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第98回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成30年10月13日)

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  1.  開発委員会は、インドネシア・バリにて本日10月13日に開催した。

  2.  世界経済の成長は引き続き力強いが偏っており、製造業と貿易の成長は緩やかになった。政策の不確実性、地政学的な動向、国際的な金融環境の緩やかな引締まり、債務水準や為替変動の上昇等様々な理由により、成長への下方リスクは増大している。我々は、国際貿易が経済成長、雇用創出、持続可能な発展に重要な役割を果たすことを強調する。我々は、加盟国が、世銀グループ(WBG)とIMFからの支援を得て、財政の持続可能性と金融面での強靭性を強化しつつ、堅固で包摂的な経済成長を確保し、リスクを低減し、競争を促進する政策を実施していくことを求める。

  3.  我々は、一部の新興市場国や低所得国において債務の脆弱性が高まり、過去の債務救済イニシアティブによる成果を後戻りさせかねないことを引き続き懸念している。世界経済のリスクが増大する中での債務見通しの悪化は、これらの国々の脆弱性を増加させている。このため、健全な政策枠組み、適切な財政上・対外収支上のバッファー、持続可能で透明性の高い貸付慣行が必要となっている。我々は、WBGとIMFが、各々のマンデートに基づき、債務管理能力の向上、国内資金動員の促進、現地金融市場の深化を通じて、加盟国の財政状況の強化を支援するよう求める。我々は、WBGとIMFが、借り手・貸し手とともに公的・民間債務の記録・監視・透明な報告の改善に多面的なアプローチで取り組むこと、及び既存の会合を活用しながら債務再編時の債権者間調整を強化するために努力することを支持する。

  4.  我々は、技術進歩が雇用や金融セクターなど国の発展の様々な側面に与える影響に鑑み、人的資本の形成に大きな焦点を当てた議論を行った。十年前には存在もしなかった仕事が生み出されている一方で、かつては有用とされたスキルの陳腐化も進んでいる。我々は、すべての個人が、デジタル化の革新的な進展のもとでも、こうした変化に適合し繁栄できるスキルや能力を得られることの必要性を議論した。このためには、公的財政システムの制約に鑑みれば、新たなアプローチが必要である。

  5.  我々は、「世界開発報告書2019:変容する仕事の性質」と、政策当局者の短期的・長期的な課題のより良い理解を促すアプローチを歓迎する。人的資本の形成は、巨額の投資とエビデンスに基づく政策立案を必要とすることから、新たに効率的に歳入強化を行うための戦略や、すべての人を対象とする社会保護・保健・教育システムなどの方策が必要である。我々は、WBGに対して、被支援国が就業のインセンティブを削がずにこうした課題に対応できるよう、こうした目的に特化した金融支援や政策アドバイスを提供するよう求める。我々は、各国が人々への投資を優先的に行うよう、WBG・IMFに対し、国内資金動員、不正な金融取引の撲滅、租税回避及び脱税への対抗、投資の促進、及び開発のための革新的な金融ツールの創出のため、国々の実情に応じた支援や能力構築を行うよう求める。

  6.  我々は、WBGが、より良い教育・保健の成果を得るため、より多くかつ効率的・包摂的な投資を行う必要性を強調していることを支持する。我々は、ヒューマン・キャピタル・プロジェクト(HCP)とヒューマン・キャピタル・インデックス(HCI)が、各国支援のためのプログラムとともに立ち上げられたことを歓迎する。これらは、被支援国が、国内のあるいは国際的な保健・教育システムに投資を行う長期的な努力を支えるプラットフォームとなる。また、技術変化によってもたらされる将来の経済の深遠な変化に備えることを助ける。我々は、WBGが、更なる手法の精緻化を行う余地があることを認識し、保健や教育に関する包括的な詳細データの開発を含め、他の関連多国間機関と連携して本取組みを継続するよう求める。

  7.  テクノロジーは、極度の貧困の撲滅と繁栄の共有の促進というWBGの二大目標に向けた歩みを加速させる新たな機会を提供する。同時に、国内及び国家間の格差拡大などの新たなリスクをもたらす。テクノロジーの潜在的な恩恵を最大化し、リスクを軽減するためには、早急に行動する必要がある。我々は、デジタル経済の基盤の構築、人々・企業・組織の能力構築、技術的なソリューションの提供などを通じて、WBGが、各国が持続的で包摂的な成長に向けた新たな道筋を見い出す助けとなることを支持する。我々は、WBGマネジメントに対し、被支援国や民間セクター、国際開発金融機関を含む関連パートナーと戦略的に協働する必要性を考慮に入れつつ、2019年春までにこのアジェンダを主流化するためのアプローチを準備するよう求める。

