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第101回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(令和2年4月17日)

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  1. 開発委員会は、本日(2020年4月17日)、テレビ会議形式で開催された。

  2. 我々の会合は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる未曾有の困難の中で開催された。COVID-19による深刻な影響は世界中にもたらされており、人的・経済的被害は増加し続けている。我々は、影響を受けた人々にお見舞いを申し上げるとともに、パンデミックとの闘いの最前線で活動している人々への支援・連帯を表明する。

  3. COVID-19によるパンデミックは、開発コミュニティがこれまで以上にグローバルな課題に直面していることを明らかにしており、断固とした、共同の行動とイノベーションが必要とされている。パンデミックを封じ込め、健康・社会・経済への影響を緩和するため、多国間での協調が必要である。世銀グループは、その融資や出資、知見や関係者の動員力により、こうした複雑な課題を解決し、主導的な役割を果たすことができる特異な立場にある。

  4. 我々は、世銀グループ・IMFに対し、それぞれのマンデートの中で、また、WHOや他の国連機関・国際金融機関・バイのパートナーと連携して、引き続き、全ての支援対象国をサポートするよう慫慂する。我々は、世銀グループ・IMFの両機関に対し、パンデミックへの対応、経済回復の支援、世銀グループが掲げる二大目標や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進展の確保のため、協働することを求める。

  5. 世界経済は、COVID-19の影響により、特別なマイナスのショックを経験している。これに伴って生じた投資家による信認の世界的な急激な低下により、あらゆる所得水準の国において、海外からの資金調達条件が厳しくなっている。このパンデミックは、貿易、サプライチェーン、投資の流れを混乱させている。また、金融・人的資本を遊休状態としているほか、海外からの送金・貨物や旅客輸送による収入・観光からの所得が急速に減少している。加えて、一次産品価格の急落は、一次産品に依存する国々の経済を傷つけている。我々は、世銀グループに対し、各国によるこうした混乱を緩和するための取り組みを支援するよう求めると共に、雇用を保全し、信認を高めるための各国による努力をサポートすることを求める。負担可能な医療用品の供給や、食糧安全保障・食の安全性に特別な注意が払われるべきである。また、我々は、全ての国々に対し、必要不可欠な医療用品、重要な農産物やその他の物品・サービスについて、の国境を越えた流通を確保するとともに、グローバル・サプライチェーンの断絶を解消し、経済回復を支えるよう、取り組むことを求める。

  6. このパンデミックは、人々の命や、教育、基礎的な生存権、将来の生産性を始めとする人的資本に対し、すでに大きな影響を与えている。基礎的なサービスや食料の供給の混乱は、家計における雇用や所得の喪失と相まって、深刻な影響をもたらしている。我々は、世銀グループに対し、各国政府が、公衆衛生上の取り組みや栄養、教育、基礎的なサービス、更には、今回のショックに伴う直接的なマイナスの影響を緩和するための社会的保護策に資源を振り向けられるよう、支援を行うことを求める。また、我々は、感染拡大の第2波や将来のパンデミックの可能性から人的資本を守るため、各国政府による備えの強化に対し、世銀グループが重点を置いていることを支持する。世銀による取り組みは、脆弱な国々や小規模の島嶼国、全ての国における最も貧しく脆弱な人々に強いフォーカスを持つべきであり、また、ジェンダーへの配慮も必要である。

  7. 我々は、今回の危機に対するIMF・世銀グループによる迅速な対応を称賛する。我々は、両機関に対し、支援対象国が具体的な開発効果を実現し、回復までの時間を短縮することができるよう、支援することを求める。我々は、両機関に対し、最貧困世帯の貧困を解消し、小規模なビジネスを支援するための政策やプログラムを策定・実施するため、各国と連携することを求める。また、我々は、両機関に対し、経済成長と全ての人々がより高い生活水準を実現するための前提として、構造改革の旗を振ることを求める。この共通の脅威に対し、各国や各地域、更には、グローバルなレベルで戦うため、我々は、両機関に対し、利用可能な全ての金融支援ツールと技術協力の活用や知見の共有促進を図ると共に、オペレーションの実施に当たり柔軟性を発揮することを求める。

