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20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2020年4月15日)

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我々の緊急の共同の優先事項は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックと、それが医療、社会、及び経済へ複合的に与える影響を克服することである。我々は、個別的及び集団的に、生命を守り、パンデミックを制御下に置き、人々の雇用と収入を守り、当面及び今後の世界経済を支え、金融システムの強靭性を確保するために、努力を惜しまないことを決意する。

我々は、新型コロナウイルスのパンデミックとその影響に対処するため、前例のない財政政策、金融政策、及び金融安定化政策を実施し、国際金融機関(IFIs)が開発途上国及び低所得国へ極めて重要な支援を提供できるようにすることを含め、国内外において、即時かつ例外的な措置を講じてきた。

我々の取組は継続され、拡充されなければならない。我々は、世界経済を支え、信認を強化し、金融の安定性を維持し、深く長期にわたる経済への影響を防ぐため、全ての利用可能な政策手段を用いることにコミットする。先日のG20首脳テレビ会議でのマンデートに基づき、我々は、新型コロナウイルスのパンデミックに対するG20行動計画を承認する。これは、我々の対応の道しるべとなる重要な原則を定めており、我々がこの危機を切り抜け、強固で持続的かつ包括的な世界経済の回復を見通すうえで、国際経済協力を推進するための具体的な行動への我々のコミットメントを示すものである。

我々は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行グループ(WBG)及びその他国際金融機関が、連携されたグローバルな対応の一環として、全ての手段を最大限用いて、支援を必要とする国々を支援するために行った措置を歓迎する。我々は、支援を必要とする国々を支援し、グローバル金融システムの安定性及び強靭性を維持するため、強力な金融上の対応の更なる導入及び迅速な実施を支持する。我々の行動計画に示されているとおり、この金融上の対応には、IMFによる包括的支援措置の実現、WBG及び国際開発金融機関により提案された2000億ドルを越える支援の早急な実施、低所得国におけるパンデミックによる債務脆弱性のリスクへの対処、国際機関のリソースの利用を最適化し、影響力を最大化するための、国際機関間の連携強化が含まれている。

我々は、猶予を求める最貧国のための債務返済の時限的な猶予を支持する。我々は、パリクラブでも合意されている、債務返済猶予イニシアティブの主要点を提供する共通の条件概要と、協調的なアプローチに合意した。全ての二国間の公的債権者は、各国の国内法及び内部手続きと整合的なかたちで、このイニシアティブに参加する。我々は、国際金融協会を通して、民間債権者に対し、同等の条件でこのイニシアティブに参加することを要請する。我々は、国際開発金融機関に、現在の格付及び低い資金調達コストを維持しながら、猶予期間中の債務返済猶予にかかるオプションを更に模索することを求める。我々は、債権者に対し、このイニシアティブの実施段階において、緊密に調整を続けることを要請する。

我々は、ラピッド・クレジット・ファシリティ(RCF)、ラピッド・ファイナンシング・インストルメント(RFI)の一時的な年間アクセス上限の倍増を含む、IMFの迅速かつ強化された緊急資金へのアクセスの展開を歓迎する。我々は、IMFによる、2022年に見直しを行うことを含め、非常に強固なファンダメンタルズ及び政策を持つ加盟国のための、新たな短期流動性ラインの採択を支持する。我々はまた、IMFに対し、過去の危機から関連する経験を参考にし、危機の進展に応じて、加盟国の資金ニーズを満たす追加的手段を模索するよう要請する。我々は、IMFの危機対応能力を強化するため誓約された、即時の資金貢献を歓迎するとともに、極めて重要な資金ニーズに対応するため、更なる迅速な貢献を要請する。我々は、強固で、クォータを基礎とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFを中心とした、より強固なグローバル金融セーフティ・ネットを確保するという我々のコミットメントを再確認する。

我々は、中央銀行による、そのマンデートと整合的な、二国間スワップ・ラインの展開及び拡大、並びにレポ・ファシリティーの導入を含め、グローバルな金融の安定性と強じん性を支えるための、迅速で例外的な措置を実施してきた。我々はまた、金融システムが経済を支え続けることを確保するための規制監督上の措置も実施してきた。我々は、警戒を続けるとともに、必要に応じて追加的な措置を講じる用意がある。我々は、FSBに対し、引き続き金融セクターの脆弱性をモニターし、以前に合意された改革を損ねることなく国際的な規制基準に内在する柔軟性を活用しながら、メンバー国、国際機関、基準設定主体の間で規制監督上の措置の連携を図ること、及び実施された政策措置のベスト・プラクティスを共有するべくメンバーの経験を引き出すこと、を要請する。この観点から、我々はFSBのG20向け新型コロナウイルス・レポートに示されている原則を支持する。

我々が承認した行動計画は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響が進展するにつれて、定期的に見直される。我々は、2020年7月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議及び2020年11月のG20首脳会議において、この計画の実施状況を捕捉し、計画の更なるアップデートを報告する。我々は迅速に行動し、必要に応じて更なる行動をとる用意がある。我々は、グローバルな課題、特に経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応や得られる機会の向上に関連する課題に引き続き取り組みつつ、下方リスクから守り、迅速な回復を確保し、強固で持続性があり均衡のとれた包摂的な成長を実現するため、全ての利用可能な政策手段を用いるとの我々のコミットメントを再確認する。