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第4回マニラ・フレームワーク会合(1999年3月26、27日オーストラリア・メルボルン)議長総括(仮訳)

 


第4回マニラ・フレームワーク会合
1999年3月26、27日
オーストラリア・メルボルン

 

 

議長総括
(仮 訳)

 


 3月26日及び27日、マニラ・フレームワークに参加する14の国・地域の蔵相・中央銀行総裁代理はメルボルンにて会合した1)。IMF、世界銀行及びアジア開発銀行からもハイレベルの代表が参加した。

 代理達は、各国が引き続き国内金融・経済の改革を推進していくこと、及び国際金融システムの改善を進展させていくことが重要であることに合意した。

 本会合は、IMFが先般公表した「インドネシア、韓国及びタイにおけるIMF支援プログラム-予備的評価」に基づき、アジア危機から得られた教訓について検討した。これらの議論は、本会合の参加者による直の経験が役立ち、将来のプログラムを改善することを目指すものであった。議論においては、プログラムのオーナーシップと信頼性を強化するための方策、当事者国政府がプログラムをより良く策定・実施していく方策、市場参加者とより効果的に対話を行う必要性、及び貧困層や最も脆弱な層へのプログラムの影響が強調された。本会合は、危機の状況下における適切な金融政策のスタンスについても議論を行った。

 本会合は、国際金融システムの改善に向け他で行われている議論の進展状況をレビューした。特に高レバレッジ機関の活動や危機の状況下における民間セクターの債権者の役割が強調された。本会合は、将来の危機を予防するためには、より一層の透明性が公的セクター及び民間セクターの双方に等しく要求されることが重要であることを強調した。この文脈において、本会合は、オーストラリアが透明性に関する提言や基準に対する遵守状況を詳述した透明性報告書を用意したことを歓迎した。

 域内サーベイランスに関する議論の中で、本会合は、金融市場の安定及び景気をサポートする財政政策が、危機の影響を受けたアジアの国々における景気回復に向けた進展に寄与したこと、及びいくつかの国においては経済活動が強まり出し、また他の国においては経済活動が安定し始めたことに留意した。代理達は、経済活動のより持続的な成長や、特に金融セクターや企業のリストラクチャリングにおける構造改革の努力を継続していくこと、及び国際社会の支援の下で社会政策を強固に実施していくことが重要であることを強調した。

 日本は、国内需要の刺激を維持するというコミットメントを繰り返し述べるとともに、金融セクター改革における具体的な進展を報告した。中国は、財政刺激が1999年において強いレベルの成長を維持するであろうとした。米国における堅固な成長は引き続き世界経済の推進力となるであろうが、米国の成長は減速すると予想され、また、いかなる場合においても、他の地域において内需主導の成長が再開することを持続的に代替するものではない。代理達はまた、本会合の参加国以外の経済については、欧州における適切な経済政策に支えられた堅固な成長が望ましいことに留意した。

 代理達は、オーストラリア政府の歓迎と準備に感謝した。次回会合は1999年9月にシンガポールにおいて開催される予定である。


1) マニラ・フレームワーク会合の参加国・地域は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、中国、香港特別行政区、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、及び米国である。