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第38回国際通貨金融委員会(IMFC) コミュニケ(仮訳)(平成30年10月13日)

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第38回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケ(仮訳)
[2018年10月13日 於:インドネシア・バリ]

 

 我々は、直近の悲劇的な事象について、インドネシアの人々と政府に対し深くお悔やみ申し上げる。我々は、彼らによる本年のバリ総会の開催と、温かい歓迎に感謝する。

世界経済の見通しと政策の優先事項

 世界経済の拡大は引き続き堅調である。成長見通しは短期では安定し、その後、緩やかなものとなる見込み。しかし、経済の復調はますますばらつきが生じ、これまで特定されたリスクのうち、いくつかは一部が実現している。金融環境が引き締められて特に新興国市場や途上国に影響を及ぼし、貿易の緊張や地政学的リスクが高まる中、全体として、リスクは下方に偏っている。政策の不確実性や、歴史的に高い水準にある債務、金融の脆弱性の高まり、限られた政策余地は、信認や成長見通しを更に押し下げている。

 機会の窓は狭まってきており、我々は、リスクの拡大を防ぎ、リスクを緩和し、政策余地を再構築し、強靭性を高め、全ての人々の利益となるよう中期的な成長見通しを引き上げるための政策や改革を推進するために、迅速に行動する。財政政策は、公的債務残高を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、必要に応じてバッファーを再構築し、柔軟で成長に配慮したものとし、景気循環増幅効果(プロシクリカリティ)を避け、インフラや労働力の技能の質を高めるべきである。中央銀行は、彼らのマンデートに沿って金融安定上のリスクに配慮しつつ、インフレ率が目標を下回っていれば金融緩和を維持すべきであり、インフレ率が目標に近づくか上回った場合には、徐々に、よくコミュニケーションして、データに基づいた方法で解除すべきである。

 強固なファンダメンタルズや健全な政策、強靭な国際通貨システムは、為替レートの安定に不可欠であり、強固で持続可能な成長や投資に貢献する。柔軟な為替レートは、場合によっては、ショックを吸収するものになりうる。我々は、為替レートの過度な変動や無秩序な動きが、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを認識する。我々は、通貨の競争的切下げを回避し、競争力のために為替レートを目標としない。

 調整コストを負う人々を効果的に支えつつ金融規制改革と構造改革を推進することは、潜在成長と雇用の引き上げや強靭性の向上に決定的に重要である。我々は、金融セクター改革アジェンダの適時、完全かつ整合的な実施と可能な限り速やかな最終化、そしてそれらの改革の影響に関する評価の、重要性を強調する。我々は、金融の脆弱性や生じつつあるリスクについて監視し、並びに必要に応じて対処し、規制に関して継続的に協力することで、分断を回避する。我々はまた、人口動態の変動から生じる課題に対処し、包摂性を強化して、技術革新や経済統合による利益を広く共有するよう努力する。我々は、持続可能な世界経済の成長を支える方法で過度な世界的不均衡を削減するために、協働する。

 我々は、共有する課題に対処するために更に協力する。我々は、現在及び将来の課題に直面するWTOを向上させる方法を含む、国際貿易におけるリスクを緩和し信認を高めるための対話や行動を引き続き進める必要性を認識する。我々は、自由で、公正で、互恵的な物品・サービス貿易及び投資は、経済成長及び雇用創出の主要な原動力であることを認識する。我々は、貿易に関するG20ハンブルク・サミットの成果を実施することの重要性を再確認する。我々は、世界規模の公正で現代的な国際課税システムのための取組みや、適切な場合には、デジタル化から生じるものを含む、競争及び租税に関する課題への対応を継続する。我々は、関連するリスクに対処しながら、効率性や包摂を高める金融テクノロジーを活用する取組みや、マネーロンダリング・テロ資金供与、大量破壊兵器拡散資金供与、腐敗、その他の不正な資金の源泉及びその経路への対抗のための協働を強化する。

 我々は、「2030 年の持続可能な開発目標」の達成に向けた努力を支援する。低所得国の債務脆弱性が増していることに鑑み、我々は、債務者と公的・民間の債権者双方による債務透明性及び持続可能な貸付慣行の強化と共に、債務再編に際し既存の枠組みを活用しながら、債権者間の協調の強化に共に取り組む。我々は、パンデミック、サイバーリスク、気候変動や自然災害、エネルギー不足、紛争、移民、難民その他の人道上の危機がもたらすマクロ経済的な影響に対処し、それらマクロ経済的な影響に対する抵抗力をつけようとする国々の努力への支援を継続する。

