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アジア蔵相・中央銀行総裁声明(仮訳)1998年10月3日(ワシントン、DC)

 

アジア蔵相・中央銀行総裁声明(仮訳)

(インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、

シンガポール、タイ)

1998年10月3日

ワシントン、DC

 

 

1.本日、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール及びタイの蔵相、中央銀行総裁が会合し、この地域での最近の経済の動向について検証するとともに、各国経済が直面する諸課題への対応に関する構想について話し合った。

 

2.第一に、蔵相と総裁は、最近のアジアの新興市場国の為替の状況が改善していることを歓迎するとともに、今後とも安定的かつ持続可能な経済発展を続けるためには為替の安定が重要であることについて合意した。

 

3.第二に、蔵相と総裁は、世界経済のリスクのバランスが変化したことについて合意した。彼らは、デフレ・スパイラルに陥るリスクを回避しつつ、経済困難を克服するためには、景気刺激的な措置を採り経済を再び持続可能な成長への回復軌道に乗せることが緊急課題であることについて合意した。

 

4.第三に、蔵相と総裁は、民間企業と金融セクターのリストラクチュアリング(再構成)を促進することの重要性について指摘した。彼らは、経済回復のためのアジア各国への民間資本の流入の重要性に留意した。彼らは、多くの国ではソーシャルセーフティーネットの強化及び雇用促進的な公共事業の実施により社会的弱者対策にも十分留意すべきであることについて合意した。

 

5.最後に、蔵相と総裁は、本日発表された、アジア各国の経済困難を克服するために300億ドルの資金を用意するという内容の日本のイニシアティブを歓迎した。関係各国は、このイニシアティブを実施するために早急に二国間の話し合いに入ることとする。