に貢献するとの観点から、日本の金融庁が銀行・証券・保険の全ての金融セクターについて、企画・立案から監督・検査までを一元的に所掌しているという特徴を踏まえ、アジア新興国の金融当局に対して、技術支援を総合パッケージで提案していきたいと考えております。具体的には、マル1法令制定など制度基盤の整備支援、マル2決済システムのIT化、取引所の設立・運営などの具体的な金融インフラ整備支援、マル3金融行政の運営手法などに関する知見や経験の共有といった技術協力メニューを提供していきたいと考えております。

  • さらに、アジアの金融規制当局との連携を強化するため、このたび、金融庁内に「アジア金融連携センター(AFPAC: Asian Financial PArtnership Center)」を立ち上げました。同センターでは、今後、アジア諸国の金融当局から招へいした研究員(fellow)が、金融庁内で実務を経験し、アジアの市場の課題等に係る実務・調査研究などにも携わることを通じて、日本とアジア金融規制当局、双方の監督能力の向上や、国際社会におけるアジアの発信力強化の一助としたいと考えております。

結び

  • 皆様、このように、日本には、ADBとの間で、長く建設的な協力の歴史があります。また今後も、アジアの発展のために、さらにこの協力を強化してまいります。2017年のADB年次総会は、第50回総会です。日本政府は、ADBの歴史の中で重要な節目となるこの総会を、日本に誘致したいと考えております。皆様のご理解を賜りたいと存じます。

  • 中尾総裁率いるADBが、アジアの開発課題に、引き続き効果的かつイノバティブに貢献していくと信じております。

  • 御清聴ありがとうございました。

(以上)