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20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2014年4月10-11日 於:米国・ワシントンD.C.)

  1. 我々は、2014年に世界経済の成長が強まる見通しであることを歓迎するが、重要な世界のリスクや脆弱性に対して警戒を続ける。我々は、これらのリスクに対処するとともに、回復を更に強化し、雇用を創出し、中期の成長見通しを改善するための行動を取る決意である。

  2. 我々は、ブリスベン・サミットに提示される我々の包括的な成長戦略が、強固で持続可能かつ均衡ある成長を達成するための野心的、現実的、かつ具体的な施策を示すことを確保するため、首脳や政府全体と協働することにコミットする。我々は、金融部門の安定を維持しつつ、そして租税回避及び脱税への対処等を通じて財政の持続可能性を維持しつつ、成長を支え、雇用を創出するために、これらの施策を策定する。今後5年間で、我々全体のGDPを現行の政策により達成される水準よりも2%以上引き上げるというシドニーでの成長目標を達成するため、我々は、過去のG20におけるコミットメントを発展させ、我々の政策の枠組みについて特定されたギャップに対処し、世界の需要を引き上げ、リバランスさせ、為替レートの柔軟性を達成しつつ成長力を高め、大きなプラスの波及効果をお互いに、また世界経済全体に対し生み出すための、新たな行動を策定することにコミットする。9月の会合で、我々は、包括的な成長戦略を共にレビューし、これらが、マクロ経済政策に加え、投資、雇用・労働参加、貿易及び競争を含む広い分野にわたる行動を含むことを確保する。

  3. 構造改革は、我々の共通の目的を達成するために特に重要である。我々は、今回の会合で、製品・サービス市場の更なる競争を促進する改革の重要性に焦点を当てた。これらの改革は、貿易を促進する施策とともに、とりわけ強固な競争枠組み及びその執行を伴う際には、経済の効率性とダイナミズムを高め、生産性を引き上げる。

  4. 我々は、低所得国も含め、経済成長や雇用を引き上げるに当たり、投資が果たす役割の重要性を再確認した。ブリスベン・サミットに向けた施策パッケージの一部として、我々は、我々の成長戦略に各国ごと及び全体としての行動を含むことにコミットする。これには、特にインフラへの良質な投資を促進し優先順位付けするための一連の優れた慣行が含まれる。我々は、投資情報の質やアクセス可能性を改善し、中小企業向けを含めた更なる長期投資に結び付けるために金融市場の能力を高める方策も含む、優れた慣行を実施するための適切なメカニズムの検証も行う。我々は、貸出能力を高めるためにバランスシートをより良く活用するという世界銀行グループで最近取られた決定を歓迎する。我々は、世界銀行グループや他の地域開発銀行、OECDと協働しつつ、我々の投資環境を改善し、民間部門の関与をより良く活用するためのアプローチを策定する。

  5. 我々は、起こり得る様々な結果について、互いの政策枠組みへの理解を更に深め、我々の国内政策が持つ全体的なインプリケーションを評価することを通じ、マクロ経済の協力を強化している。我々は引き続き、政策の在り方を調節し直す際には、我々の行動に対する透明で適時のコミュニケーションを提供し、世界経済への影響に留意する。 

  6. 我々は、ウクライナにおける経済状況を注視し、経済や金融の安定へのいかなるリスクにも留意している。そして、ウクライナ当局が意義深い改革の実施に取り組む中、IMFが最近ウクライナに関与していることを歓迎する。ウクライナにおける状況は、金融危機への世界で最も迅速な対応機関としてのIMFの重要な役割を強調する。 我々は、引き続きIMFと世界銀行グループが、政策アドバイスや触媒的融資を通じて国々が経済的課題に対処することを支援するために、最も良く位置づけられている機関であることに合意する。

  7. 我々は、2010年に合意されたIMFクォータ・ガバナンス改革や新たなクォータ計算式を含む第15次クォータ一般見直しの進捗が、引き続き遅れていることに深く失望している。我々は、IMFがクォータを基礎とする機関であることの重要性を再確認する。2010年改革の実施は、引き続き我々の最優先課題であり、我々は米国に、最も早い機会に、これらの改革を批准することを促す。我々は、強固で十分な資金基盤を有するIMFを維持することにコミットしている。もし2010年改革が本年末までに批准されなければ、我々はIMFに対し、既存の作業を基に、次のステップについての選択肢を策定することを求め、IMFCと協働して、選択肢の議論のスケジュールを決める。 

  8. 我々は、「大き過ぎて潰せない」問題を終結させるためのコミットメントの一部として、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)が破たんした場合における、破たん時の損失吸収力の充実性に関する提案をブリスベン・サミットまでに策定することにおける進捗を歓迎する。この提案は、ホーム及びホスト当局と市場に、納税者に損失を負わせずにG-SIBsの秩序ある破たん処理が実施可能であるとの信認を与えるものとすべきである。グローバルなシステム上重要な金融機関の破たん処理可能性を向上させるため、我々は、破たん処理の実行のクロスボーダー相互承認に係る取組みにおける不確実性を軽減すること、及び、機関毎のクロスボーダー協力取極めにおける進捗を加速することに、コミットする。我々は、FSB(金融安定理事会)の代表権構造の見直しが、FSBが、危機対応段階からの移行に当たっての広範な課題への対応に、十分な備えを引き続き有することを確保すべきことに合意する。