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第16回日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議

共同ステートメント(ポイント)
【2016年5月3日 ドイツ・フランクフルト】

  1. 我々は、ロー・ジーウェイ中国財政部長の議長の下、ドイツ・フランクフルトにおいて、第16回日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議を開催し、世界経済や地域金融協力の最近の進展について意見交換した。

  2. 我々は、各国、地域及び世界レベルでの現在の経済金融情勢について議論した。世界経済の成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、継続的な金融市場の変動、低い一次産品価格及び低いインフレ率を背景に、世界経済の見通しに対する下方リスクや不確実性が残っている。従って、我々は、潜在的なリスクに対して地域経済及び金融の安定を確保することの重要性を再確認した。この目的のため、我々は引き続き、成長を支え、潜在的なリスクに対応するために、我々が必要に応じてとりうる各国の状況に応じた政策オプションにつき追求する。我々は、生産性や潜在成長力を高めるための構造及び産業改革を進めるとの我々のコミットメントを再確認する。我々は、マクロ経済及び構造問題に関する我々の政策行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行うとともに、資本フローと資本フローの変動に起因するリスクを注意深く監視する。この点において、我々は引き続き、各国及び地域レベルの双方において、力強く、持続可能かつ均衡の取れた成長を達成するため、中国、日本及び韓国の間で意思疎通及び協調を強化する。

  3. 我々は、ASEAN+3における地域金融協力の更なる進展の方向性について議論した。我々は、アジア地域における経済の信認と金融の安定を確保するため、地域金融協力を強化することにコミットしている。我々は、IMFデリンクポーションの発動プロセスを含め、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の即応性と有効性を更に高めるため、他の域内各国と連携していく。我々は、CMIM契約書の定期的な見直し作業を進める。我々は、グローバルな金融セーフティネットと地域の金融セーフティネットとの効果的な協力を強化する取り組みを支持する。この文脈において、我々は、IMFプログラムとリンクした危機対応ファシリティに係る第7回目のCMIMテストランを実施する計画を歓迎する。

  4. 我々は、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)が今年の2月に国際機関化したことを歓迎する。我々は、域内のマクロ経済サーベイランス、政策対話及び技術支援におけるAMROの能力と役割の更なる強化にコミットしている。我々は、この5月末にAMROの所長としての責務を全うする根本洋一氏が、これまでAMROの組織能力や地域金融協力の発展に大きく貢献してきたことを多とした。我々は、次期所長としてチャン・ジョンホン氏が、新しい幹部陣を導き、AMROを高水準な国際機関に引き上げるための努力を行い、その成果を得ていくことを期待する。我々は、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)中期ロードマップを歓迎し、ABMIの協力において、より革新的な具体的成果を期待する。我々は、金融の安定や金融市場の発展を促進するための新しいアジェンダをレビューすることによって、地域金融協力のモメンタムを強化することに同意する。

  5. 我々は、2016年ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議の共同議長としての中国とラオスのリーダーシップを多とした。また、我々は、2017年5月に日本・横浜で開催される第20回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議において、日本とフィリピンが共同議長を務めることについても支援していくことで合意する。

  6. 我々は、IMFを中心とするグローバルな金融セーフティネットの強化や国際金融アーキテクチャーの改善などの問題に関し、国際経済協調のための第一フォーラムであるG20における協力を強化することで合意し、G20杭州サミットの成功に向けて連携していく。

  7. 我々は、日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議が、政策対話と調整のための効果的な場として役割を果たすと確信し、2017年5月に日本・横浜において再会することを確認した。