  8. 我々は、全ての支援対象国における最も貧しく脆弱な人々に焦点を当てた世銀グループによる支援について、今後15か月間で最大1,500〜1,600億ドルが予定されていることを歓迎する。我々は、この全般的な支援枠組みの中で、COVID-19ファストトラック・ファシリティを通じ、IBRD及びIDAが、公衆衛生危機に対する途上国の緊急対策(保健システムの強化、社会的セーフティネットの強化、基礎的サービスへのアクセス改善、公衆衛生危機に対する対応力の強化、疾病の監視強化等)を支援するための資金を提供していることを歓迎する。また、IFCは、貿易の流れや民間セクター全般をサポートするため、短期・中期の資金を迅速に提供している。MIGAは、緊急の医療対応と経済回復に必要な資金ニーズを満たすため、迅速な保証を提供している。

  9. 我々は、IMFが、通常ファシリティ及び緊急資金の双方を通じ、多くの国が政策及び財政上の余力を欠く中で、必要とされる支援を可能とするような途上国への支援を強化することを歓迎する。IMFの緊急融資ファシリティへの年間アクセス上限の倍増は、ディスバース加速のための内部手続き迅速化に向けた取組と合わせ、各国が直面する課題に応える重要な取り組みである。

  10. IDA対象国は、このパンデミックから深刻な影響を受けている。我々は、債務返済の負担が拡大していること、また、COVID-19危機によってもたらされた課題を国際的に協調した形で解決するため、即時の流動性が必要とされていることを認識する。従って、我々は、IDA19資金を活用したグラント(無償資金)や譲許性の高い資金の前倒しを含め、世銀グループによるIDA対象国に対するイニシアティブを強く支持する。我々は、債務返済の猶予を求める最貧国のための、二国間の公的債権者による債務返済の時限的な猶予の実施に向けて、G20及びパリクラブが合意し、世銀グループ及びIMFから支持された、協調的なアプローチを歓迎する。我々は、民間債権者に対し、同等の条件でこのイニシアティブに参加することを要請する。我々は、世銀グループ及びIMFに対し、IDA対象国と連携しつつ、強化された透明性に基づいて、債務持続可能性を評価すると共に、自由になった財政スペースの利用を監視し、年次総会の際に開催される開発委員会に進捗報告を提出することを求める。MDBs(国際開発金融機関)に対するG20の要請に沿って、我々は、世銀に対し、財務基盤、現行の格付、及び低廉な資金調達コストを維持しながら、猶予期間中の債務返済猶予に係るオプションを更に模索し、適時に理事会に報告することを求める。また、我々は、世銀グループ及びIMFに対し、中所得国が抱える債務の課題をレビューし、これらの国の財政上及び債務上のストレスへのケースバイケースによる様々な対応策を、速やかに模索することを求める。

  11. 世銀グループは、IBRD・IFC増資やIDA第19次増資の成功により、今回の危機に対し、意味のある形で、長期的な対応を行うための資金力を有している。我々は、全ての株主に対して、最大限可能な限り、応募手続を加速させると共に資金貢献を前倒しするよう、慫慂する。

  12. この危機は、多くの国において、これまでの開発の成果を消し去りかねない。世銀グループは、喫緊の経済的ニーズに対処するだけでなく、長期的な開発の優先課題(負担可能なエネルギーへのアクセス確保、エネルギー安全保障の構築、経済・環境上の脆弱性や気候変動への強靭性構築等)をサポートすべきである。我々は、世銀グループ・IMFに対し、援助の現場における実効性を確保すると共に、包摂的かつ持続可能な形での長期的な成長を実現するための条件を達成できるよう、各国に対して必要な支援を行うことを求める。また、我々は、世銀グループに対し、増資パッケージの中に盛り込まれているコミットメントの中で示された主要なグローバルの課題に対し、重要な役割を演じ続けることを求めると共に、貧困削減・繁栄の共有という世銀の二大目標や持続可能な成長目標(SDGs)の実現を図ることを求める。こうした目標の達成には、これまでよりも力強く、より良い形で立て直すことが不可欠である。

  13. 次回の開発委員会は、現在のところ、2020年10月17日にワシントンで開催の予定である。