IMFの業務

 我々は、専務理事のグローバル政策アジェンダを歓迎する。IMFは、以下の事項の実現のために、その権限に則り、加盟国の支援と、他との協調を継続する。

強靭な国際通貨・金融システムの促進我々は、更新された手法に基づく対外ポジションの評価を、厳格、公平、率直、かつ、透明に実施するための継続的な努力を歓迎する。我々はまた、大きく不安定な資本フローに関するIMFのアドバイスを歓迎し、地域金融取極との協働の深化を含むグローバル金融セーフティ・ネットの強化に向けた更なる努力を求める。

世界の課題への多国間での問題解決促進我々は、強化された多国間枠組みの中で、貿易上のリスクの緩和と、貿易関連のマクロ経済学的分析によるものを含む信認の向上のための努力を支援することをIMFに求める。我々は、「税に関する協働のためのプラットフォーム」や中期歳入戦略に関する経験の活用等を通じ、国際課税問題及び国内資金動員においてIMFが引き続き役割を果たすことを支持する。我々は、政策立案者や国際社会にとって重要な検討事項を統合したバリ・フィンテック・アジェンダの、IMFと世界銀行による承認を歓迎する。我々は、IMFに対し、暗号資産を含む金融テクノロジーに関する更なる作業を含め、このアジェンダを基にした努力を支援することを求める。マンデートの範囲内で、IMFは、気候変動の緩和と適応のための戦略の各国における実施に関する指針を提供する。

加盟国が強靭性を強化し成長見通しを高めることへの支援我々は、腐敗や新しいガバナンスフレームワークの稼働;社会的支出への関与のための戦略的枠組みの発展;企業の市場支配力、デジタルエコノミー、インフラガバナンス、人口動態の変動、ジェンダーと格差の問題に関する作業を含む、ガバナンスへの関与強化を歓迎する。我々は紛争や難民危機による影響を受けた国々へのIMFの継続した支援と脆弱国が自然災害への抵抗力をつける事を助ける提案を支持する。

加盟国の変容する需要に対する政策ツールの適応我々は、2020年の包括的サーベイランス見直しや、プログラムのコンディショナリティの見直し、金融セクター評価プログラム、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)戦略、複数通貨慣行に係る政策の見直し、また、コルレス銀行関係解消の要因及び影響や、解決に取り組む国々を支えるための更なる努力に期待する。我々は、現在進行中の能力開発戦略の見直しが、IMFの技術支援や研修の有効性及び説明責任を更に高めることを期待する。

債務持続可能性と透明性の強化我々は市場アクセスを有する国々を対象とした債務持続可能性フレームワークと債務上限ポリシーの見直しを期待する。我々はIMFに対して、財政の枠組みの強化、債務管理能力の改善、及び更新された低所得国向け債務持続可能性フレームワークの実施を、加盟国と共に、引き続き取り組んでいくことを求める。我々は国家債務再編における既存の場を活用した債権者間の協調を強化するだけではなく、IMFと世銀による多方向のアプローチを通して、公的・民間部門の債務に関する記録、監視、透明性の高い報告の改善に向けて、債務者と債権者と共に取り組むことを支持する。

低所得国(LICs)、小国及び脆弱国の支援我々は低所得国向けファシリティの見直し及び現行の小国への取組みを歓迎する。我々はIMFと脆弱国に関する専務理事のステートメントを承認し、IEOの最新の評価に応じて、マネジメント計画の完全かつ時宜を得た実行を求める。我々はSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた各国を支援する取組と分析を更に支持する。

IMF資金基盤とガバナンス

 グローバル金融セーフティ・ネットにおけるIMFの中心的役割を維持すべく、我々は、強固で、クォータを基礎とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFにコミットしていることを再確認する。我々は、第15次クォータ一般見直しを完了することと、ダイナミックな国々のシェアが、これらの国々の世界経済における相対的な地位に沿って増加し、その結果新興市場国・途上国全体としてのシェアが増大しうるような、クォータシェアの調整の基礎としての新たなクォータ計算式に合意すること、一方で最貧国のメンバーの発言権と代表性を保持すること、にコミットしている。我々は、総務会への進捗報告に留意し、理事会に対して、上述の目標に沿う形で、第15次クォータ一般見直しを2019年春会合まで、遅くとも2019年年次総会までに完了させるよう迅速に取り組むことを求める。我々は、2010年ガバナンス改革の完全な実施を求める。

 我々は、IMFが質の高いスタッフを維持し、2020年の多様性基準を達成するための努力を強化することを求める。我々は、給与及び福利厚生の包括的な見直しが時宜を得て完結することを期待する。我々は、理事会におけるジェンダーの多様性を高めることを支持する。

 次回IMFC会合は、2019年4月13日にワシントンD.C.にて開催される。