  8.  フィンテックは、革新的技術というWBGのより広い取組みの重要な柱の一つである。フィンテックは、家計・企業のため金融の発展・包摂を強化し、金融セクターにおける効率性や競争を促進することにより、包摂的で持続的な成長及び貧困削減を促す。一方で、フィンテックは、金融の安定性、インテグリティ、及び消費者・投資家保護に対するリスクをもたらしうる。我々は、政策当局者や国際社会にとって重要な論点を整理したバリ・フィンテック・アジェンダがWBG及びIMFによって立ち上げられたことを歓迎する。WBGとIMFは、各々のマンデートの範囲内で、他のパートナーと緊密に協力しつつ、金融市場の深化、金融サービスへの責任あるアクセスの強化、クロスボーダーの支払の促進、送金システムの強化、これらの技術の活用に伴うリスクの管理強化など、フィンテックのもつ潜在能力の活用を支援すべきである。その際、女性と中小零細企業の金融アクセスのギャップを埋めるため、低所得国、小国、取り残されたコミュニティに対する支援に重点が置かれるべきである。

  9.  民間セクターは、IDA国や脆弱・紛争影響国などにおける雇用創出、経済の機能改善にとりわけ重要である。我々は、WBGに対し、カスケード・アプローチを通じた開発資金最大化(MFD)の努力を継続するよう強く求める。カスケード・アプローチのもと、世銀・IFC・MIGAは、公正な競争環境を整え、開発目標を達成するための民間セクターによるソリューションの提供を追求するために協働することが求められる。これにより、公的な金融は、民間セクターが支援できないプロジェクトに確保されることとなる。我々は、IFCによる市場創出、先駆的な投資の支援、最もニーズが高い分野における機会の提供を目的とした戦略的な取組みを多とする。IFCは、デュー・デリジェンス、資金動員、能力構築及びアドバイザリー業務を通じて投資の成功への助けとなることができる。我々はまた、MIGAが、途上国に低コストの長期ファイナンスへのアクセスを与え、投資の拡大に貢献してきたことを多とするとともに、MFDのためにより大きな役割を果たすことを期待する。

  10.  我々は、IDAへの支持を改めて表明するとともに、IDAがWBGの二大目標を達成する上で果たす中心的役割と、持続可能な開発目標に対して行ってきた貢献の重要性を認識する。我々は、地域プログラム、難民支援、新しい民間セクター・ウィンドウの立上げ、初のIDA債の発行など、IDA18の実施が力強い進捗をみせていることを歓迎する。我々は、IDAに対し、革新的な取組みを継続すること、引き続き開発成果に焦点を当てること、IDA18におけるテーマ、すなわち雇用及び経済改革、ジェンダー、気候変動、脆弱・紛争・暴力、ガバナンスと組織を優先的に支援し続けることを求める。我々は、IDA中間レビューの結果を楽しみにしている。

  11.  最も脆弱な人々は、脆弱性、パンデミック、自然災害、気候変動による影響を他の人々よりも強く受ける。同時に、このような人々は、食料、エネルギー、水といった基礎的インフラへのアクセスが不十分であることが多い。我々は、WBGに対し、公的・民間セクターのパートナーと協力しながら、革新的なソリューションの追求、新たなテクノロジーの活用、危機リスク管理における南南協力の拡大に引き続き取り組むことを求める。我々はまた、WBGに対し、危機に対する準備・予防・対応・強靱性強化を主流化し、人道支援と開発支援が結びつく分野で活動し続けることを求める。これらの支援においては、とりわけ低所得国や小国といった被支援国が、リスク・ファイナンスの手段を一層活用し、気候変動と災害に対して強靱な質の高いインフラ開発と投資を行うことができるよう、金融支援や政策アドバイスを提供すべきである。

  12.  我々は、WBGの理事会とマネジメントがIBRD増資及びIFC増資についての決議案を総務に提出したことを感謝する。我々は、IBRD増資の総務決議が採択されたことを歓迎する。これは、増資決議の効果的な実施の極めて重要な第一歩である。また、IFC増資決議の各国での迅速な承認に勇気づけられるとともに、決議の採択に向けた株主の努力を歓迎する。我々は、2019年春会合において、資本パッケージにおけるコミットメントの進捗状況がアップデートされることを期待する。

  13.  開発委員会は、総会ホスト国であるインドネシア政府に対して謝意を表する。我々はまた、スラウェシ島中部及びロンボク島における痛ましい人命の喪失と甚大な被害に対し、哀悼の意を表する。我々は、スリ・ムルヤニ財務大臣(インドネシア)の過去2年間にわたる開発委員会議長としての比類ない貢献とリーダーシップに感謝する。我々は、ケン・オファーリ・アッタ財務大臣(ガーナ)が彼女の後任として開発委員会議長に就任することを歓迎する。

  14.  次の開発委員会は、ワシントンD.C.において、2019年4月13日に開催する。