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ステーブルコインに関するG7議長声明

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 G7の財務大臣及び中央銀行総裁は、BIS決済・市場インフラ委員会(Committee on Payments and Market Infrastructures:CPMI)議長のブノワ・クーレ氏が議長を務めるG7ステーブルコインワーキンググループの最終報告書を歓迎する。

 技術革新は金融サービスや金融商品を変革する潜在性を有する。決済に関していえば、我々は、より早く、安価かつ便利で信頼できるクロスボーダー決済を実現する可能性のある発展を歓迎する。多くの国で国内決済システムが長年にわたり改善してきた一方、未だに非効率性が残っており、とりわけクロスボーダー決済、特に送金などのリテール分野は未だに遅く、高価かつ不透明であり、それゆえ金融包摂を阻みうる。決済サービスにおける責任あるイノベーションは、こうした欠陥のいくつかに対応できる。

 しかしながら、当報告書は、ステーブルコインが以下の項目に関する法律上、規制上及び監督上の課題とリスクを惹起することを指摘する: 法的確実性;健全なガバナンス;マネーロンダリング、テロ資金供与及びその他の違法な金融活動;決済システムの安全性、効率性及び公正性;オペレーションの頑健性やサイバー耐性;市場の公正性;データのプライバシー、保護及び移転可能性;消費者や投資家の保護;税務コンプライアンス。もしステーブルコインがグローバルに受け入れられると、こうしたリスクは増幅され、また金融政策、金融安定及び公正な競争に関して言えば、新たなリスクが生起するかもしれない。また、より広範には、通貨代替を含む国際通貨システムへの影響を持つ可能性があり、ゆえに通貨主権に対する課題を惹起しうる。

 我々は、適切な設計及び明確かつリスクに応じた規制を遵守することによって、法律上、規制上及び監督上の課題やリスクに十分な対応がなされるまで、いかなるグローバル・ステーブルコインもサービスを開始すべきではないということに合意した。規制に加え、公的権限や通貨主権の中核的要素の維持は勘案されなくてはならない。

 我々はG20における協力を歓迎する。また、関連する基準設定主体、特に金融安定理事会(the Financial Stability Board:FSB)や金融活動作業部会(the Financial Action Task Force:FATF)によって進められている取組みは、グローバル・ステーブルコインがもたらす既存及び新規のリスクに対する我々の理解を研ぎ澄ます助けとなるだろう。我々は、新興国や発展途上国を含めた法域をまたがる国際的な協力の重要性を強調する。G7は、自ら範を示す形で、新興のステーブルコインに関するものを含め、新技術に関わるFATF基準の迅速かつ効果的な実施を導いていく。

 我々は、政府や中央銀行、国際決済銀行及びBIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)等の基準設定主体に対し、関連する国際機関とともに、また民間の決済や技術の提供主体と協力して、引き続き、クロスボーダー決済の改善や金融包摂の推進、当局間の協力改善に向けた取組みを支援することを求める。

 我々はまた、中央銀行デジタル通貨(CBDCs)の評価に関し、中央銀行により進められている協力的な取組を歓迎する。