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第30回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成26年10月11日)

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第30回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケのポイント
[2014年10月11日 於:米国・ワシントンD.C.]

 

世界経済は回復を続けているが、回復にはばらつきがあり、想定よりも弱く、下方リスクは増加している。我々は、潜在成長力を引き上げ、より力強く、持続可能で、バランスの取れた、雇用が豊富な世界経済を実現することにコミットしている。我々は、適切なマクロ経済政策や重要な構造改革を通じて需要を活性化するとともに供給制約を取り除き、政府債務を持続可能な道筋に乗せ、金融の安定を確保し、波及効果を管理するための協力を強化し、世界の需要を引き続きリバランスさせるための、大胆で意欲的な施策を追求する。我々は、エボラ出血熱による人的及び社会経済的影響について深く懸念する。

世界経済
困難はあるものの、ばらつきのある回復は続いている。多くの国が、失業率が許容できないほど高く、低成長または成長の減速という可能性に直面している。いくつかの先進国では経済活動の回復が進んでおり、特に米国及び英国において顕著である。日本の回復は緩やかで、ユーロ圏の回復は一時的である。いくつかの先進国における金融正常化やその他の国における目標を下回るインフレ率の長期化、金融市場のボラティリティ低下の下でのリスクテイキングの増加、及び地政学的緊張の高まりに伴う困難から、下方リスクが生じている。

力強く持続的な包括的な成長の確保
全ての国において重要な構造改革を断固として実施することとあわせて、経済面の余地がある国では緩和的なマクロ経済政策を継続すべきである。若者層の失業の減少や女性や高齢労働者の機会の増加を含む労働需要及び供給の強化、生産的なセクターへの資金フローの改善、民間投資を支えるビジネス環境の強化、といった施策にとりわけ重点を置くべきである。明確に特定されたニーズ、経済面の余地及び財政余地がある国においては、追加的な公共及び民間インフラ投資も、回復を支え、潜在成長力を引き上げるために重要である。

財政政策
財政戦略は、債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、成長と雇用創出を支えるため引き続き機動的に実施されるべきである。各国は、財政戦略の成長への貢献を高めるため、政府の歳入・歳出の構成及び質の変更について検討すべきである。具体的な中期の財政健全化計画の策定及び実行は引き続き多くの先進国にとってきわめて重要である。新興国及び低所得国においては、歳入の強化等を通じて、必要なところでは財政余地を再構築すべきである。

金融政策
先進国における金融政策は、引き続き回復を支えており、また、金融の安定性に係るリスクに留意し、中央銀行のマンデートと整合性を保ちつつ、インフレ率が目標を下回る状況の長期化に適時に対処すべきである。成長が強化され物価が安定している文脈においては、将来的な金融政策の正常化が必要となろう。注意深く調節され、良くコミュニケーションされた正常化は、負の波及効果や自国への跳ね返りを最小化し、世界経済にとって有益となろう。新興国は、政策余地が限定的な場合はこれを再構築すべきである。マクロ経済政策は健全である必要があり、その観点から、為替レートはファンダメンタルズの変化を反映し、対外的な調整が促進されるべきである。大きく不安定な資本フローから生じるマクロ経済や金融の安定性に係るリスクに対応する時には、必要なマクロ経済政策調整は、プルーデンス措置と、適切な場合には資本フロー管理政策により支えられうる。
長引く金融緩和及びいくつかの資産市場における過度のリスクテイクの文脈において、適切に設計されたミクロ及びマクロプルーデンス措置等を通じて金融システムの強じん性を向上させることは、引き続き全ての国にとって優先課題である。

政策協調と一貫性
グローバル・インバランスは構造的・景気循環的双方の要因により縮小しているが、リバランスは依然として重要な優先課題であり、赤字国・黒字国双方による継続的な行動を求める。

IMFの融資とサーベイランス
我々は、エボラ出血熱による被害を受けているギニア、リベリア、シエラレオネに対するIMFの支援の強化を歓迎するとともに、その支援の継続を求める。2009年から2014年のPRGT(貧困削減・貧困トラスト)の融資の一時的な金利免除は、低所得国の利益となってきた。我々はIMFに対し、PRGTの持続可能性を守りつつ、一時的な金利免除の再延長を検討することを求める。

我々は、十分なグローバル・フィナンシャル・セーフティネットの重要性を強調する。IMFは、予防ベースのものも含め、適切な調整及び改革への支援を提供し、リスクへの対処を支えるべきである。

我々は、サーベイランス見直し、FSAP(金融セクター評価プログラム)の見直し、進行中のマクロプルーデンスに係る政策アドバイスの策定作業を歓迎する。我々は、IMFによるパリパス条項の修正及び集団行動条項の強化に関する作業を歓迎し、新しい国際ソブリン債の発行時に、その使用を積極的に促進するよう、IMF、加盟国、及び民間セクターに求める。我々は、国家債務再編にかかる作業の継続、債務上限ポリシー見直しの完了を期待する。 

ガバナンス
我々は、2010年に合意されたIMFクォータ・ガバナンス改革や新たなクォータ計算式を含む第15次クォータ一般見直しの進捗が、引き続き遅れていることに深く失望している。我々は、IMFがクォータを基礎とする機関であることの重要性を再確認する。2010年改革の実施は、引き続き我々の最優先課題であり、我々は米国に、最も早い機会に、これらを批准することを強く促す。我々は、強固で十分な資金基盤を有するIMFを維持することにコミットしている。もし2010年改革が本年末までに批准されなければ、我々はIMFに対し、既存の作業を基に、次のステップについての選択肢を用意しておくことを求め、選択肢の議論のスケジュールを決める。 

次回IMFC会合
次回IMFC会合は2015年4月17−18日にワシントンD.C.にて開催される。