現在位置 : トップページ > 国際政策 > 国際通貨制度等〜国際通貨基金(IMF)等〜 > 世銀・IMF合同開発委員会 > 第92回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成27年10月10日)

第92回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成27年10月10日)

印刷用(PDF)

  1. 開発委員会は、リマにて本日2015年10月10日に開催した。

  2. 世界経済は依然として弱く、2015年後半から2016年における下方リスクは高まっている。高所得国における緩やかな景気回復は継続しているものの、金融情勢の引締めの見通し、貿易鈍化、コモディティ価格の低迷の継続が多くの途上国の信用に対する重しとなっている。我々は世銀グループ及び国際通貨基金(IMF)に対し、リスクと脆弱性をよく注視し、諸国に対して成長や強靭性の構築に向けた支援を強化し、必要に応じて反景気循環的な役割を果たすことを求める。

  3. 現在の難民・移民危機の規模に鑑み、我々は混乱状態にある諸国や地域、特に中東・北アフリカ地域や他の脆弱・紛争国における課題に取り組むに当たり、国連や他のパートナーと連携しつつ、的を絞って支援することを求める。

  4. 持続可能な開発目標(SDGs)は今後15年間の開発に向けた新たな進路を示している。SDGsは普遍的かつ統合的であり、世銀グループの目標と整合的である。本年4月の開発委における「数十億ドルから数兆ドルへ」に関する議論を踏まえ、我々は持続可能な開発のための2030アジェンダに対する世銀グループの役割と支援を支持する。これには、必要な資金を動員するために、政府、国連、IMF、国際開発金融機関、世界貿易機関、民間セクター、市民社会を集め、結び付け、調整すること、また、南南協力を含め、国・地域・グローバルレベルでの開発に関する解決策を提供することを伴う。我々は、包摂的成長、雇用、インフラ、人材開発及び保健制度に重点を置くとともに脆弱紛争国への世銀グループの関与を深める必要性を強調する。民間セクターの発展はSDGsの達成のために不可欠。我々はIFCとMIGAに対し、開発のために民間セクターの投資や資金を動員する触媒的な役割を一層果たすことを求める。我々は世銀グループが業務改革やバランスシート及び外部資金の使用を最適化することを通じて、強い需要に対応するために実効性とサービス提供を強化する取組を歓迎する。我々は世銀グループが目標を達成しSDGsや気候アジェンダに貢献するためには適切に資源を有する必要があることを認識する。

  5. 国際開発協会(IDA)は引き続き世銀グループの目標やSDGsを達成するための重要な手段であり、我々は引き続き最貧国を重視しつつ、強力なIDA増資の継続を期待するとともに、追加的なIDA資金拡充策の更なる検討を期待する。

  6. 我々は、譲許的な融資制度へのアクセス向上の決定を含む、2030アジェンダに関するIMFの支援や、経済の強靭性の強化並びに世界経済及び金融の安定性の持続に向けたIMFの作業を歓迎する。

  7. 我々は世銀グループ及びIMFに対して、国内資金の動員や公的財政管理を改善し、不正資金を抑制するための途上国支援を増強することを促す。不正資金とその裏にある脱税、汚職、犯罪行為、共謀といった活動は途上国の資金の主たる流出源となっている。我々は国際課税問題を含め途上国の能力強化に向けた共同作業計画を歓迎する。

  8. 気候変動と自然災害は、特に貧しく脆弱な人々を、苦労して獲得した開発の成果を失う危険に晒す。賢明な政策と投資の判断は、環境を保護しつつ貧困を削減する経済成長の道筋への転換を促進する。我々は世銀グループに対し、気候変動の要因に対処し強靭性を構築するために諸国が行う気候に関するリスクと機会の評価を支援するため、技術支援や金融支援を拡大し、資金を動員することを促す。我々は2016年春の防災に関する報告のアップデートに期待する。我々は世銀グループに対し、小規模の国にとって最大の課題の一つである自然災害と気候変動の影響に対する強靭性の構築と緩和に向けた支援強化を求める。我々はパリでのCOP21が成功することを期待する。

  9. 我々は、貧困の終焉、繁栄の共有の促進及びより包摂的な社会の構築にとって重要なジェンダーの平等に対するコミットメントを再確認する。我々は、根強く残るジェンダー格差の縮小を目指す世銀グループの新たなジェンダー戦略の実施に期待する。

  10. グローバルモニタリングレポート(GMR)はミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた進捗を把握する上でその価値を証明し、我々はSDGsについても同様の役割を果たすものと確信している。最新のGMRは、グローバルな人口変動が2030アジェンダ期間における世界の発展の道筋に多大な影響を及ぼすことを示している。適切な政策により、人口変動は先進国と途上国の両方の成長を支えうる。我々は世銀グループに対し、開発政策の支援において人口問題を考慮に入れることを促す。

  11. 我々は、政策形成や、SDGsのモニタリング及び実施のため、データの質、対象範囲、入手可能性を強化することの重要性を強調する。我々は世銀グループとIMFに対し、途上国のデータ能力の構築とエビデンスへの投資に関する支援を強化することを求める。

  12. 我々は、2015年の株式保有の見直しの報告を歓迎し、世銀グループの長期的な役割の更なる検討を含め、株式保有の見直しの原則と実施に向けたロードマップに合意する。我々は、この報告で示されたガイダンスに基づき、2016年の年次総会までに動的計算式について合意することを含め、ロードマップを実施していくことにコミットする。我々は、加盟国に対する世銀グループの反応性の強化と、世銀グループのガバナンスにおける加盟国の声及び代表性の強化のため、広範な改革の重要性を強調する。我々は、世銀グループのグローバルな性質をよりよく反映するため、引き続き多様性と包摂性を促進する。

  13. 開発における変革的な解決策を提供するためには、成果、政策実施支援、並びにリスク管理のための受託業務及びセーフガード政策を重視することが必要。これは、顧客のニーズに対する反応性を確保し持続可能な開発の成果を提供する。我々は、2015年7月に承認された新調達基準を歓迎するとともに、世銀グループの環境社会配慮基準の見直しと改訂の成功裡の完了を期待する。

  14. 開発委員会は、ペルー共和国政府に対し、年次総会のホストへの謝意を表明する。我々はポーランド国立銀行のマレック・ベルカ総裁に対し、過去4年間にわたり開発委員会の議長として発揮した貴重で卓抜したリーダーシップと指導力に感謝し、後任となるインドネシアのバンバン・ブロジョネゴロ財務大臣を歓迎する。

  15. 開発委員会の次回会合は、ワシントンDCにて2016年4月16日に開催する。